第55話実力テスト

毎年恒例の実力テストが行われた。


「ゆう君、テストどうだった?」


「余裕。」


心配そうにゆうを渚は見ていた。


それはそうである。


ゆうは、怠け者になり一切勉強しなくなったのである。


その結果、全ての教科が赤点という事になった。


茜は、頭を抱えた。


しかし、ゆうは、何故か余裕である。


追試を受けて結果、全教科満点である。


ゆうは、渚に


「だから、余裕って言ったろ。」


と告げた。


ゆう君は、本当に勉強しなかった。なのに‥。


渚は疑問だった。


しかし、答えは単純だった‥授業中に全ての教科で暗記する癖が身に付いたのだ。


ゆうは、あまのじゃくなので赤点をわざと取って注目を集めて追試で満点を取る。


結果、渚と茜に冷や汗をかかせただけだった。


「本当性格悪いよね。」


「渚、校内新聞に今回の珍事は有終の美として取り上げられた。」


「あ、そう。」


「素っ気ないな。」


当たり前でしょうと言いたかったがそんなところも渚はゆうに惹かれているのだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る