第25話 天狗
天狗は、天駆ける犬。天狗は流星のことである。天狗は小さな石に乗って飛ぶ犬である。
天狗は天の番犬。天の星々を守る。天狗は天から盗まれたものを追いかける。天に流星が現れるのは、天に盗人が現れ、天狗がそれを追いかけているからである。
桓武天皇が平安京を作らせた時、天の星々が一斉に乱れたというが、この時、たくさんの天狗が地上に降りた。天から南極星が盗まれたからである。それ以前から地上にいた天狗もあったが、この時に地上に降りた天狗が最も多い。天狗は、以後、地上で南極星を探している。
山寺の法師姿の天狗は、天駆ける犬が地上に降り、人の女と子をもうけた一族。犬神筋(いぬがみすじ)、狼筋(おおかみすじ)という。
天狗は天の番犬。天から盗まれた星々を探している。丸い石に乗って地球のまわりをぐるんぐるんとまわる。
人の領土に対して、犬の領土を犬神領、狼の領土を狼領という。人村では人は犬より偉いが、犬神領では犬が人より偉い。犬神筋の人は人村の人より偉いので、人は、犬に噛まれるのを恐れて犬神筋には手を出さない。
犬神領の犬は天文に通じる。犬神領は天狗たちが天から盗まれた星々を取り返した時に、星々を隠しておく場所である。
犬神は犬たちが崇める神。犬神は犬の頭領。犬神の遠吠えは、すべての犬が終結するという。
犬神筋とちがい、狼筋は容赦なく人を襲うという。
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