第24話 私が二十六年間考えた重力理論の試論

 光と光と光があって、そのうち一個の光が主観に対して軌道の複雑さを増すと、その一個の光だけ主観との距離が近づき、残り二つの光は三つの光に等距離を保ちつつ、一個の光に近づくように見える。つまり、一個の光に重力が発生して、残り二個の光と近づくように主観には見える。主観も光でできている。重力は光の軌道の複雑さによって発生する見かけの力であり、客体世界ではすべての光が等距離にある。

 この重力理論で扱っているのは、物質の関係性であって、情報の関係性ではない。そのため、わたしが書いた「近づく天体と遠ざかる天体」という小論文の後半部はまちがっている。

 光が七つある場合、そのうちのひとつは主観の一個であり、残りの光は二つずつの三組の光の集合である。三組の光の集合のうち一組の光の集合は、その一組が光の軌道の複雑さを増やし、主観からは残り二組の光の集合と見かけだけ近づくように見える。この時、三組の光の集合すべてから光が一個ずつ主観との軌道の複雑さを増やし、主観は三組の光の集合との関係性を認識する。この時、光の軌道の複雑さを増した組の光は、その他の二つの組の光の集合と軌道の複雑さを増すため、客体世界では光は等距離であるのに、主観世界では複雑さを増した光一個と二つの組の光が近づくように認識される。重力はこのように発生する光の軌道の複雑さのことである。

 わたしが主張しているのは、重力は物質の根拠となる客体世界ではなく、重力は主観によって認知された見かけの世界に発生する現象であるということである。


 光の軌道が複雑さを増やす原因はわからない。

 星から光が飛んで来るのは、主観と星の間の複雑さが増えたからである。複雑さの増えない光の集合は見えない。

 光が複雑さを増すほど重力は強くなる。

 主観がどのように発生するのかはわからないが、光学顕微鏡でも人の視覚でも星や銀河が同じように見えるので、主観は細胞構造によらないのではないか。

 光がすべての光と重力を増すので、光の複雑さは主観世界のすべての方向に複雑になっている。光が三次元の全方向に複雑さをまして、球体状に主観世界が歪んで、粒子状になり、重力発生源となる。それは、光が複雑さを増すと重力が発生するからである。


 この重力理論を前提として考えると、従来の宇宙観がどうなるのか。光が客体世界では等距離にあり、重力が見かけ上の現象にすぎないのだから、宇宙すべてが一点に集まっていたというビッグバンがあったとは考えづらい。

 銀河、太陽、地球、人の体は、光の複雑さが高いのであり、それらの光の集合から我々の主観との複雑さが増して光が近づくので、それらから光が飛んで来ると認識されるのである。

 この重力理論を前提として考えると、宇宙が膨張しているのは、地球を構成する光の複雑さが増しているため、地球の複雑さに比べて宇宙が単純になっているからである。

 地球でエントロピーが増え続けているのは、人類が地球の複雑さを増やし続けているので、地球の主観がエントロピーが増える状況しか観測していないからではないか。人類が光の複雑さを減少させれば、エントロピーが減少することがあるのだろうか。それを実験で確かめるにはどうしたらよいのか。

 人工的に光の複雑さを操作するにはどうしたらよいのか。この重力理論によれば、光の複雑さを増せば縮小するのではないか。光の複雑さを増やすには、その光に近づく光をどんどん解放してやれば、光はどんどん複雑な集合になり、重力が増えるように見えるのではないか。


 以下は、わたしが書いた「私が二十六年間考えた重力理論の試論」を読んでもらい、インターネットを介して質問に解答した時の記録です。質問者には、彼の質問をわたしの著作物で使用する許可をもらいました。これを読むと、わたしのいいたいことが少しは理解が深まるかもしれないと考えて、追記することにしました。

【質問】「ビッグバン直後の生物が存在しない宇宙はどうなのか。認識主体がいない。」

【回答】認識主体がいない場合、光が等速度で移動しつづけるだけで、重力は発生しない。重力の発生は、認識主体の主観の中にしか存在しない。宇宙は、光の等速度移動によってできていて、重力が発生するのは、光の存在を根拠とした認識主体が発生した後のことだ。

【質問】「じゃあ、宇宙に生命体が発生する前は重力は存在しないの?」。

【回答】そうだ。だが、光の移動の歪みは、宇宙の誕生の後にすぐに発生するから、この宇宙では、光を存在の根拠とする認識主体はすぐに発生したと考える。光の移動の歪みは、認識主体の発生を意味していて、認識主体が発生するなら重力は発生しているからだ。宇宙の根源的な力は、光の移動であって、重力ではない。

【質問】重力がなくなったら、地球がバラバラになっちゃうね。認識主体の範囲はどのくらい? 太陽はどうなる? 銀河系は?

【回答】地球が重力で固まっているというのは、認識主体が認識している主観的な宇宙にすぎず、客観的な宇宙では、地球はただ光の軌道が複雑なだけで、光の集合体にすぎない。だから、認識主体がなくなっても、地球はバラバラにならない。地球の見え方が変わるだけ。

【質問】地底は暗闇だけど、地底には重力はないの?

【回答】地底は光でできていると考えているので、地底には重力がある。地底の重力は、認識主体が光の軌道の複雑さを認識しているために発生している。地底は実際は、暗闇ではなく、光の複雑な軌道の集合体だ。認識主体が認識していない場所で重力が発生するかどうかだが、認識主体にとっての宇宙では存在する。

【質問】ブラックホールは、光がないけど、巨大な重力を生み出しているぞ。

【回答】ブラックホールは、光の集合体だよ。

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