第32話 ダブルデート 五
そして、僕たちは予約していた、イタリアンのレストランに着いた。しかし…、
「えっ、ここ、臨時休業ですか!?」
「申し訳ございませんお客様。ただ今、当レストランの厨房機材が壊れてしまいまして…。本日は、臨時休業とさせて頂いております。」
というわけで、僕たちは別の行き先を探す羽目になった。
ここで達紀が僕に、女性陣2人には気づかれないように、
「なあ、ある意味これって、チャンスかもよ。
ここで機転の利くとこ見せて、アピールしなよ!
俺はとりあえず黙ってるからさ、次の行き先、指示してくれよ!」
と耳打ちする。
『それもそうだ。ここで、頑張らないと…。』
と、同時に僕も思う。…しかし。
そう思えば思うほど、僕の頭は空回りする。
「なあ翔真、この後どうする?」
その耳打ちの後達紀がみんなの前でそう僕に話しかけるが、なかなか僕は次の一手を出すことができない。
「え、えーっと…。
じゃあとりあえず、○○デパートいかない?そこにもレストラン、あったはずだし…。」
僕は苦しまぎれに、そう提案する。
「よし、じゃあ翔真が言うんだし、そうしよっか。」
達紀が明るくそう言い、僕たちはそのデパートに向かった。
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