第24話 出会い 十二
やはり負けず嫌いの彼女の姿勢はかわいくて、僕はその姿を見て、微笑ましくなった。
同時に、この時間が、永遠に続けばいい。どうせなら、過去に戻るだけじゃなくて、時間を止めて欲しい。僕は、そんなことまで考えた。
しかし、そうやってプレーしている間にも、サークルの終了時間、僕たちにとって「終わり」、「別れ」の時間が刻々と近づいてくる。
そして、サークルが終わった。
「豆田さん、ありがとうございました!」
「…いえいえ。」
その後の会話は、テニスのこととなると熱くなり過ぎる亜紀のこと、また僕の「豆田」という珍しい名字のこと、などであった。
また彼女は相変わらずハキハキした喋りで、
その話し方を今まで何百回以上聞いてきた僕でも、やっぱり好印象を持てるものであった。
「じゃあ私、この辺で失礼します。」
そう言って、彼女はテニスコートを後にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます