CLS研究の終焉

しかし、本来のメルシュ博士に戻ったと言っても、過酷な実験を何度も行ったことにより、実質的には妊娠などの女性としての能力は失われていたと言ってもいいかもしれない。


まあもっとも、コライン、コルツェウィ、コルドレイ等の博士のクローン達が産んだ子供達も含めると、血縁上は既に数十人の子持ちでもあったのだが。


最初の頃に生まれた子供など、もうよちよち歩きの可愛い盛りだ。とは言え、メルシュ博士自身はそういうのに興味はなかった。自分の子供などどうでもいいとしか思っていない。リヴィアターネ人として生まれたその子供達の中から、自分に反逆してくれる者が出るかもしれないことについては期待もしていたりする。


なお、コライン、コルツェウィ、コルドレイ辺りも既に限界が近付いていた。それをどうするのかについては、今のところ考えてはいないが。


次のアリスマリアHの素材として置いてもいいし、解剖してもいい。全ては博士の思うがままだ。


しかも、博士のクローン以外の若い女性のCLS患者、コレルフ、コルトロイス、コルシックスも、遠からず限界を迎えるだろう。まあそちらはそれこそ解剖でもしてしまえばいい。


相変わらず博士の思考は、まともな人間のそれではなかった。


妊娠・出産の実験については、メイトギア人間の方で間に合っている為、新しく名有りのCLS患者を増やす必然性は感じていなかった。


また、他の年代のCLS患者についても一通り実験を終えていた。ちなみに、ナノマシンの補助なく妊娠を行わせるという実験については、経産婦を使っても結局上手くいかず、既に実験を終了している。その代わり、赤ん坊を産む為の母体としては頑張ってもらったが。


それ以外の名有りのCLS患者達については、特に状況は変わっていなかった。老化抑制技術の恩恵にあずかっている人間に比べれば寿命が短いと予測されてはいるが、それでもかなり長く生きると予測されている。その辺りまで確認するつもりなら、まだまだ先は長い。


そういう名有りのCLS患者の世話を任されているのがレオノーラ・アインスとエレオノーラである。リリア・ツヴァイとリリアテレサもその役目は担っているが、リリアテレサは特にアリスマリアRの助手も兼ねているので専任している訳ではなかった。


コルスィーベンのこともあり、レオノーラ・アインスとエレオノーラの勤務態度は、以前に比べると少し雑になったようにも感じられなくなかった。生身の肉体を得たことで、肉体の側からのフィードバックがあるからかもしれなかった。


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