まっすぐ歩くということ

アスファルト舗装された道路はわりと歩きやすくて

別に寄り道したいところもないから

そのままふつうにまっすぐ歩いた

気づいたら街灯も人影もなく

手をのばしても届かないくらいには遠くなったよ

誰もいない暗がり

ようやく足をゆるめる


なにが悪かったのだろう

まっすぐ歩き続けたことだろうか

だけど僕は泥道でも砂利道でも

きっと同じように歩いただろう

だからほんとうの理由をさがせばそれは

生きてしまっていることだ

僕が僕であることだ


ここは暗がりざわめく森インターネットの水底四角い部屋

どこであろうと行き詰っているということ

ここじゃないどこかに向かって走りだしたい

どこかがどこにあるかわからない

だからもうこのまままっすぐ歩こう

まっすぐ歩こうだめだとわかっていても

僕にはそれしかないから


しあわせになりたいけれど

なりかたがわからない

簡単だよ首をくくればいい

って噓をつく

噓をつく噓をつく噓をつく

歩きつづける

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る