騎士と悪魔の乱闘騒ぎ
まず出てきたのは六本腕の牛の悪魔。常人の倍はあろう巨体に加え、六本の腕がすべて剣を持つ。
「このオレ様が一番だ! バラバラのミンチにしてやる! 覚悟しろ!」
「名を聞こう」
「人間ふぜいが! お前に聞かせる名前はねえよ!」
牛の悪魔は一番上の両腕を高くかかげて、二本の剣を振り下ろす。
ホラインは後ろに下がって剣を避け、鋭い突きで牛の悪魔の
牛の悪魔は
「見かけ倒しか! 次はどいつだ!」
ホラインが
我こそがと言った手前、引くに引けず、こうなってはやぶれかぶれと数をたのみにホラインに襲いかかった。
しかしホライン、剣を振るうまでもないと、二つの拳で返り討ち。剛腕で悪魔の頭を叩きのめし、力任せにちぎっては投げ、ちぎっては投げ。
ザコを散らした後に出たのは、いかついヤギの頭の男。
ただならぬ雰囲気に、ホラインは目つきを変える。
「フフ、我が名はダランティード。カヌン・アルハジャの悪魔伯爵」
「やると言うのか」
剣に手をかけるホラインに、ダランティードは含み笑い。
「いかにかのラビターンの代理といえど、人間ごときが無礼がすぎる。魔法も使えぬ下等悪魔に勝ったところで粋がるな」
ダランティードがぎろりにらむと、ホラインの鋼の剣がスギの棒に早変わり。
これにホライン、目を疑うも、迷うことなくダランティードに投げつける。
「うお、何を!」
不意打ちにダランティードはとまどって、顔面にスギの棒を受けてしまう。
ホラインは矢のごとく駆け、スギの棒を拾い上げると、容赦なくダランティードをめった打ち。いかに木の棒切れでも当たれば痛い。
「痛い、痛い、やめてくれ……」
悲痛な叫びにホラインは手を止める。
ダランディードは気絶して、大の字に倒れ伏し、ぴくりとも動かない。
ホラインは怒り収まらず、悪魔どもに呼びかけた。
「ラビターンの代理として出てみれば、何たるありさま! これが悪魔の流儀であるか! ろくでもない! ああ、もうよい! 失礼する!」
ホラインは激しく怒って、会場を後にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます