第12話 料理が出来ない件について。

まずは食材の準備をしたところで下準備を始める。

今日の夕食は野菜のを切る練習からするために、鶏ガラ鍋にする事にした。

「結月さんニンジンはいちょう切りにしましょう。」

「こっ、こうですか?」

と出来たのは、いちょうの形ではなくひし形のニンジンが切れてしまったのだ。

「どうやったらその形になるんですか?」

「いやいや、私のほうが聞きたいですよ」

それからも…………

「半月切りってわかります?」

「こうでしょう?」

「いやそれは、円形ですよね?」

もはやネタだ。

自分は結月さんと夫婦の漫才をしているのか?

「こうですよ。」

「こうですか?」

「あっそうです。」

つい4~5ヶ月前までは本当にわからなかった事がわかってきた。

仕事はできるけど、家事が出来ない。

というよりかは、本来の家事というのが、出来てませんと言いたい。

「聞きたかったですけどね、小学校の先生になるつもりはあったのですか?」

「あったけど、これだけ唯一出来なかったので。」

「ピアノとかも弾けるのですか?」

「弾けるよ。これでも、バイエルは大体。」

バイエルって確か簡単なものから、難しいものまである。

「料理だけは出来ないのでね、掃除はどうなのですか?」

「 で、できるけど。」

できないです。

「頑張って作りましょう。」

そして僕らは、鍋料理を急いで作った。


「いただきます。」

と叔父、結月さん、祖父と祖母の5人の声が揃う。

「これ、絶対結月だろ。」

叔父はニンジンの形を見て、そう言う。

「ご、ごめんなさい。」

顔を赤らめていた。

「別にいいんだけど、まぁまぁこれから裕翔が教えてくれるから。」

「叔父さんよ、教えてこれだよ。」

そう言うと、笑いが起こった。

「だ、大丈夫だから、これから。」

と笑いながら言った。

「けど結月さんは、すぐに覚えるのが早いから大丈夫。」

そんな事を話しながら夜がふける。


「おはよう、裕翔君。」

「おはようございます。」

彼は今、お義母さんと味噌汁を作っている所だ。

「もう少しで、できますから。」

「ありがとう。」

本当に彼は凄い。

私が担任を持ってた頃から、何でもできるイメージだ。

欠点は無いのかと思うことも良くある。

顔を洗って、髪型を整える。

自分は、恋も家事も器用じゃないと思う。

改めて、器用な方がいいなって思うことも多々ある。

それを鏡を見ている時にそう思う。

「結月さん、できましたよ。」

「あっ、わかった。」

そこに並んでいたのは、一汁三菜と言ったイメージのままの料理がでて来る。

「今日も美味しいね。」

「それは、おばあちゃんが作ってるから。」

「けど手伝いをしたのでしょう?」

「結構やってたから、裕翔の料理だと思うけどね。」

とお義母さんが言う。

「おはよう。今日は裕翔が作った料理じゃない?」

「何で分かるの?」

「味噌が少し濃いのが裕翔なんだよ。」

「全然気づかなかった。」

「まだまだだな…………」

やっぱり私は、一馬さんと、裕翔君には叶わない。

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