綺羅星とソーダ水

作者 原田 澪(はらだ みお)

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★★★ Excellent!!!

幻想的な世界が、子供の主人公の目線によって、より幻想的に描かれている作品だと思いました。

色々なものを溶かした幻想的なソーダ水は、大人の飲み物――主人公は、初めて飲むソーダ水は、綺羅星を溶かしたものがいいと、一番星を捕まえに行きます。
星を捕まえて、大人の飲み物ソーダ水を飲めれば、自分ももう大人……けれどもそれは、子供時代との別れでもあるのです。

懐かしさと、切なさを感じる作品です。
素敵なお話を、ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

とても素晴らしかったです。
まだ真っ白な子供たちには、たくさんの初めてが待っています。
時には傷つき、時には苦しみ、二度と取り戻せないものを手放しながら、少しずつ人生の階段を上っていくのですね。
原田先生の作品は本当にいつも綺麗で、読みながらほれぼれしてしまいます。
素敵な作品が読めて、とても嬉しかったです。

★★★ Excellent!!!

「ぼく」は伯父さんに連れられて、「猫目石」という大人向けのカフェにやってきます。
そこでバーテンダーのつくる綺麗なソーダ水に心を奪われます。
なかでも、伯父さんが秘密めかして語る「綺羅星を溶かしたソーダ水」に魅了されます。ですが、子どもはソーダ水を飲んではいけないのです。
あきらめきれない「ぼく」はある計画を実行します……。

美しい言葉にこだわりぬいてつくられた、大人向けの童話のような短編です。
読んでいるうちに、透明感があり胸のすうっとするようなソーダ水さながらの世界に、すっかり入りこんでしまっていました。
バーテンのつくるソーダ水の描写には、どこか子どもの頃のわくわくとした憧れを思い起こさせてくれるものがあります。

ラストはほんのりと切ないです。
でも決して悪いものではありません。あたたかさに包まれたなつかしい切なさです。
かつて誰もが味わったことのあるであろう、ほのかな哀愁を感じました。

この綺麗な世界を文章で説明することは難しいので、ぜひ読んでいただきたく思います。
きっと読み終えるころには、泡のはじける冷えたソーダ水を手にとって、そのさわやかさで胸をいっぱいにしてみたくなるのではないでしょうか。