異世界言語と補佐役

 でゅら娘が少女を連れてきた瞬間の真心の行動は早かったシスタに指示を出し作業中であった、虎徹とシャルルそしてエルザを招集しちゃぶ台を囲む。

シスタとエルザだけは別で連れてこられた少女を布団に寝かせていた。

 少女の歳の頃は10歳程度で日本どころか全世界を見ても珍しい地毛の金髪に褐色の肌をした少女だ、服は腕と頭を通す穴だけの簡素な造りの物を着ていた。


「さてでゅら娘あれは何?」

「人間っすよ、いやー、可愛いっすね、あたし子供は結構好きっすよ」

「いや、そうでござるが、真心様の言いたいのはそうじゃないでござる」

「あれをどこで拾ったのか知りたいのニャ」

「いやー、そういわれてもっすねー」


 でゅら娘の言い分はこうだ、とある朝の日、起きてみれば首だけで胴体がどこかに行ってしまっていた、まぁこんな事は日に何度もあったし、死んじゃったりしても再生できるしそのままでいっかと放置していたのだが今日は珍しく戻って来た。

 それもそこの布団で寝ている少女を連れて、そして話のタネになりそうだしとここまで担いで持って来たのである。


「どこで拾ったかでゅら娘殿自身も分からぬと」

「いやー、そういうことっすね!」

「そういうことっすね! じゃないニャ! 自分の胴体くらい管理しろニャ!」

「まぁまぁ、シャルル殿、落ち着くでござるよ」

「そうだね、とりあえず、本人が起きてくれるまで待つしかないかな」


 と、そんな風に騒いでいれば少女が目を覚ます、目を覚ました少女に4人も近づき挨拶をするのだが。


『な、なにを言ってるの? 貴方達誰?』

「まさかの言語通じないパターン! こういうのは不思議ぱぅわーとかあって出来るもんじゃないの!?」


 5人にはさっぱりの言葉で喋るのであった、真心も異世界の言語は主人公補正的な何かでぱぱっと分かって、友情結べると思っていたので愕然とする。

 そこで活躍するのが真心の補佐役シスタであった。


『初めまして、私はシスタ、この方の仲間です、この方は真心様と言います』

『真心様?』

『左様です、そして順番に、エルザ様、虎徹様、シャルル様、でゅら娘様でございます』

『エルザ様、虎徹様、シャルル様、でゅら娘様』

『左様です、早速なのですが貴方がここに来た経緯お聞かせ頂いても』

「え、シスタ、言葉分かるの?」

「はい、補佐役でございますので、今から彼女がここに来た経緯を聞き出します、全て聞き出しましたら、まとめてお話させていただきますのでお待ちを」


 改めて真心は補佐役がただご飯を食べさせて貰ったり、寝る時手を繋いで貰ったり勉強を見て貰ったりするだけではなく、あらゆる面で異世界でのダンジョン作りの補佐をする役目がある事を再認識するのだった。







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