お買い物と育成計画

「後はピクシーと同じで時が経つのを待つだけかな」

「色々試してみてもいいかな?」

「おっと、空ちゃん何か案があるのかな?」

「えっと、ゴブリンさんに色々教えてみたり?」

「色々って何?」

「えっと、打製石器とか? あれだけ石あるし、土もあるから土器もいけるかな?」

「二人してフェアリーとかゴブリンとか何のお話かな?」

「「な、何でもないよ(です)」」


 お昼ご飯を食べながら真心と空がダンジョンの話をしていれば仕事を終えて昼前に帰って来ていた真心の父が詮索を始めようとするのを必死で誤魔化す、父にバレても多分だが問題ないと思う。怒るとは思うけどきっと許してくれる人だと真心は思っているからだ。


「ごちそうさま、お昼からはちょっと出かけてくるね!」

「そうかい、遅くならないうちに帰ってくるんだよ、鍵は持って行ってね、僕も呼ばれたら家にいないかもしれないからね」

「「はーい」」


 二人はお昼ご飯を食べ終えた後身支度を済ませて外へと出て買い物へと向かう事にする、真心の月のお小遣いは高校生に上がったことで一律一万円が貰える約束になっている、16歳が持つには大金と言えるだろう、そしてこのお金を持って真心が向かったのは。


「なんでも置いてるホームセンター! ダンジョンに必要な物を揃えよう!」

「なんでもは置いてないと思うけど、確かに使えそうな物があるかもね」


 空の言う通りなんでもとはいかないがダンジョンでの活動で使えそうな物が置いてそうなのがこの真心の家から自転車で少し行ったところにあるホームセンターだ。

自転車は真心の父親の者を拝借し二人とも自転車で来ている。


「といっても、予算は5000円までだけどねー、ダンジョンに全額使えないよ」

「そっか、えっとそれじゃ揃える物だけど……着火ライター買ってくれる?」

「もちもちーでも着火ライターって何?」

「チャッカマンの方がわかりやすいかな?」

「おっけい、把握したよ」


 最初に空が提案したのは着火ライター、チャッカマンの名称で有名なアレである。

なんでも、これをゴブリン達に見せて火を扱う事を身に着けさせるつもりだとか。


「後は包丁とまな板、カセットボンベかな、あ、小さい奴でいいから保温性能付きの卓上ポットも買っておこ」

「果物を切るのとお茶を作る為のカセットコンロ用だね」

「まぁね」

「そっか、あ、そうだ、後で図書館に寄り道出来るかな?」

「何か読みたい本でもあるの?」

「打製石器とか土器の作り方分からないかなって」

「ゴブリン達に色々教えようとするねー、じゃ、買う物買ったししゅっぱーつ」


 その後、買ったものを自転車の籠に載せ、一度帰り、その足で再び図書館へ。

図書館で歴史の本なんかを借りてコンビニで使いそうな部分だけをコピーする。

返却はまた今度でいいかと持ち帰り、再びダンジョンへ二人で飛び込むのだった。



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