渋滞

 今はまさにゴールデンウィーク真っ只中であるが、筆者の地元関西でも、高速道路の大渋滞が予想されていた。


 筆者も、車で長距離を移動する仕事柄、公私の両方でよく渋滞に巻き込まれる。

 ある程度の渋滞は仕方ないものであるが、それでも会社員時代には、四月の下旬、ゴールデンウィーク開始前に終わらせる予定であった現場が悪天候のために後ろにずれ、帰りに渋滞に巻き込まれることも多かった。


 それでも、ほとんどは十キロ程度の渋滞、無視はできないがそれでも少し我慢すれば良い程度であった。

 規模の大きいものは、中国自動車道の東端あたりで起きるもので、時に数十キロの渋滞となっていたが、新名神高速道路の開通により大幅に改善された。

 残る問題は、逃げ場のない神戸淡路鳴門自動車道。2024年も四十キロを超える渋滞が発生すると言われているが、今のところ二十キロ弱で済んでいる。


    ◆


 明石海峡大橋は1998年(平成十年)に開通した。同時に本州から淡路島を経由して四国へと至る神戸淡路鳴門自動車道も全面開通する。

 これで、神戸から四国まで車があれば二時間掛からずにたどり着けるようになった。大橋に至るまでの阪神高速神戸線は、いまだに渋滞を頻繁に起こすので、実際にはもう少し……いや、もっと時間は掛かるのだが、それでもかなり楽にはなった。


 大橋開通前は、神戸から徳島までフェリーで約三時間掛かっていた。しも本数に限りがあるため、予約が必要。乗船時刻に間に合うよう時間調整の必要もあった。

 高速道路の開通後は、仕事が長引いてもいつでも帰れるようになった。


 なお、淡路島と四国をつなぐ大鳴門橋は、明石海峡大橋大橋に先駆けて1985年(昭和六十年)に開通している。

 このため、四国方面に向かう場合でも、カーフェリーでより近い淡路島(洲本か岩屋あたり)に渡り、そこから車で移動することも多かった。


 ある年、ゴールデンウィークだったか、お盆だったか記憶にないのだが、暑かった記憶もないので多分GWの方だろう。

 徳島の現場からの帰り道、渋滞に巻き込まれた。なんとかフェリー乗り場にたどり着いたが、そこも大混雑していた。

 道路上の渋滞であればノロノロでも進むが、フェリーはそうもいかず、乗り場の駐車場で六時間待ちとなった。


 そういう事態は想定されていたのか、駐車場はとにかく広く、ただ待つだけなら問題はなかった。ただひたすら退屈ではあったが。

 とはいえ、ごく一時期の渋滞解消のためだけに船の増発は難しいのだろう。


    ◆


 その後、神戸淡路鳴門自動車道の開通に伴い、本州から四国への移動が楽になり、四国の現場が多少増えた。


 なお、淡路島の高速道路が四十キロ超の渋滞でも、所要時間は三時間ほどと予想されている。

 フェリー乗り場で六時間待ちに比べるとだいぶましではある。なんというか、感覚が麻痺している気もするが。


 先述の新名神高速道路のように、渋滞解消を目的の一つとして建設される高速道路や自動車専用道路は少なくない。

 ただ、以前も少し書いたが、道なき道を駆け回って建設予定の道路の環境調査を行っても、残念ながら完成後にその恩恵に預かれることは少ないのである。

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