アルピュイア

エルネード

アルピュイア

木から飛び立つ。


まず手で幹を掴んで、足に力をいれて、飛び立つと同時に幹から手を放す。


飛ぶ。飛ぶ飛ぶ飛ぶ。


回りながら飛ぶ。地面が、木々が、森が、山脈が回っている。


水平になって、ようやく大地は回転を終えた。次に横に回る。大地と太陽が順に入れ替わる。回る。回る。廻る。


そして、天の一点を目指して突き抜け始める。雲を突き抜けて、突き抜けて、雲のコートを突き抜けていく。


黒い。黒い。黒の中に沢山の白が煌めいている。それらは寄り集まって、青となり、赤となる。


翼を大きく広げて、ふんと力を入れて羽ばたいた。そこ。そこ。そこそこそこ。


月を。金星を。タイヨウを。


沢山の星を。星系を。銀河を。


環の外側を。環の中へ。環の中心へ。


まだ。まだ。まだまだまだ。


飛び足りない。飛び足りない。足りない足りない足りない。


唯一のモノを。Answerを。真理を。


もはやどこか知れない、どこでもある空間の宙に手を伸ばして何かをつかもうとする。ない、ない、ない。


まだまだまだーーーーーーーーー。




アルピュイアは翼をしまわれて、落ちる。墜ちる。堕ちる。


太陽と緑が目にも止まらずに入れ替わり続けてる。茶色が、緑が、回っている。


落ちた。




アルピュイアは起きて、答えを作り始めた。


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アルピュイア エルネード @elunerde

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