第77話 山あり谷あり谷あり

今の仕事になってから、1年が過ぎようとしていた7月上旬。

一恵ちゃんともうまくいってるし、仕事も順調。

身体の方は、完治とまではいかないけど、かなり良くはなってきている。


そんな中、最近、店長と知らないおじさんが、よく話しているのを目撃する。

俺と田口さんで、ちょっと話題になっていた。


「先輩、あの人誰なんでしょうね?」


「さぁ?俺もわかんない」


「社員の先輩でもわからないんですか~。気になりますね~」


「どこかの業者の人なんじゃない?」


最初は、そんな軽い感じで物事を見ていた。

が、ある日突然、店長からみんなに、衝撃の事実を話された。


「実は、7月いっぱいで、この店の経営者が変わることになった。それで、従業員も一新したいから、要するに・・・・・みんなはクビと言う事になった・・・・」


「そんな・・・いきなり・・・・」


パートのおばさん達と店長とで、言い争いをしていた。

確かに、生活がかかっているから、いきなりすぎて文句は言いたくなる。

俺は、いきなりすぎて何もできなかった。

ただ、思ったことは、社会って腐っているってことだ。


決定事項ってのは、簡単に覆ることはなく、どんなに文句を言ったところで何も変わらない。

上の考えを下に押し付ける、最低のやり方だ。

みんなで話し合いもせずに、下の意見はまったく聞いてくれない。

これが今の社会の実態なんだな・・・・と、呆れ返っていた。



後日、店長に、なんでクビになるのか理由を聞いてみたところ、売り上げが悪いからだと言われた。

一応、県内に5店舗くらいあるチェーン店で、一番売り上げが悪いらしい。


ただ、こちらにも言い分はある。

人気商品も発注通りに数をよこさずに、違う店へと流れていく。

そりゃ~売り上げも上がるわけがない。

初めから、見捨てられていたのかもしれない。

少人数で頑張ってきたのに、それがまた無駄な頑張りになったわけだ。



とにかく、仕事探しをしないといけなくなり、また1からやり直しか・・・・・・

と、やっと安定していた心の中は谷底へと落ちて行った。

学歴が無いと、こんな時は物凄く厳しい。

簡単に仕事が見つからず、どうすればいいのか・・・・・・・・

そんな事が、頭から離れなくなり、ネガティブに考えてしまう。


ただ、救いなのが、彼女がいるってことだけど、また一恵ちゃんに心配を掛けさすみたいで、なかなか言う事が出来ないでいた。

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