第75話 本命のバレンタイン(前編)

去年も、義理だけど、一恵ちゃんからチョコを貰っている。

しかし今年は、付き合ってる本命のバレンタインデーが近づいてきた。

去年は、刺激的なイベントだったけど、あの人の事は、もう忘れたい・・(32話)

あれから1年経つけど、さまざまな出来事があるもんだな・・・

と、昔を思い返していた。


仕事の方は、正月が過ぎてからは落ち着き始めて、日曜日でも、月1程度は休んでもいいと、店長から言われていた。

これで少しは、まともなデートも出来ると、俺も一恵ちゃんも喜んでいた。


バレンタイン前日。

最近は、平日でも、田口さんがバイトに来ることが多くなっていた。


「先輩、明日バレンタインですけど、これ貰って下さい!先輩、明日、休みでしょ」


「あっ。悪いね田口さん。もらっていいの?」


「義理ですけどね~。いつもお世話になってます。(ペコ)」


「本命にチョコあげないの?田口さん」


「どうでしょうね~~~~(笑)・・・・・(先輩が本命です!!!)」


「最近、バイト量が多くなってると思うんだけど、もしかして俺のせい?」


「一番の理由は、ヒマだからです(笑) 部活に入ってないとそんなもんですよ~

(ただ、先輩に会いたいんです!許してね彼女さん)」


「高校ってそんなにヒマなんだ。知らなかった」


「でも、ちゃんと勉強してますよ~私。(先輩の勉強もしたいな~)」


俺の事を思って、バイト量を増やしていることは、流石にわかる。

それがすごく助かってるし、だんだん左手の方のシビレも治まり始めていた。


「田口さんに彼氏できたら、バイトどころじゃないよね」


「そんな簡単に彼氏なんて出来ませ~~~ん(笑)」


「でも、告ってないじゃん。それだったら出来るわけないじゃん(笑)」


「そんな簡単に告れませ~~~~ん(笑)」


「言ってみないとわからないよ?」


「(それ以上突っ込んで聞かないで・・・・・我慢できなくなっちゃう・・・・)

ま・・・・まぁ・・・・そのうちね・・・・・・

そんな事より、ホワイトデー、期待してます!!(笑)」


「げっ・・・・・・期待されちゃったか~~。何か考えておくよ~」


「そんな、普通でいいですよ~(笑) よろしくお願いします~~~」




どうしよう・・・・だんだん好きになっていく・・・・・・

そのうち、抑えが利かなくなって、告ってしまうかも・・・・・・

いや、それだけはダメだ。先輩に迷惑かけるわけにはいかない!!

私は必死に、心を落ち着かせようと、無理に押さえ込んでいた。

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