第70話 ちょっとした余談

俺も、一恵ちゃんも、お互いに忙しい日々が続いていた。

一恵ちゃんは、部長と言う立場から、あの場所には行けず、土、日くらいしか描きに行くことが出来ないらしい。

俺の方も、クリスマスに向けて、おもちゃの配置や検品作業で追われていた。


今は、バーコードを読み取って、この商品がいくらかって表示がでるけど、その商品のポップがずれてたり、無かったりしたら、正直、値段ってわからない。

値段の表示も、店によってさまざまで、レジに持って行って『金額が違う!』って、経験はないだろうか。


うちの店は、『500円(税込み)』って、今はなっているが、少し前までは、

『500円+税』と、消費税別の表示だった。


あるとき、小学生の女の子が、お小遣いで買い物に来た時、『500+税』のポップを見て、500円ちょうどしか持ってきてなく、お金が足りないと、レジの前で、泣いたことがあった。

余りにも可哀そうだから、その場は俺が、消費税分を払い、事は収まった。


小学生からも、税金取るのかよ・・・とも思うし、知りたいのは全部でいくらになる?って事!!!

その事があって、店長に、値段表示を変えた方がいいと頼み、店長も納得して、今の表示となった。


あと、おもちゃだと、『電池別』って、小さく書いてある事が多い。

電池くらい、最初から付けておけ!!!とも思う。


まだ色々と、細かい所はあるけど、全部の商品を覚える事なんて絶対に無理。

新しい商品も、次々入ってくるし、キャラクター物だって、アニメが変わるたびに、新商品が発売される。


でも、仕事はすごく楽しかった。

新しい発見もたくさんあって、これがオタクへの入り口になっていった。

ドラマやアニメのような恋愛って、ちょっと設定からして、現実的には難しい部分もあるけど、俺は一恵ちゃんと出会い、付き合うことができた。


日に日に忙しさが増してきたけど、心の方は充実しており、彼女とは凄く上手くいっていた中、嵐のようなクリスマスが段々と近づいてきていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る