第59話 やきもち

夏休みが終わり、通常通りの生活が戻ってきた。

お祭り以来、横井君とは、ライン交換もせずに心を痛めていた。


昼食の時間に、三月ちゃんから、この前の祭りの事を聞かれた。


「一恵ちゃん、横井君と何かあったの??祭りの時、私たちから離れなかったから」


「・・・・・・・・うん・・・・・ちょっとね・・・・・・・・」


「なんでも言ってみなさい!相談に乗るから!」


「実は、横井君の職場に、お祭りの事で報告に行ったとき、すごく仲良さげに、

若いバイトの子と、しゃべってたのを見たの・・・・・・・・」


「そりゃ~、同じ職場なら話すでしょ~!」


「うん・・・・・・・でも・・・・・・横井君の楽し気な顔を見たら・・・・・・私が辛くなっちゃって・・・・・・・・」


「要するに、やきもちを妬いてたんだね!」


「うん・・・・・・・」


「一恵ちゃんはもっと、自分に自信持つべきだよ!モタモタしてたら、また横井君取られちゃうよ!」


「・・・・・・・そうだよね・・・・・・」


話を聞いてた、ゆうちゃんが、しびれを切らして言ってきた。


「だったら、私が言おうか?横井君に!!」


三月ちゃんが、ちょっと強めな口調で返してきた。


「ゆうちゃん!!それはダメだって!!これは一恵ちゃんの問題だからね!」


ゆうちゃんも、負けずに返してきた。


「わかってるけど、二人を見てたら、もどかしくて、しょうがないんだもん!」


私の事で、二人がケンカするのは絶対にダメ、と、止めに入った。


「二人とも、私の事でケンカしないで・・・・・・私が悪いんだから・・・・・・せっかく楽しくなるはずの、お祭りだったのに・・・・

心に余裕ができないくらいに、好きになっちゃったから、ちょっとの事でも、やきもち妬いてしまうんだよね・・・・・でも自分で何とかするから、大丈夫だよ!」


そう言うと、なんとか、この場は収まった。

ゆうちゃんも三月ちゃんも、真剣になって、私の事を心配してくれている。

横井君にも、避けているような態度取ってたら、余計に離れていくよね・・・・・

私自身も強くなろうと、何度も言い聞かせていた。




「はぁ~~~・・・・・・・・・」


俺は何度も、深いため息をついている中、田口さんが心配そうに声を掛けてきた。


「先輩。どうしたんですか?ため息ばっかりついてますよ~~」


「まぁ~、色々あるのよ人生は~~・・・・・・」


「何、オヤジくさい事を言ってるんですか~~~(笑)」


「人生って、上手くいかない事が多すぎるって事だよ・・・・・・」


「わかった!!この前のお祭りで何かあったんでしょ~~!!」


「ぐっ・・・・・・・するどいな、田口さんは・・・・・・」


「誰でもわかりますって~~~(笑)」


「そうなのかな~?」


「わからないのは、先輩だけですって~(笑)」


「そんな事ない・・・・はずだよ・・・たぶん・・・・」


「それで、あの人と何かあったんですね!」


「・・・・・・・・・鋭いね・・・・・・・」


「誰だってわかりま~~す(笑)」


「まぁ、色々あったんだよ、いろいろ!」


「言ってくれないんですか~~~~??」


「言わない!!(笑)」


「も~~~~う!ケチんぼ~~~~~!!」


とにかく、避けられている理由がわからない・・・・・・・・・

祭りの日までは、普通に話もしてたし、ラインもしてた。

ん~~~~~~~、女心って本当に、ようわからん~~~~~~。


でも一つ言えることは、ここままではマズイと言う事。

もう、シチュエーションなんてどうでもいい!!

とにかく、二人で会わない事には始まらない。

そう覚悟を決めて、加藤さんにラインを送った。


「明日、あの場所で待ってます。どんなに遅くなっても待ってます」


これで来なかったらどうしよう・・・・・・

でも、加藤さんは絶対に来てくれるはず!

とにかく、直接会って話したい!!!

俺は、返信を、ドキドキしながら待っていた。


すると「わかった」と、一言だったけど、返信が来た。

内心 ホッ としながらも、これが最後になるんじゃないか・・・・・などと、考えてはいけないことが、頭をよぎる。


最初から、俺の事を、偏見な目で見なくて、病院では、心の看病までしてくれた。

加藤さんという存在が、俺をここまで頑張れさせてくれた。

絶対に、誤解を解いて付き合おう!!!

と、今度こそは気合が空回りしないように、祈るばかりだった。

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