第23話 遅すぎた告白

12月に入り、めっきり寒くなってきた。

クラスの中では、もう、クリスマスの話で、彼氏ほしいとか彼女ほしいとか。

あちこちで騒いでいる。


私と言えば、あの場所にも行ってなく、横井君と文化祭以来、会ってもないし話してもいない。

電話で声を聞きたいけれど、迷惑かな?と思い、待ってる日々だった。


昼食の時、いつも3人で食べてる中、ゆうちゃんの彼氏も輪の中に入ってきた。

何か情報がないのかな?と思い、横井君の事を聞いてみた。


「ねえ、光武君。最近、横井君って、家に遊びに来たりしないの?」


「ああ~直ね。家は近いんだけどね、最近はまったく来なくなったよ」


「そうなんだ~」


「俺、直に悪い事しちまってさ。高校入りたての頃は、ちょくちょく家に遊びに 行ったり来たりしてたんだ。だから、みんなでカラオケに行ったでしょ。

ただ、俺の友達が家に来るようになって、みんなで、高校の話でやっぱり盛り上がるじゃん。そしたら、直は、話についていけず、一人っきりに・・・・そして徐々に来なくなっていってさ・・・・・・・」


こんな事から、横井君は、苦しんでいたんだね・・・・・・・・

気を使って、強がって、一人はとても辛いもんね。

こう言って、光武君は友達に呼ばれ、去っていった。


「一恵は最近、会ったり、話したりしてないの?文化祭から進展なし?もしかして」


「うん・・・・あれ以来から、何も進展なし・・・・・」


「一恵は、どうしたいの?好きなんでしょ?付き合いたいんでしょ?」


ゆうちゃんが、めずらしく、厳しめな言い方をしてきた。


「うん。私の気持ちにウソはつけない・・・・・大好きです」


「だったら、前に進んでいこうよ~。待っててもしょうがないじゃん~」


三月ちゃんからも、アドバイス的な事を言い出してきた。


「私も、告白されて、友達からってOKしたけど、付き合うっていいよ~。あんまりしゃべったことのない人だったけど、付き合ってから、段々、好きになっていって、今じゃ、大好きになってるもん。恋とは魔法だ♡」

「三月ちゃん、幸せそうだね(笑)」


私は決心した。やっぱり直接会ってお話ししたい。

二人に感謝しながら、あの場所へと向かった。


山の方は薄っすらと雪模様にになってる。

また違った冬景色に、無性に描きたくなった。

絵画道具を持ってくればよかった~。後悔しつつ、横井君が来るのを待っていた。


いつもの時間帯になり、ソワソワしていたら、向こうの方から姿が見えたので、お

もいっきりの笑顔で、声を掛けに行った。


「お~~い、横井君~~」


「あっ!加藤さん・・・・」


「今日もお仕事ご苦労様~~~~!」


「加藤さん、ここに来るの、久しぶりじゃない?」


「そうだね~、久しぶりに、ここの冬景色見てたら、また描きたくなっちゃった(笑)」


「そう言えば、コンクールの方って、結果は出たの?」


「うん。・・・・・・・・・ダメだった。だからこそ、また、ここでの冬景色で勝負しようと、今決めた(笑)」


「あんなに上手いのに、ダメだったのか・・・・厳しい世界だなー」


「落ち込んでもいられないでしょ。今回はスランプが脱出できただけで、私の出来る事は全部やった。だから、次はもっと上に行かないと~~」


「前向きな、加藤さんいいね!!」


言わなきゃ、言わなきゃ、言わなきゃ。

告白なんて、初めてだから緊張する~~~。急にモジモジになってきた・・・・


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あのね・・・・・・横井君・・・・・」


(加藤さんが急におかしくなった・・・・・・・・・まさか!まさか!まさか!)


ずっと、言えなかったんだけどね・・・・・・・・私、横井君の事が好きです!

 だから・・・・・・よかったら・・・・・私と・・・・・付き合ってください」


「ご・・・ごめんなさい・・加藤さん。俺、付き合ってる彼女できちゃって・・」


「え・・・・・・・そうなんだ・・・・・・・ごめんね、今の忘れてね・・・・」


もう泣きそうになっていた。ショックを隠しきれるか心配だった。

でも、ここで泣いたら、迷惑かけちゃうので、思いっきり強がって、こう言った。


「よ・・・よかったじゃん~。でも、私と友達でいてくれるよね?アドバイスできるか分からないけど、何かあったら、何でも言ってね(笑)」


「ありがとう・・・・加藤さん・・・・・本当にごめんね・・・・・」


「それじゃー、寒いから、もう帰ろっか(笑)」


そういって、身も心も凍りきりながら、家へと帰っていった。

私の部屋に着くなり、涙が止まらなかった。


いっぱい、いっぱい、いっぱい、泣いた・・・・・。


自分を責めるしかなかった。もっと早く告白していれば・・・・・・・

たら、れば、を言っても何も始まらない。

私の初めての告白は、粉々に打ち砕かれた。

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