第18話 お誘い

やっと、仕事が落ち着いてきて、一ヶ月振りの休日。

今までの、疲れが出たのだろう。一日中眠りに老けた。

来週からは、いつも通りの時間に仕事も帰れそう。


もしかしたら、加藤さんに会える?二人で絵を描いてたらどうしよう・・・・

でも、わざわざ遠回りして帰るのも、アレだしなぁー・・・・・

考えすぎても、いい事ないから、その時になったら考えよう。


「直樹君~~~~♡」今村さんがニコニコしながら、駆け寄ってきた。


「やっと今日から通常運転になるね!今月は働いた~~~~~~!」


「そうですね。俺もさすがに、こたえましたよ」


「そう言う訳で、晩御飯、今度おごってね~~♡」


「え?マジで言ってたんですか;;」


「私がウソついたことある~~~~?」


「ま・まだ給料日前だから、今度入ってからで・・・・」


「本当に~!じゃー今度、お姉さんを食べさせて、あ・げ・る・か・ら♡♡」


「ぶっ!な・・何言ってるんですか~」


いつもの昼休み。相変わらずの、今村さん。

でも、毎回こんな感じなので、免疫力もつき、変な期待もする事がなくなった。


定時のチャイムが鳴り、帰り支度をしている時、ちょっとだけ不安がよぎる。

いたらどうしよう・・・・・と、自転車を走らせた。


あの場所の手前で、人影が見えた。

だんだんと近づくにつれて、加藤さん一人だと確認できた。

素通りするのも、変な話。勇気を持ってあいさつをしに行った。


「か・・加藤さん、久しぶりだね」


少し、ビックリな表情を浮かべたが、ニコッと笑ってくれた。


「あ!!横井君。久しぶりだね!!お仕事ご苦労様!!」


いつも通りの返事で、すこし安心した。


「今度の文化祭に、絵を1枚、描かなくちゃいけなくなって、この場所の、紅葉の風景画を描いてるの」


「加藤さんも、休みなく描いてるんだね~」


「描く事が、大好き!だからね(笑)」


なんだろう、この新鮮な空気は。これが、恋心なのか・・・・・・・?


「そ・・・それでね・・・横井君に、この完成した絵を見に来てほしいんだ・・」


「え?それって、文化祭に来てってこと?」


「う・・・うん。あっ・・・嫌だったら別にいいんだけど・・・・・」


「嫌じゃないけど、か・・彼氏・・大丈夫なの?」


「あ~~~もう~~~あんなの彼氏じゃないよ!!!名前も知らない、ただの部員だよ~~(やっぱり、誤解されてたんだ~)」


珍しく、加藤さんが怒り口調で、彼の事を否定した。


「俺なんかが行って、加藤さん困ったりしない?」


「なんで困るの??逆に、すごくうれしいよ(ニコッ)」


「高校の文化祭かー。なんか俺にとって、場違いな感じして」


「そんな事ないよぅ。光武君達もいるから全然大丈夫だよぅ」


「そうだね、せっかく、誘ってもらったんだから、いくよ」


「うんうん!すごく楽しみにしてるねっ!!」


二人のモヤが一気に吹き飛んだ。

お互いに勘違いして、悩み、苦しんだけど、これで、また少し、恋人に近づいた?。

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