第38話ペットの新たな力

「ただいま~」

マイルームから戻るとキッチンでアニタが料理をしていて美味しそうな匂いが漂っていた。


「お帰り~」

「お帰りなさいませ」

「お帰りなさい」


クレアとセレスはリビングでくつろいでいた。


「で!で!で!…武器はできたの!?」

クレア近い!近い!


「…できたけど…お披露目は昇格してからのお楽しみ」


「くぅ~!!」


そこまで楽しみにしてもらえると鍛冶屋冥利に尽きるけどちょっと怖いぞ?


「御主人様夕食の支度が出来ました。」


「…アニタさん御主人様は止めませんか?」

流石に恥ずかしいのだが…


「なら…御姉様で!」

間髪入れずに返答されたが…


「いや!それはもっと恥ずい!!」


「「御姉様♥」」

二人がからかって来たので


「…武器あげるのやめようかな?」


「「すみませんでした!!」」


結果アニタにはリリス様と呼んでもらう事にした。

ちなみにアニタの料理は普通に旨かった。どうやら普段から自炊していたようだ。





「この辺りって治安てどうなんだろう?」


「そんなに悪くは無いけど…」

セレスはアニタを見る。


「そうね…女性の独り暮らしは危険かもしれないね」


「うーん…なら門番を用意するか…」


「え!?リリス様私なんかの為に門番を雇うなんて止めてください!」

片付けをしながら話を聞いていたアニタが異を唱える。


「雇いはしないよ…おいで〈ケロちゃん〉!」

足元から黒い毛並みの狼が現れる。


「わんわん!(御主人!)」


「「犬!?」」


「うう!(我は誇り高き狼だ!)」


「え!?なんか怒ってる!?」


「…自分は狼だって言ってるよ」


「え!?リリス何言ってるかわかるの!?」

あれ?レオン君は分かってたよね?


「ケロちゃん私が言ってることわかる?」


「わんわん!(はい勿論!)」


「……(これでもわかる?)」

声には出さず頭の中でうったえる。


「わんわん!(はいわかります!)」

…これって念話とかそういうもの?


「もしかして…」

私は外に出てケロちゃんにうったえかける。


「(ケロちゃん聞こえる?)」


「(聞こえますよ!)」

ケロちゃんの鳴き声は聞こえないがこの声は頭に響いてきた。


「これってもしかして連絡に使えるかも!?」

まだ念話(仮)の使用可能の距離とか検証は必要だろうが、おかげでここが本拠地としてちゃんと使えるようになるかも知れない。


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