第862話 2022/2/22 獅子身中の虫

 本日は5時半起き。2022年2月22日ということで、スーパー猫の日らしい。だから何だという気はしないでもないのだが、またtwitterあたりが盛り上がったりするのだろう。寒さは昨日よりは多少マシになるのか。土曜日からはもう一段マシになる予報だが、春はまだ遠いな。

 明日23日の水曜日は天皇誕生日。会社勤めの人には嬉しい週半ばの祝日である。いまの虫けらには何の意味もないが。と言うか、自営業やってた間も意味なかったから、ここ何十年か祝日を気にしたことはない。まあコンビニで弁当発注する人とかにとっては頭を捻らにゃならん日なのだろうけれど。

 厄介よな。祝祭日にはみんな休んでもらいたいと思う気持ちもあるのだが、かと言って祝祭日のたびにAmazonもネットスーパーも全部休まれたら、なかなか生活しづらいものがある。結局我々の生活は誰かの犠牲の上に立っているのだ。感謝は忘れたくないところ。


 ことわざに言う「獅子身中の虫」は仏教由来の言葉らしい。いかに強大な百獣の王ライオンであっても体内の寄生虫には手が出せない。その寄生虫が体内で暴れると、ライオンは病気になりやがては死に至る。故に元々は、仏教教団の中で信者のような顔をして生活しながら、教団を破壊するかのごとく活動する者を言ったらしい。それは思想が異なる異端の信者であったのやも知れないし、権力者が送り込んだ破壊工作員であった可能性もあったろう。まあ何にせよ、人間の集団ができると、たいてい自然発生的に「獅子身中の虫」も生まれるものではあるが。

 どこの国にもいる――この日本にだっている――反政府武装組織などという存在は典型的な獅子身中の虫である。そこまで行かなくても、日本の治安機関に守られ日本の社会インフラに依存して生きながら日本を全否定するような連中も、間違いなく獅子身中の虫と言えるだろう。

 もちろん、日本をより良い国にするための提言を、断固とした厳しい口調で政府に突きつけることは否定されるべきではないが、そこを直したら本当に日本が良い国になるかどうかなどお構いなしに自分の嫌いなことだけ並べ立て、何ら提言も具体策もなく一方的に悪口雑言をSNSで垂れ流すだけの連中は、この国を腐らせる獅子身中の虫である。もちろん表現は自由だ。批判を含めて。

 現在日本の与党を務める自民党であるが、この政党にも獅子身中の虫はいるはずだ。誰かは知らない。ぜーんぜん思いつかない。誰だろう。

 さてそんな自民党の二階派(志帥会)であるが、21日、同派閥所属の片山さつき参議院議員に対し、退会勧告を行なった。これは二階派始まって以来の異例の対応らしい。

「昨今の貴殿の行為は、志帥会に所属する国会議員の信用を著しく失うものであり、かつ何ら是正も見られない」(産経新聞)

 と片山氏の事務所に通知した文書にはあるそうだが、どうやら他の派閥へ鞍替えしようとしていた模様で、それが報じられた後、連絡が取れなくなっているそうだ。どっかの無免許運転都議でもあるまいに、国会議員に同じ党の人間から連絡が取れない事態が有り得るというのは困ったことだろう。

 まあ、いちいちあげつらいはしないが、片山氏は以前より問題行動が多々見られた議員であり、二階派としても持て余していた部分があるのやも知れない。彼らにとっては獅子身中の虫だったのだろう。ある意味今回は渡りに船だったのではないか。もっとも、「類は友を呼ぶ」という言葉が浮かんでくるような気もしないではないが。


 ガソリンの値段が上がっている。今後ウクライナ情勢を横目にさらに値上がりする可能性も少なからずある訳だが、いわゆるトリガー条項、難しい話はよくわからんのでザックリ言えば、ガソリンの値段が一定以上に上がったら「揮発油税」と「地方揮発油税」を一時的に減免する措置について、先般の国会で岸田首相がこれに言及し、対応を考える意向を示した模様。

 先の衆議院選挙でこのトリガー条項発動を公約としていた国民民主党の玉木党首はこれを評価し、21日の予算委員会で質問に立った際、現在審議中の予算案に賛成すると発言した。

 この発言に反発したのが立憲民主党の泉党首。

「予算案への賛否は、首相指名と同じぐらい重い。与党か野党かということまで問われるぐらいの大きな採決だ」

「私たちは自民党に代わる政権の選択肢となりうる政策を提示してきた。(予算の)政府案に賛成するということは、選択肢ではなくなってしまうということだ」(以上産経新聞)

 などと記者団に語った模様。

 まあ平たく言えば「おまえらなんぞ野党じゃない」と言いたい訳だ。しかし野党とは政府とは違う立場、違う視点で議論し、より良い答を探るべき立場なのではないだろうか。ただ無闇に反対するために存在する訳ではあるまい。国民民主党の立場からすれば、立憲民主党の提案した予算案より政府案の方が納得できると考えたから賛成に回ったのだろう。反対のための反対に意味などない。「野党なんだから自動的に反対に回ってくれると思っていた」とでも言いたいのなら、ちょっと見識を疑う。小学校の学級会でももうちょっと頭を使うのではないか。

 今回の岸田首相の動きは、予算案を通すために国民民主の主張を取り入れたということである。政府に要求を呑ませたというのは、野党として本来誇るべき実績であろう。それを否定する野党はいったい何のために存在しているのか。野党共闘における獅子身中の虫は果たして誰なのだろうな。


 ウクライナ東部、ドネツク州とルガンスク州には、武装したロシア系住民が実効支配する地域があり、ともに独立国家であると主張している。もちろんウクライナ政府は認めていないし、国際社会も認めていない。そもそも彼らの武装を提供しているのはロシアである。

 この2つの親ロシア勢力支配地について、21日ロシアのプーチン大統領は独立を一方的に承認した。ウクライナは反発しているが、これは単なる嫌がらせではない。独立国家として承認した上で、あらかじめ用意していた条約なり宣言なりを公にすれば、形式的には「防衛任務」のためにロシア軍が駐留できる。当然他の国はそんなことを承認したりしないだろうが、ロシアからすれば知ったことではない。あくまで「平和のため」に軍を駐留させているに過ぎないという態度を取るだろう。

 その後でウクライナ側から「先制攻撃」でもあった日には、もはや言わずもがなである。ウクライナにとって親ロシア勢力は獅子身中の虫であったが、この虫は腹を食い破るつもりなのだ。何とも恐ろしい。もっとも日本も他人事ではないがな。


 カナダのトルドー首相としては、首都オタワを機能停止させるトラック運転手の反ワクチンデモ集団は獅子身中の虫と見えるだろう。もっとも運転手側からすれば、カナダの獅子身中の虫はトルドー氏なのかも知れないが。

 14日にトルドー首相は緊急事態法の発動を宣言し、現在オタワでは警察がデモ排除に乗りだして、20日までに191人が逮捕されたらしい。しかしデモ参加者は撤退する様子を見せていない模様。さて、どの辺に落ち着くのだろうな。


 本日はこんなところで。北風が強い。そろそろ確定申告もやらにゃあなあ。時間はあるのだが決断ができない。はあ、何とかしないと。

 新作はいま1万文字くらい書いているが、全体の物語がまだできていない。ここからどうするか、まずプロットを立ててから書いた方がいいよなあ、とは思っているものの、実際のところどうするのかは書いてみないとわからない。はてさて。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る