第818話 2022/1/9 ネーミングとか

 本日は10時半起き。はあああ、ダルい。体が重いな。そんなに天気が悪いとは思わんのだが。明日は少し暖かいらしいし、体調が回復してくれることを祈るばかり。

 今朝は久しぶりに悪夢らしい悪夢を見た。虫けらは犯罪行為に手を染めていたのだが、周囲の協力もあってそこから抜けだそうとしていた。しかしかつての犯罪者仲間がやって来て、プレゼントを渡し、花束を渡し、最後に拳銃を向けるのだ。虫けらは逃げるが、相手は延々と追って来る……というところで目が覚めた。

 絵に描いたような悪夢であるし、何より物語がわかりやすい。いかにも夢、といった感じの突飛さがない。何かの小説でネタとして使えそうな気がするほどである。心臓はバクバク鳴っていたので体には悪そうなのだが、これなら続きを見てみたいと思ったりするところ。


 アニメ監督の富野由悠季氏と言えば機動戦士ガンダムであり、伝説巨神イデオンであり、聖戦士ダンバインであり、戦闘メカザブングルであり、その他諸々、日本のアニメの黎明期から現在に至るまで大きな影響力を発揮し続ける怪物のような創作者である。その功績は決してロボットアニメにミリタリーの概念を持ち込んだことだけではない。

 画面的に言えば三角形のカットインなど代表的であるし、セリフ回しも独特だ。もちろんそれは富野氏的には必要に迫られてやむにやまれず、といった側面があるのだろうが、後ろに続く表現者にとっては、一つの可能性を示されたのは間違いない。だからといってそれをそのまま猿真似しても意味はないのだが、こういう方向性に振ることも許されるのだ、という目印にはなる。

 他にも表現者としての富野氏は、アニメソングの作詞者としての側面を持つ。「コスモスに君と」や「ダンバインとぶ」「疾風ザブングル」などの主題歌では文字通り心が震えるような歌詞を書いている。言うまでもなく作品との一体感はバツグンだ。

 そんな富野氏の仕事ぶりの中で、個人的に虫けらが好きなのは、キャラクターなどのネーミングである。富野氏の作品には沢山のキャラクターが登場し、いくつもの組織が存在するのに、名前におけるキャラかぶりというものがまず見られない。「アマンダラ・カマンダラ」や「ギャブレット・ギャブレー」が有名ではあるものの、そんな派手な印象の名前ばかりではない。「トカマク」や「モエラ」など脇を固めるキャラクターも、地味でありながらキッチリ印象的な名前が与えられている。日本のアニメ界隈における「ハマーン・カーン」の知名度を知ったら、墓の中のハーマン・カーン氏もビックリするかも知れない。

 こういった富野式ネーミングに侵食されていない創作者は、キャラクターの名前を決めるときに過去の実在の人物をもじったり、実在する苗字を調べたりしてネーミングを行なう。もちろん上記のハマーン・カーンに見られるように、富野氏も実在の人物から名前を取ったりするのだが、それ以外が非常に多い。

 重戦機エルガイムの「ダバ・マイロード」は、おそらくスターウォーズの「ルーク・スカイウォーカー」をひねってひねってひねり倒して作り上げた名前だろうとは思うのだが、「ミラウー・キャオ」や「ガウ・ハ・レッシィ」は、もじるベースになる名前などなかったかも知れない。

 機動戦士ガンダムZZには「グレミー・トト」という登場人物がいる。いかにも尊大で繊細で、暴力的かつ壊れやすそうな名前である。昔から「名は体を表す」というが、こういったキャラクターのイメージに合ったネーミングが、富野氏は非常に上手い。虫けらは富野世代ド真ん中なので、小説の登場人物のネーミングは基本そのキャラクターに寄せている。そんなところにリアルさを求めようとは思っていないのだ。

 さてネーミングと言えば、メディアや政治家や歴史家も名前をつけたがる。その昔、第二次世界大戦は、「連合国」と「枢軸国」の戦いだった。これが冷戦になると「東側陣営」と「西側陣営」の対立となる。現在、第2の冷戦が始まっていると言われるが、この対立は東西対立とは呼ばれない。では何と呼ばれているのかと言えば、

「権威主義陣営」と「自由主義陣営」の対立なのだそうな。

 旧ソ連構成国の中では比較的自由主義陣営に近いところにいた、と欧米などからは見られていた中央アジアの国カザフスタンでは、反政府デモが武力により鎮圧され、同時にカザフスタンの治安機関である国家安全保障委員会(KNB)は8日、この委員会の前議長を国家反逆罪で逮捕している。この前議長はナザルバエフ前大統領の側近であり、今回の反政府デモを巡って、カザフスタン国内で前大統領派と現大統領派の権力闘争が行なわれた可能性がある。

 そして現大統領のトカエフ氏は7日の国民向け演説で、ロシア、中国、ウズベキスタン、トルコの首脳らに謝意を示している。欧米に対する言及はなかったものの、まあ普通に考えれば欧米とは距離を取るつもりなのだろう。

 元々カザフスタンには、事実上の専制国家という見方があった。前大統領派との権力闘争にも決着がついた以上、これからはそちら方向への傾倒を強めて行くのではないだろうか。専制独裁人権抑圧国家。豊かな北朝鮮といったところか。時代を逆行しているように見えるのだが、この先のことを考えると、権威主義陣営に加わる国はまだまだ増えるかも知れない。後世の歴史家は、この時代を何と名付けるのだろうな。ああ、未来が暗い。


 年末年始は日本でも大雪が相次いだが、極端な天候は海外でも見られるようだ。パキスタンの首都イスラマバードでは8日大雪が降り、元々渋滞していたこともあって一時最大2万台近くの車が立ち往生したらしい。軍隊が出動し雪かきをしたらしいのだが、低体温症などで21人が死亡した模様。

 イスラマバード近郊では雪は珍しいようで、雪を見物に来た人たちが多数巻き込まれたのだそうな。大雪はマジ人が死ぬからな、家に閉じこもっているべきである。


 8日、愛知県内のJR東海道線車内で、「俺はコロナだ」と言った男が威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕された。男は容疑を否認しているそうだが、本人曰く「コロナのご時世だから隣に座ってほしくないと言っただけだ」(産経新聞)とのこと。

 なお、この男は新型コロナの検査を受け、見事陽性であったという。


 かつてアメリカのブッシュ政権が「テロとの戦争」を戦っていたとき、リトアニアの首都ビリニュス近郊の森に中央情報局(CIA)が拷問を行う「バイオレット」と呼ばれる拠点を置いていたらしい。もちろんアメリカ政府もCIAもリトアニア政府も認めていないので推測の域を出ないのだが、可能性は高いとされているようだ。

 このバイオレットと見られる施設が現在、競売にかけられているそうだ。まあ、中に入ったところで拷問道具などあるはずもないが、こういう歴史の闇の部分が明らかになるのは興味を引かれる。

 2004年までここで馬術学校を経営していた一家は、今は存在しないアメリカ系の企業に施設を売ったのだが、この企業はCIAのフロント企業であったと報道されている。不謹慎かも知れないが、非常に面白いと思う次第。


 7日午前0時頃、エクアドル領ガラパゴス諸島で噴火が発生したらしい。現時点では被害の詳細など不明。


 本日はこんなところで。昨日は3000文字ほど書けた。何とか首の皮一枚で繋がっている状態。今日も頑張らねばな、とは思うのだが、はてさてどうなることやら。

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