第754話 2021/11/6 軌道変更とか

 本日は11時起き。もはや起床時間として固定された感がある。外は曇天。明後日くらいから雨が降るようだが、体調もまた下がって行くのだろうな。はあ、面倒臭い体だこと。


 核兵器といえば悪魔の兵器であり現代人類の持つ最終兵器にして無敵の破壊兵器である、というのはいわば「常識」だ。しかし常識は常に真実ではない。確かに破壊力において核兵器は現時点における最強兵器ではあるのだが、決して無敵ではない。

 1946年7月1日、第二次世界大戦終結の約1年ほど後、アメリカ軍はハワイのビキニ環礁で「クロスロード作戦」を実施した。ごく簡単に説明すると――詳しく説明する知識はないからな――海に浮かんだ艦船を核攻撃で沈められるか、という実験である。アメリカ軍の老朽艦や日本の長門など敗戦国の軍艦を含めた約70隻の艦船をビキニ環礁沖に集め、そこにB-29で21キロトン級原子爆弾(長崎型原爆と同程度の破壊力)を投下、爆発させた。

 実験は2度行われたのだが、その結果、核爆発によって直後に沈没したのは10隻ほど、数日後に沈没したのがさらに3隻で、その他の艦船は沈没しなかった。これは単純に簡単に乱暴に考えれば、艦船7隻からなる打撃群に核攻撃を加えても、1隻しか沈まないということになる。もちろん沈まなければそれでいいという話でもないので、戦争時に艦船に対する核攻撃が有効か無効かを即断することはできないが、「最強兵器による攻撃」にしては数字上、効率が良いとは言えない。

 対人兵器としての核兵器のもっとも恐ろしい点は大量の放射線とバラ撒かれる放射性物質であるが、こと破壊兵器としてみた場合には衝撃波、爆風、高熱が脅威として上げられる。しかし海に浮かぶ船を相手とすると、衝撃波や爆風の破壊力は海の水に吸収され、戦艦などは鉄の塊であるから瞬間的な高熱にも耐える。なるほど、沈まないのも無理はない。

 つまり「人類史上最強最悪の破壊兵器」である核兵器も、結局万能ではないのだ。陸上の、それも人が多く住む都市部や移動中の軍隊などへの対人攻撃用としては極めて凶悪だが、それ以外の場面においてはさほどたいした兵器とは言えない。結局のところイマイチ実用性に欠ける抑止力のための兵器と言えるのではないか。

 とは言えせっかく持っているのだから、有効活用したいと思うのも人の性分であろう。フィクションの世界では人類の最強兵器としてイロイロな場面で使われてきた。比較的近年で有名な作品といえば(それでも1998年だが)ブルース・ウィリス氏主演のハリウッド映画「アルマゲドン」ではないか。ザックリ説明すれば、地球に迫り来る巨大な小惑星に核爆弾を埋め込んで粉砕しようという話である。

 なんとなく感覚的には、核爆弾ならそれも可能なように思える。何と言っても天下の核兵器である、石っころくらい粉々にできるだろう、と。だが現実はそう簡単ではない。上にも書いたが核兵器の破壊力は衝撃波と爆風と高熱に由来する。どれも空気があってこそなのだ。ほぼ真空の宇宙空間で核兵器を爆発させたところで、地球上と同じ破壊力は生まれない。小惑星を粉々に粉砕するのはまず無理である。

 核兵器にできることと言えば、おそらく小惑星表面で爆発させて軌道を変化させ、地球に向かうルートから外すくらいだろうと言われている。くらいと言っても、実際のところ大変なパワーが必要であり、核兵器は有望な候補の1つであるらしい。ただし、小惑星まで核兵器をどうやって運ぶのかという問題はまだ残っている訳だが。

 さてNASA(アメリカ航空宇宙局)が今月23日、DART計画のためのロケットを打ち上げる予定となっている。Double Asteroid Redirection Test(二重小惑星進路変更実験)と名付けられたこの実験は、簡単に言えば小惑星に時速2万4000キロで飛行する宇宙船をぶつけ、軌道が変化するかどうか確認するものだ。

 名称にある二重小惑星とはどういう意味かといえば、対象の小惑星ディモーフォスは、自分より大きな小惑星ディディモス(ややこしいな)の周りを月のように公転している。これを二重小惑星という。この地球から1100万キロほど離れた宇宙空間に浮かぶ小さい方の小惑星に宇宙船をぶつけて、周回軌道を変化させられるかどうかを観測するのである。

 1979年の映画「メテオ」ではアメリカと当時のソ連が迫り来る小惑星に核ミサイルをぶち込んだが、ミサイルはそんな万能兵器ではない。さすがに宇宙空間の小惑星にまでは届かない。そこで「アルマゲドン」ではもう少し地味に、かつリアルに人間を送り込んだのだが、それもまだまだ技術的に難しい。まずは宇宙船をぶつけることから技術的課題をコツコツと埋めて行くのだろう。

 予定通りなら来年9月26日から10月1日までの間に宇宙船が小惑星に突っ込むはずだ。果たして何が起こるのか、もしくは起こらないのか。ギエロン星獣が飛んで来ることはないと思うが、とりあえず期待して待ちたい。


 先般の衆議院議員選挙を受け、今月10日にも第二次岸田内閣が誕生する訳だが、茂木氏を自民党幹事長に据えたため、外相の席が空白となっていた。どうやら報道によれば、岸田首相は林芳正氏を外相として起用する意向であるらしい。うーん。

 茂木氏を交替させること自体には賛同できるものの、林氏ねえ。優秀な人物であるとは聞くが、日中議連の会長だぞ。これアメリカがどう見るか。いまこのタイミングで日本が中国寄りになるのではないかと疑念を抱かれるような人事をして、何のメリットがあるというのだ。

 林氏は岸田派のナンバー2らしいし、首相としては外交も自分の思う通りに動かしたいという考えなのだろうけど、ちょっとお気楽過ぎないか。楽観主義を否定する訳ではないが、もうちょっとシビアでもいいように思うところ。


 本日はこんなところで。はあ、ため息ため息。昨日は2000文字以上書けているから、それほど調子が悪かった訳ではないのだけれど、どうにも「書いたぞ!」という達成感がない。結構頑張ったつもりなのだがな。まあ、仕方ない。今日も無理をしない程度に頑張って、何とか文字数を稼ごう。さて、いつ公開できるだろうか。

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