第737話 2021/10/20 ダブルスタンダード

 本日は7時半起き。快晴。気分もそれなりに晴れ晴れ。

 やったー! 12万文字超えたー! ミステリーがとうとう12万文字を超えた。嬉しい。昨日の時点ですら、ここまで来られる気がしてなかったので、感慨もひとしおである。とは言え、この12万文字にはサブタイトルも含まれているからな。本文だけならまだ足りていないかも知れない。あと一太郎とカクヨムで文字数のカウントの仕方が違う可能性だってある。だからここで気を緩めるのではなく、可能な限り文字数を増やせるよう頑張ろう。はあ、しかし一応の目安は超えたのだ。何とか第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞に応募する目途が立った。良かった良かった。


 人間の脳というのは高度な生体コンピューターではあるが、決して万能ではない。物事を広い視野で統合的に判断する、なんてのは、誰にでもできる事ではないのだ。たとえばAという問題と、Bという問題が起こったとき、AとBに直接的な関係がなくとも、「AとBが起こっている以上、関連してcやdも起こるのではないか」と考え、俯瞰的な視点からすべてを統合的に、トータルで判断して対策を決められるのはごく一部であろう。

 たいていはこういう場合、「Aの解決はα、Bの解決はβ、これでおしまい!」だったりする。そして他人から「αとβは矛盾してないか?」と言われるまで、それに気付かない事も往々にしてある。自己の思考の矛盾に気づける人間はかなり少ないように思うところ。

 もちろん、だからこそ社会には様々なシステムが存在し、人間一人の判断だけですべてが決まる事のないような仕組みが取られている。大勢の思考と判断を経る事で、より矛盾の少ない、より正解に近い解決方法が取られるようになっている訳だ。ただそうは言っても、建前的にはシステムが存在しているにもかかわらず、「鶴の一声」で物事が決まってしまうような現場も少なからずあるのではないかと思うが。

 まあともかくもそんなこんなで、人間の行動は常に矛盾をはらむものである。「その考え方はダブルスタンダードだ」という言葉は非難めいているが、人間という生き物を客観的に見たとき、ある意味当たり前ではないかとも言える。

 そもそもダブルスタンダードを一切排除した人間が、果たして素晴らしい存在だと言えるのかどうか。たとえば政治的な思想において、「徹頭徹尾、何から何まで全部右寄り」とか、「端から端まで、どこをどう切り取ってみても全部左寄り」など、そんな偏った人間って気持ち悪くないだろうか。「コレについては右派の意見に賛同するけど、アレについては左派の主張に共感できる」とケースバイケースで考えられる人間の方が、少なくとも虫けらの視点からは違和感がない。

「右の意見に賛同するのは全員キチガイネトウヨ」、「左の意見を賞賛するのは全員売国パヨク」、この手の見解はまったく同レベルであり、まったく無価値であろう。人間がそんな簡単に分けられてたまるか。この世界はオセロゲームではない。白か黒かのどちらかに必ずなる訳ではないのだ。この世界には白でも黒でもない色が無数にある。他人を白か黒かの二択でしか判断できないような連中が「多様性」だの「表現の自由」だの口にしているのは、気持ちが悪くて仕方ない。どちらも巣に籠もって出て来ないで欲しいものだ。

 さてイスラエル考古学庁の明らかにしたところによると、地中海のイスラエル北部の海岸近くの海底から、約900年前、十字軍の騎士が使用していたのではないかと思われる剣が発見されたそうだ。刃渡りは約1メートル。貝やフジツボなど海洋生物が全体にこびりついている。今後洗浄が行われた後、公開されるそうだ。

 十字軍の騎士の剣。歴史のロマンがあるな。うむ、ロマンがある、と言っても怒られないのだ。しかし十字軍がやった事とは、聖地奪還と言えば聞こえはいいが、イスラム教勢力圏への武力侵攻と虐殺であろう。なのに歴史の重みだロマンの香りだなどと言っても問題がないと欧米メディアは思っている。ナチスへの対応とはまるで別物だ。これは明らかなダブルスタンダードだろう。

 上記のように、虫けらはダブルスタンダードそのものを否定するつもりは毛頭ないし、ナチスを肯定するつもりも毛頭ない。だが、ダブルスタンダードなら、「ええ、ダブルスタンダードですよ」という顔をするべきだろう。「これはダブルスタンダードではありません」みたいな顔をするのは真摯な態度とは言えない。

「十字軍は遠い歴史の彼方の話だが、ナチスはつい最近の話だ」みたいな意見もあるのだろうが、21世紀の現代から見れば、ナチスも十字軍もどちらも歴史上の物語である。「ユダヤ人大量虐殺は無辜の市民への犯罪であり、十字軍は戦争だ」という声もあるかも知れない。しかし定義をいじれば何でもありというのは非常に暴力的で野蛮な考え方だ。

 マスメディアは公共性の高い存在である。歴史に対しても人命に対しても真摯な態度を期待したい。「我々は欧米の価値観に基づき、ユダヤ人の虐殺は許せないがイスラム教徒の殺戮は許せる」というダブルスタンダードを容認する姿勢を鮮明にすべきだろう。中東やアフリカからの移民・難民の問題は、その上で報じるべきだと考える次第。


 本日はこれだけ。もうクッタクタ。頭がヘロヘロになっている。ネタもないしまあ仕方ない。とにかくあと少し、もうちょっとだけ踏ん張ろう。

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