第736話 2021/10/19 魔法使いとか

 本日は10時半起き。曇天。頭が痛い。脳みそがちぎれそうな感覚。まあ原因はわかっているので仕方ないっちゃ仕方ないのだが、知恵熱くらいにしておいてくれよと思わなくもない今日この頃。


 たいていの物語には「魔法使い枠」に入るキャラクターが存在する。昔話の魔法使いは言うに及ばず、ファンタジーの魔導師や陰陽師はもちろんのこと、魔法は使わないが魔法でも使っているのかと思えるくらいに、何でも知っていて何でもできるキャラクターが物語に登場することは珍しくない。

 具体例を挙げるなら「エリア88」のマッコイ爺さんだ。武器兵器のことなら何でも知っていて、金さえ払えば何でも仕入れてくれる。彼がその気になれば核兵器だって手に入るに違いない。普通に考えればこんな優秀な人間、世界中のどんな国でも欲しがるはずなのだが、何故か中東のアスラン王国の、しかも傭兵ばかりが集まる基地にいる。「掃き溜めに鶴」にも程がある。マッコイ爺さんに求めるだけの金を与えて軍隊を編成させれば、反乱軍など簡単に倒せそうなのだが、誰もそうしない。魔法使い枠のキャラクターとはそういうものだ。

 昭和の「仮面ライダー」シリーズでは立花藤兵衛がその枠である。彼は元々バイク屋のオヤジであるはずなのだが、ライダーたちが強敵に苦戦し「特訓」が必要となると、その訓練メニューを考えるだけでなく、人のいない空き地でクレーンを操縦してビル解体用の鉄球を振り回したりする。どこからそんな物を用意したのかという描写は作中にない。冷静に考えると、かなりヤバい人物だ。

「ドラゴンボール」では主人公の孫悟空が強くなって行くにつれ、魔法使い枠は亀仙人からカリン様、神様に界王様へと変化して行く。これは比較的珍しいパターンであろう。

 アメリカンコミックのスーパーヒーローたちは、主人公自身が魔法使い枠であることが多い。日本のフィクションで言えば「ゴルゴ13」、「こち亀」の両津などがそのパターンだ。「ウルトラマン」のシリーズも元々はそうだったのだが、ウルトラの父とか母とかキングとか出て来るようになって変わってしまった。もちろん変わったことが悪い訳ではないのだが。

 PCが一般家庭に普及し、スマホで誰もがネットに触れるようになった現代、魔法使い枠に配置されることが多いのが、コンピューター関係に詳しいキャラクターだ。「天才ハッカー」などもう手垢が付きすぎてギャグになってしまうのだが、それでもこの分野はまだまだ開拓の余地がある。コンピューター対人間という構図の物語もしばらくは創られるだろう。創作家としては「コンピューターを使ってできる凄い事」のリストを頭に入れておいた方がいいのかも知れない。

 さて京都府警サイバー犯罪対策課と右京署は18日、著作権法違反とわいせつ電磁的記録媒体陳列の疑いで、兵庫県在住の43歳の男を逮捕した。容疑の内容でエロ関係だというのはわかるだろうが、何をしたのかと言えば、AI(人工知能)の技術を使ってアダルトビデオのモザイクを消した――正確に言うなら消したと見えるよう加工された――ものを、自分で開設したサイトで不特定多数が閲覧できる状態にしたのだ。モザイクを消して欲しい動画のリクエストも受け付けていたという。何とユーザーフレンドリーな。

 どんなに魔法使いのごとき凄い技術を持っていても、センスと才能があっても、人は結局エロに回帰するのだな。モザイクを消したように見せかけられるほどの精細な画像処理能力を持ったAIを使えるなら、偽札作りとか簡単にできそうに思うのだが、そっち方向には走らないのだ。何を置いてもまずエロに走るこの本能に忠実な行動は、非常に共感できるところ。ただ、できる事なら次は他人の著作物を改変するのではなく、オリジナルを創作してもらいたい。まあ、それでも捕まるんだろうけど。


 衆議院議員選挙が本日公示され、メディアは衆院選一色である。飯の種があることに感謝すべきだろうな。しかし、正直面白いネタは見つからない。立憲民主党の枝野党首が読売新聞の記者に「支持率が半分になってますけど?(意訳)」と問われて「支持率とか気にしてないし(意訳)」と答えたらしいが、政権支持率が下がったら大騒ぎするのはどちら様でしたっけ。

 立憲民主党の枝野党首といえば吉村大阪府知事が東京の演説会でディスってたらしいが、良く言えば新型コロナが落ち着いてきたという証明なのだろう。ヒマなのか?とも思えなくはないが。

 あと立憲民主党の(凄い人気だな)兵庫6区から立候補予定の人物が、演説会でナチス式敬礼を彷彿とさせる行動を取ったとかいうのもあった。ナチスっぽいもの全否定というのは個人的に疑問はあるのだが――ナチスを否定するのとナチスを想起させるものを否定するのは別だと思っている。卍とか――まあ何にせよ、自民党議員がやってたら鬼の首でも取ったかのように大騒ぎするんだろうな、とは思うところ。

 うーん、イマイチ盛り上がらないな。政権が地味だからなのかも知れないが、「与野党対決」といった華々しさは感じられない。淡々と進んでいる感じ。まあ野党の顔ぶれが変わらないしな。新鮮味なんて皆無だ。スター不在が長い。もうちょっと何とかならんものか。


 いまレタスが安いらしい。好天が続いて量が出回っていることもあって、先月の半値だという。サニーレタスも安くなっているのだろうか。でもうちのサニーレタス食らいのリクガメは、昨日から何も食べなくなっている。このまま冬眠に入る勢いだ。例年なら11月に入ってから冬眠なのだが、この寒さは11月並みということなのだろう。とは言え、この先まだ気温が上がらないとも限らないしな、保温用のレフ球を外すのはもう少し待とう。イロイロ気を遣うものである。


 本日はこんなところで。著しいネタ不足。まあ仕方ない。ミステリーはいま11万8950文字まで来ている。あと1050文字。このたった1050文字をクリアする自信がない。「もう精一杯頑張ったんだから諦めろ」という悪魔のささやきが聞こえてくる。はああああ、ため息しか出て来ないが、何とかしよう。とりあえず、もうちょっと頑張る。

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