第675話 2021/8/19 普通とか

 本日は12時起き。雷雨。最初に目が覚めたのは7時頃だったのだが、体を起こすのに昼までかかった。こうも雨が続くと本当にもうどうしようもない。九州北部や広島に比べたらまだマシな方なのだろう、と考えても気分は楽にはならない。かえって申し訳なさに気が重くなる。真夏の太陽は大嫌いなのだが、さすがに恋しくなってきた昨今。現金なものである。


 大阪府下の堺市より南側の泉州地域、旧国名で言えば和泉国でもっとも知名度があるのは、だんじり祭でお馴染み岸和田市だろう。あとはふるさと納税で物議を醸した泉佐野市くらいか。それ以外の市は大阪府民でもなかなか思い出せない。非常に知名度が低い、マイナーな市ばかりである。まあ、虫けらはそんなマイナーな市の1つに暮らしている訳であるが。

 泉佐野市の南側にあるのが泉南市。大阪府民は「泉南郡」という区分をうっすら覚えている者が多いので、泉南郡が合併して泉南市になったと思っていたりするが、泉南郡はいまでも別に存在する。かつて岸和田以南の泉州地域は全体で泉南郡だった。そこから村や町が合併して市制に移行し、郡から抜けて行ったのだ。現在泉南郡は熊取、田尻、岬の3町で構成されている。

 閑話休題。大阪府内の自治体でつくる大阪広域水道企業団と泉南市は18日、市内の住宅が業者の配管ミスのために平成12年以降、上水道と下水道の料金を2軒分支払っていた事が判明、20年間で約144万円を過大徴収していたと発表した。この世帯には遅延損害金を加えて合計約206万円を返還したのだそうな。

 まあけしからんミスだというのは間違いない。業者に対する指導は厳正に行うべきだろう。ただ、過大徴収していた分を全額返還し、遅延損害金もちゃんと支払っているところは評価すべきではないか。この手の行政関係のニュースを見ていると、過大徴収があったのは認めるが、一部しか返還できないと市側が突っぱねるような事例がときどき見受けられる。

 役所にも予算があり、いくらでも金を自由に使える訳ではない。だからいますぐ全額一括返還は難しい場合がある事は理解できるのだが、月々の水道代とか毎年の税金とか、徴収金額を減らす事で分割して全額返還する事は可能なはずだ。なのに手続きが面倒なのか、それを頑として受け付けない役所がたまにある。それを思えば、今回の泉南市の対応は評価されるべきである。

 もちろん、これが本来普通の対応なのだが、普通の在り方を普通にこなす事は、なかなか難しいものなのだ。普通の感覚をもった普通の役所がある泉南市民は、普通に幸せなのだろうと思う次第。


 17日の夕方、新型コロナに感染して自宅療養をしていた千葉県在住の妊娠8か月の30代の女性が、出血があったため救急車を呼んだにもかかわらず受け入れ先が見つからず、数時間後に自宅で出産、早産のために新生児は死亡したという。

 これを受けて千葉県内の産婦人科医らのグループは緊急のオンライン会議を開き、感染した妊婦の急な出産に備え、事前に受け入れ先を決めておく事などを確認したらしい。いや、先に決めとけよ。このケースは十分予想されていたはずだ。

 て言うか、これ千葉県だけか? 他の都道府県はどうなっているのだろう。政府や自治体は医師会に丸投げしているのか。誰かリーダーシップを取ろうという者はいないのか。たとえば総理大臣とか。もう1年半新型コロナ対応をやっているのだ、いろんなケースは耳に入っているだろうに。新型コロナ対策は政府の重要な仕事だが、少子化対策もまた重要な仕事である。こうも簡単に子供を殺していては、出生率など上がらないぞ。

 母親は命に別状なかったという事だが、いまの気持ちは察するに余りある。慰めの言葉すら浮かばない。これでもまだ政府は「医療は逼迫している」と言うのだろうか。すでに崩壊していると認めて何が変わる訳でもないが、それが誠実さというものではないかと思うところ。


 アメリカのメジャーリーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手は現地時間の18日に1番ピッチャーで出場し、メジャーの両リーグ最速となる40号ホームランを放つと同時に、8回1失点の好投で8勝目を上げた。

 もう最近は彼の活躍くらいしか明るい話題が見当たらない。何とかケガなくシーズンを終えていただきたいと心底願う毎日である。


 中国の禁漁期間が明け、沖縄県の尖閣諸島沖には中国漁船がおよそ40隻集まっているらしい。領海侵犯はしていない模様だが、これを単なる漁船と考えてはいけない。おそらく主体は海上民兵である。命令があれば領海に入ってくるだろうし、そもそも40隻だけという事もあるまい。この先どんどん数が増えるに違いない。

 2016年には200~300隻の漁船が尖閣周辺に押し寄せたとされる。加藤官房長官は18日の会見で「同様の事態の再発は、わが国として決して受け入れられない」(共同通信)と述べているのだが、ならどうするのか。海上保安庁に丸投げするのか。政府として明確な意志表示が必要だと思うのだがなあ。


 TwitterやFacebookなどの大手SNSが、タリバンのアカウントを認めるのかどうかで頭を悩ませているらしい。そりゃまあな、ついこの間までは「反政府武装勢力」だったから全部アウトで良かったのだろうが、これからはアフガニスタンの正式な新政府になるのだ、無視はできまい。

 そもそも意外な事に、アメリカ政府が公式にテロ組織と認定している組織・団体の中に、タリバンは入っていない。ここに来て削除されたのではなく、以前から入っていないらしい。つまり一つ一つの投稿の内容について問題がある場合に削除する事はできても、アカウントを設けるのを拒絶する根拠がないのだ。

 おそらく今後タリバンは大手SNSのアカウントを取得し、「幸福なアフガニスタン国民」の情報をバンバン流しまくるだろう。それは見えている未来である。ああ、考えるだけで陰鬱になる。


 アフガニスタン絡みで言うと、ロイターが「タリバンは女性の権利守るのか、アフガンに渦巻く疑心暗鬼」というタイトルで記事を書いているのだが、見えている地獄に対する拒絶を疑心暗鬼と表現するのは間違っているのではないか。タリバンから金でも貰っているのではないかと思ったり思わなかったり。


 もう1つアフガニスタン絡み。アメリカのアフガニスタンへの軍事介入は、最初から成功の見込みのない作戦だった、とミハイル・ゴルバチョフ氏が述べているのだそうな。ゴルバチョフ氏はいま90歳。まだ健在だったのだなと、ちょっと驚いた。

 まあ彼はアフガニスタンに侵攻していたソ連軍を撤退させた人物だからな、言葉に多少は重みもある。とは言え当時のアメリカに、それ以外の選択肢がどれだけあったかは定かでない。もちろんウサマ・ビンラディンを殺害した時点で即時撤退していれば幾分傷も浅かったのではないかと思うが、その辺は結果論であろう。

 ただ、ゴルバチョフ氏はこうも述べている。

「彼ら(NATOと米国)はもっと早くに失敗を認めるべきだった。今重要なことは起きたことから教訓をくみ取り、同じような過ちを繰り返さないようにすることだ」(ロイター)

 これは確かにその通り。良い意味で同じ事を繰り返さないで欲しい。

「そうか、だったら日本からも撤退だな」

 みたいな事になったら最悪ではあるのだが。


 本日はこんなところで。昨日はミステリーを1800文字。うーむ、調子が上がらない。もうちょっと頑張りたいのだけどなあ。

 外に日が差してきた。今日はこのまま晴れるのだろうか。しかし明日はまた雨の予報。そして病院に薬をもらいに行かねばならない。そんな訳でここはたぶん休み。何とも面倒臭い限り。

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