第660話 2021/8/4 トラウマとか

 本日は12時半起き。もうダメだ。人としてダメだ。人生を投げ出したくなるガッカリ感。ああああ全部終わりだああああ。とキーを打ちながら晩飯の事を考える。まあ平常運転。暑い。


 心的外傷を「トラウマ」と名付けたのはかの有名な心理学者、「夢判断」でおなじみのみんな大好きフロイト先生だが、PTSD(心的外傷後ストレス障害)など極端な例を挙げるまでもなく、大なり小なり誰の心にも傷はあるものだ。

 虫けらにだってトラウマはある。あるはずだ。だが何がトラウマなのかと思い出そうとしても思い出せない。頭が考える事をやめてしまう。まあな、わざわざ嫌な記憶を呼び起こす事もない。思い出せないのは有り難い事だ。

 ただ、思い出せないからもう二度とお目にかかる事はないのかと言えば、さにあらず。トラウマは何かの拍子に突然、ピタゴラスイッチのように予想外の方向から呼び起こされ、意識の表面に現出するのだ。何とも厄介な。

 トラウマは極めて個人的な体験に基づくものが普通であるが、ときとして集団で共有する事もある。国単位でトラウマを植え付けられる事が。たとえば日本の政治で言えば、現在与党自民党は絶賛無能をさらしまくり中である。管首相には就任前から疑問符がついていたものの、さすがにここまで酷いとは思わなかった。

 しかし、にもかかわらず世論調査をすると、まだ自民党の政党支持率は20~30%ほどある。それに対して野党第一党の立憲民主党は良くて5%とか7%とか、そんなものである。全然支持率が上がらない。これはかつての民主党政権に日本人の多くがトラウマを抱えてしまったからだと思われる。

 民主党政権は、それまで日本人の多くが抱いていたであろう漠然とした思い、つまり「政権与党なんてどこがやっても同じだ」「総理大臣なんて誰がやっても同じだ」といった、ある意味において「官僚システムに対する期待感」と言ってもいいであろうモノを粉砕した。与党に能力がなければ国は傾くのだと実感させたのだ。

 客観的に見れば、いまの自民党政権も十分過ぎるほど政治に対する信頼をぶち壊しているのだが、民主党政権がマズかったのは、政治主導の名の下に官僚を政治の場から排除しようとした事だろう。自民党政権は「自分たちに都合のいいように」という枕詞はつくものの、官僚と一体となって国家を運営している。その部分でギリギリまだ許されているのではないかと思う。右往左往はしているが、国がストップはしていない。腹は立つが、まだマシと考える人も多いのかも知れない。

 何にせよ、次の選挙で自民党を下野させるには、かつての民主党政権に対するトラウマを払拭するしかあるまい。立憲民主党にそれが可能かどうか。現状を見る限りでは極めて難しいとしか言いようがない。

 さてそんな国家的なトラウマを抱えるのは日本だけではない。たとえば中国において「アヘン戦争」は非常に大きなトラウマであるらしい。

 3日、中国国営新華社系の「経済参考報」は子供にオンラインゲームが「蔓延」している現状に苦言を呈する記事を掲載した。

「社会におけるゲームの有害性の認識が高まってきている。ゲームが『精神のアヘン』や『電子薬物』に例えられることも多い」

「いかなる産業もスポーツも、一世代をむしばむような形で発展すべきではない」(以上AFP)

 まあ日本にも「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」もあれば、そもそも「ゲーム脳」なんて言葉があるくらいだから全然余所の国を笑えないのだが、どこの国も頭の固い年寄はゲームを目の敵にする。それが将来国家を支え得る大産業となる可能性があるにもかかわらず、だ。何とも短絡的かつ近視眼的である。

 この経済参考報の記事が出た途端、中国のゲーム産業大手騰訊控股(テンセント)などの株価が急落した模様。中国政府がオンラインエンターテインメントに対する締め付けを強化するとの懸念が広がったためだ。実際テンセントはその後、12歳未満の子供に対する全面的なゲーム禁止に踏み切る可能性を示したという。

 まあ日本から見ている分には「もっとやれ」と言いたいところではある。そうやって国家を弱体化させて行けばいい。それは日本にとってメリットがあるし、やがて世界のメリットとなるだろう。国ぐるみでトラウマに縛られて沈んで行ってくれれば幸いだと思うところ。


 3日、自民党の二階幹事長は記者会見において、菅首相の自民党総裁の任期が9月末に満了する事に伴う総裁選に関してこう述べた。

「菅総裁を今すぐ代える意義は見つからない」

「しっかり続投していただきたいと思う声の方が国民にも党内にも強いのではないか」

「現職が再選される可能性がきわめて強いという状況というのは誰もが承知している」(以上ロイター)

 うん、意義って何だ。おたくの政治家としての存在意義は何だ。国民の声? どこの誰に聞いた声だ。サッパリ意味がわからん。何でこの人物はこうまでして自民党の支持率を下げたいのかね。どこぞのスパイか何かなのか。


 昨日ちょっと書いたが、ウクライナで消息を絶っていた亡命ベラルーシ人のリーダーが遺体で発見された。公園の森の中で首をつった状態で。ウクライナ警察は殺人事件として捜査を開始した模様。何とも恐ろしい話。やはりベラルーシ政府が暗躍しているのだろうか。


 今日、南の海で台風9号が発生した。間もなく10号も発生する模様。2つの台風は似たようなコースを辿り、揃って日本列島を縦断する可能性がある。勘弁してくれと言いたいところなのだが、自然相手ではどうしようもない。何とか被害が出ない事を祈るばかり。


 アフガニスタンではタリバンが攻撃を激化させている。南部ヘルマンド州では州都ラシュカルガが攻撃され、国営放送局が占拠されたらしい。放送局を占拠するのは戦争時の基本的な行動パターンと言える。一般国民の目と耳を奪い、そこに自らのプロパガンダを流し込んで抵抗は無意味であると知らしめるのだ。抵抗しない限り一般国民には危害を加えないとも流すはずだ。レジスタンスはある意味正規軍より厄介だからな、合理的で効率的な戦い方である。

 アメリカ軍は空爆を行っているらしいのだが、タリバンはアフガニスタン全土で一斉に正規軍に攻撃を加えている。いかにアメリカとは言え、撤退中の現状で全土のタリバンすべてに空爆を行うのは不可能だ。焼け石に水とはこの事だろう。よほどの奇跡的な展開がないかぎり、先は見えている。


 本日はこんなところで。何と言うかこう、スカッとするような事はないものかねえ。どうにもこうにも毎日陰鬱でいかん。え、オリンピック? 興味のないものはどうしようもない。

 昨日はミステリーだけ2500文字ほど書けた。もう少し頑張ればもう少し書けそうな気もするのだが、そのもう少しがなかなか難しい。何とか今日も頑張れるだけ頑張るか。

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