第653話 2021/7/28 続編とか

 本日は9時半起き。もうため息が出る。ため息しか出て来ない。いまさらこの期に及んで「暑い」などとは言いたくないのだが、他に何を言えばいいのやら。頭が回らない。ふんがー。


 虫けらは続編を書くのが大層苦手である。いままでに何度かチャレンジはしているのだが、上手く行ったためしがない。少年漫画などでは強さのインフレが問題になる事があるが、続編を書いているのに最初の敵より弱い相手と戦わせても誰も読まないだろう。より大きな苦難を乗り越えてこその続編である。ところがこれが難しい。

 まあそりゃそうだ。最初の物語を書く段階で、簡単に乗り越えられるような敵を用意しても面白くない。これ以上ない、主人公には倒せないかも知れない相手が出て来てこそ盛り上がる。つまりその時点でその作品世界における最大の困難を設定しているのだ。それより大きな敵を用意したら、実は最初の敵は雑魚でした、という話になってしまう。続編に力を入れようとすればするほど、第一作を否定する展開になるのだ。これは書く方としても読む方としても気分がよくない。

 だから続編を書く際には前作を否定しないような内容で、なおかつ前作より大きな敵を用意しなくてはならない。しかし実際に書いてみればわかる通り、そんな都合の良い存在は簡単には出て来ないのだ。非常に細くて狭い、針の穴に糸を通すような感覚で動かなければならない繊細なところでキャラクターを組み立てる必要がある。

 普通、物語の登場人物のキャラクターなど作者の内側に存在するものだ。それを切り出して整えるのがキャラを作るという作業だろう。だが続編の敵キャラはそうは行かない。多重人格でもなければ自分の中にボスキャラ的性格がそうそういくつも存在したりはしないからだ。

 ないものは作り上げなければならない。つまり自分の中にないものを形にするという作業が必要になる。これはなかなかの苦行である。なにしろそのキャラが何を考えどう行動するのか作者に理解も推測もできないのだから、どう動かせばいいのかわからない。「一貫した行動原理」などと言葉にすれば簡単そうだが、やらせる方は大変なのだ。

 実際、創作の世界に続編は多いが、前作同様のヒットに恵まれる例は少ない――それがわかっていても続編が求められるのは、営業的な部分なのだろう――のが現実である。

「仮面ライダー」の続編として登場した「仮面ライダーV3」は、十分なヒット作と言えるかも知れない。まあ何かあるたびに1号2号の客演というテコ入れがありはしたのだけれど。「ウルトラセブン」を続編と言うのはおかしいが、まあ第2弾としては大成功だった。ただし「帰ってきたウルトラマン」以降は仮面ライダー同様のテコ入れが必要となった。

 映画だと何だろうな。「ターミネーター」は2が一番面白いと言われている。映像技術の進歩を差し引いても2は第1作より上ではないか。「スターウォーズ」も「帝国の逆襲」を推す声は多い。ただ個人的にはスターウォーズの面白さがわからないので何とも言えない。

 そんな中、個人的に続編としてほぼ完璧だと思うのが「さらば宇宙戦艦ヤマト」である。まあ、キャラクター単体の魅力で言えば、ズォーダー大帝はデスラー総統よりやや弱い。だが敵集団としての白色彗星帝国はガミラス帝国より明らかに強く恐ろしく、パイプオルガンによる「白色彗星のテーマ」は観た者を心胆寒からしめた。物語の決着の付け方は安易だとは言え、相応の説得力は持っている。ヤマトの物語はテレビシリーズを経てこれ以後も続いたが、結局白色彗星帝国以上の敵を出せなかったのが現実だろう。

 何しろ巨大な彗星が敵の本星であり最終兵器でもあるという設定は、まさにセンスオブワンダー。思いついた人間は天才ではないか。ガミラスは遠くから流星爆弾を投げつけるだけだったのに、白色彗星帝国は向こうから本星が地球にまでやってくる。真正面からでは逃げる事も撃退する事もできない絶対的脅威。もし仮に白色彗星帝国がヤマトの最初の敵だったら、続編はまずヒットしなかったろうと思う次第。

 さてアメリカのペンシルベニア大学の研究チームの発表によると、質量が通常の彗星の約1000倍、直径は観測史上最大級の100~200キロメートルもある彗星が観測されたそうだ。2031年には太陽に最接近すると見られている。発見者である大学院生と教授の名前を取って「バーナディネリ・バーンスタイン彗星」と名付けられたとの事。

 1天文単位(AU)は1億4959万7870キロメートルであるが、この彗星は太陽から4万AU離れた場所を出発し、何百万年もかけて太陽に近付いている。現在は太陽から天王星までと同じくらいの30億キロほど離れた位置にあり、31年には土星までの距離に近い位置まで接近するらしい。まあそれ以上接近しないようであるから、地球と衝突する恐れはない。ただし彗星の雲の中から宇宙戦艦が姿を現わさないかどうかは現時点で不明である。


 台風8号は宮城県石巻市付近に上陸し、東北を縦断中。この後、西寄りに進路を変えて今夜には日本海に抜ける模様。いまのところ水害や土砂災害の情報は報じられていないが、しばらくは注意されたい。


 愛知県警は28日、「鬼滅の刃」を連想させる商品を販売したとして、神奈川県横浜市にある商品卸売会社の社長らを不正競争防止法違反(混同惹起じゃっき行為)の疑いで逮捕した。連想させるだけでもダメなのか。厳しいな。それなら桃太郎の絵本とかもダメなのだろうか、などと思って記事の写真を見てみたら、連想どころの騒ぎではなかった。モロそのままだ。さすがにこれは無理である。同情のしようもない。

 主人公たちの羽織と同じデザイン同じ色を使った様々な偽物の商品を、本物の商品も入っているゲームセンターのクレーンゲームの景品として混ぜてあるのだ。これはちょっとタチが悪い。なお本来ならこの手の犯罪は著作権法違反で摘発されるのが通常であるが、今回の商品は商標登録されていない(登録が認められなかった)キャラクターの羽織の柄や文字を組み合わせる事で本物と混同させるため、不正競争防止法違反として摘発された模様。こういうケースは全国初らしい。

 ちなみにこの会社、空間除菌効果を謳った首かけ除菌剤を販売したとして、景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令を消費者庁に出されている。やはり空間除菌に手を出す業者というのはこういう連中なのだろうな。反省とかないのだろう。何ともかんとも。


 本日はこんなところで。昨日は「何も知らない大賢者様」を更新できた。今日と明日も更新できるだろう。おかげでミステリーは1000文字足らずしか書けなかったが。まあ、何とか今日も頑張るしかない。

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