第597話 2021/6/2 しがらみとか
本日は5時半起きだが、朝食を摂って鳥や犬の世話をした後、昼まで熟睡してしまった。昨日の寝不足の反動である。そういや今朝(夜中)の1時半頃にまた目が覚めてしまって「いや、死ぬから」と眠り直したっけかな。ここのところ眠りが浅い。おかげでダルくて一日中眠い。ただでさえ回らない頭がますます回らなくなっている。眠くて損をする事はあっても得をする事はまずないからな。今日も無駄な一日になるのだろうか。
言葉を説明するときに「転じて」と言う事は多いが、複数回意味が転じる言葉はあまりない。一度転じて意味が変わり、さらに転じてまた意味が変わった言葉で我々の比較的よく知る単語と言えば、「しがらみ」がそうだろう。
元々は「しがらむ」という動詞だった。「からみつく」とか「まといつく」とか「からませる」という意味を持つ古語である。万葉集に収められた田辺福麻呂の長歌にはこんな一説がある。
「萩の枝をしがらみ散らしさ雄鹿は妻呼びとよむ」
萩の枝を身にからめて散らしながら雄鹿は妻を呼び立てている、といった意味である。ここに出て来る「しがらみ」は「しがらむ」の連用形なのだが、これがやがて名詞に転じる。意味するところは「水流をせき止めるために、川の中にくいを打ち並べて、それに木の枝や竹などを横に結びつけたもの」(デジタル大辞泉)である。
要するに木造の小規模簡易ダムだな。おそらくは農業用水の確保や漁業に使われたのだろう。似たような物に
で、その「しがらみ(柵)」がさらに意味を転じさせる。物理的、あるいは精神的に「引き留め、まとわりつくもの。じゃまをするもの」(デジタル大辞泉)を指す言葉となるのだ。いま我々が一般的に使用する「しがらみ」はこれである。
人間は生きていると、しがらみを切り離す事ができない。親子関係、友人関係、ご近所関係等々、何やかやと人間関係がしがらみとなって活動を制限しようとするが、ある意味一番厄介なのが仕事関係のしがらみであろうか。多くの人間は仕事を通じて社会と接しているからな、仕事のしがらみは結局社会全体がしがらんでくるのかも知れない。想像するだに面倒臭い。
そんな面倒臭いしがらみにまとわりつかれている仕事と言えば、メディアがその代表ではないか。日本の記者クラブなんてその最たる物だろう。記者クラブに所属してない記者は質問すらできません、てやり方を是認している連中が「報道の自由」とか言ってる訳だから、タチの悪いジョークである。あれは報道各社同士の横方向のしがらみと政府との縦方向のしがらみが絡み合っているのだろうな、とは思うが、加わっている記者連中はよく頭がイーッ! とならないものだ。
何にせよ記者クラブ制度なんて合理性もへったくれもない、しがらみだけで成り立っているような制度である。内部はとっくに腐れ果てているだろう。とっとと無くなってしまえばいいのにと思う次第。
メディアと言えば、野球とかサッカーなどで試合後に行われるヒーローインタビュー、あれもしがらみで行われているようなものではないのか。好きだという人もいるようだが、虫けらは共感性羞恥が刺激されて見ていられない。何のためにあんな事をしなくてはならないのか。選手は試合中のプレーで頑張ればそれで十分ではないかと思えてならない。本分からかけ離れた事をさせて見世物のように扱うのは敬意に欠ける。「興業だから」とさえ言えば何でもかんでも許される訳ではあるまいにと思うのだが。
そんな中、プロテニス選手の大坂なおみ氏が全仏オープン大会を棄権した。試合後の記者会見のボイコットを批判された事によるものらしい。大坂氏は鬱の闘病も告白している。
過去の発言や行動から彼女を嫌う人々はいるようだが、この件に限定して言えば、虫けらは至ってマトモであると思う。「プロならプレス対応くらい当たり前だ」とか言う声もあるものの、そう叩く連中の中にプレス対応の経験者が何人居るだろう。経験もなく想像力も欠落したヤツらが状況を理解して批判しているとはとてもじゃないが思えない。そんな批判はこの世界のためにまったく貢献しない何の役にも立たない悪罵でしかない。口からクソを吐いて何が嬉しいのだろうか。
そもそもテニスの試合後のプレス対応など、しがらみ以外の何だというのだ。しゃべりたい者はしゃべればいい。だがそうではない者にまで同じ対応を求められるほどメディアの記者は偉いのか。貴族か何かにでもなったつもりか。「たくさんお金をもらってるのに」みたいな情けない意見もあるようだが、そんなに金が欲しければ自分もプロスポーツ選手になればよかっただろう。何故ならなかったのか。なれなかったのは自分の能力がないせいであり、大坂氏が悪い訳でも何でもない。それは批判とすら呼ぶに値しない汚らしい悪口雑言である。口にすればするだけ自分が薄汚くなって行く事を理解した方が良い。
とは言え、人間には向き不向きがある。もしテニス界が選手より過去のしがらみの方を優先する世界であるのなら、大坂氏には最初から向いていなかったのかも知れない。離れるのもやむを得ないだろう。
今回の事を受け、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンの四大大会、いわゆるグランドスラムは「大坂なおみがコートから離れる間、可能な限りの支援と援助を提供したい」(BBC)と述べているようだが、果たして何ができるだろう。災い転じて福となせるか。金の卵を産むガチョウの腹を裂くのがいかに愚かしい行為か、考えなくてもわかるとは思うのだが。
31日、世界保健機関(WHO)は新型コロナの変異株の名称にギリシャ文字を当て、国名は使わないと表明した。今後イギリス株はアルファ、南アフリカ株はベータ、ブラジル株はガンマ、インド株はデルタとなる。
WHOでは最初から国名を使ってはいなかったのだが、各国メディアが勝手に使っていたからな、それをやめさせたかったのだろう。
でもこれ、ギリシャに対する風評被害を呼ばないだろうか。考えすぎか。
短いが、本日はこんなところで。眠くて眠くて頭が回らない。漫画家の高橋留美子氏が公式Twitterを開設しているが、日常的な仕事のスケジュールが投稿されてフォロワーがざわついている。作画に入ると1日3時間ほどしか眠っていないのだ。作画作業以外の日は眠っているのだろうが、それにしても年齢を考慮するととんでもない。虫けらでは意識が朦朧として何も手に付かないだろう。やはり人間健康でないといかんなと思った次第。
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