第581話 2021/5/17 青い鳥とか

 本日は6時半起き。雨。近畿地方も昨日から梅雨に入った。平年と比べて非常に早く、期間も長い模様。うげげ。体がすこぶるしんどいな。


 可哀想な物語というものはある。ストーリーが悲劇的という意味ではなく、その扱いが可哀想な作品である。世界中数ある物語の中でも最も可哀想な作品と言えば、メーテルリンクの『青い鳥』ではないだろうか。

 言わずと知れた名作童話であるが、これほど可哀想な作品もない。何せ名作過ぎてオチをみんなが知っているのだ。1ページも1行も1文字も読んだ事のない者まで話のオチを当たり前のように知っている。おかげで名作なのに読まれない。かく言う虫けらも、この作品を読んだ記憶がない。でもオチは知っている。

 もちろん物語であるから、ラストシーンだけに価値がある訳ではない。そこに至る過程にも意味があり価値がある。でも最後どうなるかを知っている物語を、あえて読もうと思わない人の気持ちは大変よく理解できる。もったいないとは思うのだがな。

 そういう意味で対極にあるのは、サン・テグジュペリの『星の王子さま』かも知れない。これもアホほど有名な童話だ。だが、虫けらはこの作品のラストを知らない。

読んだ事がないからな。至極当然と言える。もちろんググれば簡単に知る事はできるが、あえてそうする意味はない。読んでいない作品のラストは知らないのが普通なのだ。いつか手に取り読む事もあるかも知れない。その機会まで取っておく方が良いだろう。そう考えれば、幸せな作品なのかも知れない。

 さて、学名を「ネミプテルス・ジャポニカス(日本のイトヨリダイ)」という魚がいる。和名を「ニホンイトヨリ」というこの魚、日本でたくさん獲れるのだろうな、と思う人もいるだろう。だが事実はさにあらず。

 そもそも1791年にこの学名を付けたのはドイツの魚類学者だったのだが、インドネシアのジャワ島近辺で採れた標本を日本産の魚類だと誤認して命名したのだそうな。

 その後も台湾や東南アジアの海でしかこの魚は見つかっていなかった。つまり日本では確認されていなかったのだが、去年の1月に種子島の西之表港で偶然釣り上げられた魚を鹿児島大学総合研究博物館とかごしま水族館の研究チームが調べた結果、ニホンイトヨリであると判明した。つまりニホンイトヨリが日本国内に棲息していると初めて確認されたのである。まるで『青い鳥』のラストのようではないか。なんと凄い! ……のか?

 古来より名は体を表すという。タイではなくイトヨリではあるものの、とにかく名前にニホンが入っているのだ、最初から日本にまで生息域を広める事は決定事項だったのかも知れない。生物学に運命論を持ち込むのはイロイロとアレではあるが、ニホンゾウとかニホンライオンとかニホンペンギンとか勝手に名前付けたら、いつか日本は動物王国になるのではないか。まあ、それはそれで困る事の方が多いような気もするが。


 魚と言えば、オーストラリアの西岸の海を漂流していたインドネシア漁船の乗組員を、オーストリア空軍と日本漁船が連携して救助したらしい。16日、オーストラリアのダットン国防省が明らかにした。

 先般オーストラリア海軍が自衛隊と共同訓練をしたタイミングで話ができすぎているような気もしないではないが、事実なら素晴らしい事である。世の中こういう話ばかりならいいのだが。


 神奈川県の厚木市や伊勢原市などで、公園に設置された水飲み場や手洗い場の真鍮製の蛇口46個が盗まれたらしい。別段高値で取引されるような物ではないようなのだが、何故か続けざまに盗まれている。さすがに蛇口マニアの犯行とも思えないし、捜査関係者も首をかしげている模様。他にステンレス製の手すりなども盗まれているようだ。同一犯の可能性もあるとのこと。

 金属回収業者に持ち込めばビール代くらいにはなるのだろうが、労力に見合ったリターンは期待できない。まあそれどころではない者も世の中にはいるのだろうが。


 静岡県で母親の遺体を放置したとして58歳の息子が死体遺棄容疑で逮捕されている。だがこの息子、母親と別居しているのだ。まあ無職であるから、母親の年金を頼りにしていた可能性はあるにせよ、一人暮らしの母親が死んでいる事に気づかなかったのかも知れないではないか。いきなり逮捕に至った経緯は報じられていないので不明。

 とは言え虫けらも一人暮らしであるからな、急死した場合には誰にも気付かれないだろう。家族もいないので誰かが死体遺棄で捕まる心配はないのだが、イロイロと考えてしまう事件である。


 新型コロナウイルスのワクチン接種が急速に進んでいるアメリカでは、バイデン政権がこれまでの指針を大きく転換し、ワクチン接種者なら屋内でも原則マスク不要とする事を決めた。

 しかし、これまでマスクをしていない客を入店禁止にしていた店舗などでは、ワクチンを接種している者としていない者を見分ける術がないと困惑している模様。再び感染拡大が起きると警告する研究者もいる。

 国民性と言ってしまえばそれまでだが、何故ここまで執拗にマスクを嫌うかね。まあアメリカで感染が再拡大しても虫けらに大きな影響はないだろうから、別に構わんのではあるが。


 短いが、本日はこんなところで。元気がない。気力がない。腰は痛いし天気は悪いし、もうどうしようもない。しばらくはこんな状態が続くのだろうか。ああ嫌だ嫌だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る