第562話 2021/4/28 先読みとか

 本日は5時起き。今日明日は天気が悪いので起きられないかと覚悟をしていたのだが、ちょっと拍子抜け。だが眠い。また昼寝でもするかな。

 それはさておき、昨夜ようやく短編を上げられた。

『祝呪官吏』

https://kakuyomu.jp/works/16816452219931750674

 8800文字ほどの現代ファンタジー。ありがちと言えばまあ間違いなくありがちな話なのだが、虫けらにしては珍しいタイプの作品である。どうせあまり読まれないだろうな、とは思っているのだが。


 虫けらは将棋がわからない。ルールが理解できないし、何より駒の動きを覚えられない。脳が理解を拒絶する。それは将棋的思考ができないという事であり、すなわち論理的戦略的思考ができないという意味でもある。戦争物の要素がある物語を書く上では致命的な欠点とも言えるが、過去の実際の戦争がそれほど論理的戦略的に行われたとも思えないので、まあ何とかなるだろうと高をくくっている部分はある。

 ただ戦争物的要素のある物語の登場人物には先を「読み」「先手を打つ」ようなキャラクターが必要になるので、それを上手く書けるか、もしくは何とかごまかせるかが勝負となる。ガンダムで言えばシャアやアムロのような描き方となるのだろうが、同じ描き方はできない。虫けらがガンダムを書いても意味がないからな。自分なりに解釈した「読み方」「先手の打ち方」を工夫する必要がある。

 一撃目を撃った直後にビームライフルの銃口が下にスライドして二撃目を撃つと、その射線上に敵のモビルスーツが吸い込まれるように移動してくる、みたいな表現は単なるパクリである。笑いを取るためのパロディシーンならまだしも、真面目な顔でやってはいけない。などと自分を縛ると大変に困ってしまうのだな、これが。

 何せ虫けらはガンダムの衝撃をマトモに受けた世代である。自分の中の表現の源流を探るとたいていガンダムに行き着く。ましていま『鉄塊鬼アイアンロック』という巨大ロボット物を書いているから、何かするたびにあちこちにガンダムが顔を出すのだ。もう邪魔で仕方ない。「三つ子の魂百まで」とは言うが、幼少期の刷り込みとは恐ろしいものだと言える。まあ、それといま書けなくなっている事は別問題なのだけれど。

 閑話休題。

 何にせよ、先を「読んで」「先手を打つ」のは将棋だけに求められる事ではない。イロイロな場面、様々なシチュエーションでそれらは要求される。ことにそれが多いのはやはり政治家ではないか。権力者は無能より有能であって欲しいと誰もが望むものだ。そしてその有能さのわかりやすい発露が先読みの才であろうと思う。

 さて東京都の小池知事は27日、

「人の命をどうやって救うかというのは地域が違っても同じことで、助け合っていくのは当然だ」(毎日新聞)

 と述べ、もし新型コロナウイルスの感染拡大で医療提供体制が逼迫している大阪府から要請があれば、東京消防庁のヘリコプターを使用して府中市の都立多摩総合医療センターで新型コロナ患者を受け入れる検討を進めていることを明らかにした。

 大阪府民としてはありがたい話と言える。現在大阪府、と言うより正確には大阪市内とその周辺部の大阪府北部地域であるが、ここでは医療態勢が逼迫しており、新型コロナの患者が出ても受け入れ先病院が何時間も見つからない状態になっている。たいした被害のない大阪府南部地域在住の虫けらにはほぼ関係ない話であるとは言え、この小池知事の申し出はありがたいと思う。思うのだが。

 大丈夫かそんな事言って、と思うのもまた事実なのだ。

 毎日新聞の記事によれば、26日時点で大阪府の軽症・中等症患者の病床使用率は78.2%、重症患者においてはすでに確保病床を上回っている。一方東京都は病床全体で約35%、重症患者で約37.8%と余裕がある。だからこその今回の発言なのだろう。

 今般東京都には非常事態宣言が出されており、この先病床使用率も下がるはずだ、という見通しなのではないかと思うのだが、果たしてそう上手く行くだろうか。まだ現段階では、感染者数の低下が起こらず病床使用率が上昇し続ける可能性もゼロではない。人助けをしてはいけないと言うつもりもないが、いささか簡単に口にしすぎていないか。

 そもそも東京都内で感染者数が減少傾向に転じても、首都圏全体で増加すれば間接的に医療が逼迫する怖れもまだある。まずは千葉や神奈川や埼玉の様子を鑑みて、そこからの患者を東京都で受け入れねばならない状況が起きない事を確認してから大阪府に手を差し伸べるべきではないだろうか。いま大丈夫だからといって明日も大丈夫とは限らないのだ。先を読むというのはそういう事である。

 大阪府の状況を自らのパフォーマンスに利用している、とまでは言わない。純粋に善意から出た言葉だと思いたい。だが善意だけではリーダーは務まらない。まずは自分の足下を万全にする事が先決であろう。政治のリーダーには論理的戦略的思考を望みたいところ。


 さてそんな東京都ではオリンピック・パラリンピックの開催が迫っている訳だが、27日に丸川五輪担当相は、新型コロナの感染状況を踏まえたオリンピック・パラリンピック実施時の医療提供体制について、約2週間前に東京都に問い合わせたが明確な回答がないと明かし、

「主催者としての責任、医療現場を預かる責任をどう果たすのか。国はどう支援すればいいのか非常に戸惑う」(共同通信)

 と不快感を表したという。

 正直、この人物が自民党内でそれなりの立場に立っている事が理解できない。まあ五輪担当相など、大臣とはいえ主要ポストとは呼べない閑職である。居ても居なくても国民は困らないし、他の大臣が兼職で担当しても何が変わる訳でもない。なのにマスコミの前に出て来たときの態度がやけにデカいため、「何だコイツ」と首をかしげてしまう。もしも彼女が自民党のイメージアップに貢献しているなどと思う人がいるのであれば、一度眼科検診を受ける事をオススメする。

 丸川氏は何か知らんが、小池都知事にライバル心でも燃やしているのか、やたら難癖つけているイメージがある。だが言うまでもなく、国民は自分の生活が一番大事である。オリンピック開催を願っている人々でさえ、自分の生活よりオリンピックを優先しろとは言わない。当たり前の話だ。

 小池都知事が実際に仕事ができているのかどうかはともかく、曲がりなりにも都民の新型コロナ対策を司るリーダーである事は間違いない。なのにその都知事の時間を奪って「オリンピックの事も考えろ」なんて、この状況でよく言えるな。その神経が理解できない。そういう事は裏で言え。それともマスコミの前に立つのがそんなに嬉しいのだろうか。もう見ていてウンザリする。


 そんな丸川大臣も利用するのかも知れない、国会議事堂内の衆議院の女性用トイレで盗撮事案が発生したらしい。盗撮された女性職員が気付き声を上げたところ、犯人は逃走したそうだ。

 事件発生は23日。まだ犯人は捕まっていない。言うまでもないが、国会議事堂は国家の中枢の一つである。国民の代表である国会議員が集まり、首相や大臣も議会に出席する。ならば当然、セキュリティは日本で最高レベルでなくてはならない。そんな場所でトイレの盗撮が起こるとはどういう事だ。まして犯人が捕まらないとは何事だ。

 まあ、犯人は外部の人間ではないのだろうし、下手をすれば国会議員の可能性だってある。慎重になるのも理解はできるが、あまりにもみっともない。国民に対してはもちろん、周辺諸国へもおかしなメッセージを与えかねない。早急に解決してもらいたいところである。


 本日はこんなところで。昨日は短編の推敲とアップロードで1日潰れた。今日からまた心機一転頑張ろう。まあ、言うだけならタダだしな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る