第548話 2021/4/14 撤退とか

 本日は5時起き。曇天。体調はイマイチ。体調なんて気にしていられる時点で余裕はあると言えるのだが、だから何かできるのかと問われると何もできない事もある訳だ。余裕があるだけでは話にならないというのも面倒臭い。もうちょっとわかりやすくあっても良さそうに思うのだが。

 そんなこんなで今日は何も面白い話が見つからなかった。頭が全然回らない。東京オリンピックが中止になっても日本経済に与える影響は限定的である、と国際通貨基金(IMF)の副局長が言っている、というのはあったが話が広がらない。まあ個人的にはここまでケチのついたオリンピックを強行しても、誰も幸せにならない気がするのだがな。

 といったところで面白味に欠ける日記の始まり始まり。


 2001年9月11日、アメリカで同時多発テロが発生した。これをジハード組織アルカイダの犯行と見たアメリカは、当時アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバンにかくまわれていたオサマ・ビン・ラディンを標的としてアフガニスタンに多国籍軍で軍事侵攻し、駐留米軍を置いた。

 事ほど左様にアメリカにとって9月11日は特別な日だが、今年の9月11日までにアフガニスタンから米軍を撤退させる、とバイデン大統領が今日にも発表する見通しなのだそうな。当初の予定は5月だったから少し遅れるようだが、前任のトランプ前大統領が決めた方針を基本的には守る模様。

 駐留米軍が撤退すれば、アフガニスタンにとってはイロイロな事が「元通り」になる。ただそれが幸福な事なのかどうかはわからない。「元の木阿弥」になる可能性も少なからずあると言えるだろう。

 普通に考えれば、米軍がいなくなった後タリバンが攻勢に出てアフガニスタン政府は崩壊する。それはもう見えている未来だ。だがこれは本来アフガニスタン人の問題である。アメリカはその未来に割り込むべきなのだろうか。アメリカはそこまで責任を持つべきなのだろうか。

 アメリカには軍事侵攻し駐留したという事実があり、その責任はあるだろう。ただしこの期に及んで内部で権力闘争を繰り返すアフガニスタン政府についてまで責任を負えというのも無理な話。それはアフガニスタン人自身の選択の結果である。

 米軍の上層部はアフガニスタンからの撤退に反対しているらしいが、そもそも論を言えば米軍がそこにいる事の方がおかしいのかも知れない。いずれ撤退するのは既定路線、それが今年になっただけという見方もある。確かにタイミングの難しい問題ではあるが、どこかでケリを付けねばならんのだ。軽々しく「仕方ない」と言える話ではないものの、他に選択肢がある訳でもない。やむを得ないのか。

 ただし人は死ぬ。駐留米軍の撤退後、大量の人が死ぬのは間違いない。それは絶対的に動かし難い未来である。我々にできるのは、少しでも被害が小さくなるのを祈る事しかない。


 祈るしかないと言えば、ミャンマー情勢はいずれシリアのような本格的紛争に発展する恐れがあると国連が警鐘を鳴らしている。だったら率先して何とかしろよと言いたいところなのだが、中国に侵食されたいまの国連に多くは望めない。中国だけが悪い訳ではないのかも知れないが、安保理の常任理事国に拒否権を与えるなどという子供でもわかるレベルで愚かしい事を改善できない時点で、国連に期待はできない。

 アメリカの軍事力行使を期待する声も世の中にはあるようだが、それをしてもミャンマーがアフガニスタン化するだけという可能性もある。根本的な解決にはならないのだ。特に軍を裏で支援する大国がいる場合には。


 9月に500人規模で設立される予定のデジタル庁だが、平井卓也デジタル改革担当相は13日の閣議後の記者会見で、「国民の期待に応えるパフォーマンスを上げることは到底無理だ」と人員増強を求める方針を述べた。先般11日に倍率約40倍の難関を勝ち抜いて民間から登用される30人が辞令を受け取ったが、おそらくそれ以外の大半はデジタル技術の事などわからない実務担当者だろうし、プロフェッショナルの数が必要なのは当然だろう。期待はしていないが何とか頑張って欲しいところ。


 上の話とも無関係ではないのだろうが、河野太郎行革担当相が霞が関のFAX撤廃を目指す考えを示している。まあ、いくら何でも非効率的である。役所は保守的でいつまでたっても旧態依然、というのはどこの国にもある話なのだろうが、さすがにFAXはどうよと思うところ。ハンコを押しやすいというくらいしかメリットがなかろう。そのハンコも減っているのだから、もはやFAXを使用する意味がない。さっさと廃止すべし。


 河野大臣といえば新型コロナのワクチン接種担当でもあるが、接種会場に予定の人が来ずワクチンが余ってしまう事態となった場合、「廃棄せず予定外の人に使っても構わない」との考えを示した。まあ、当たり前だろう。お役所仕事が大好きな人にとっては臨機応変は面倒臭いのかも知れないが、あまりに非合理的だしもったいない。ドンドン打ってしまえばいいのだ。


 ワクチンといえば欧米の新型コロナワクチンをライセンス生産したり、自国製のワクチンを開発したりしているインドは、すでに6400万回分を海外に輸出しているらしいのだが、国内で感染が急拡大する中、インド国民に接種するためのワクチンが足りず、政府は13日、欧米や日本で承認された新型コロナのワクチンについて国内での安全性試験を免除し、緊急使用を許可すると発表した。つまりワクチンを輸入するという事である。相当焦っているように思われる。

 まあ人口が人口だけに、元々自国生産分だけでは足りなかったのではないか。その辺、政府がノンビリし過ぎていたのかも知れない。良く言えばおおらかなのだろう。


 おおらかと言えば、日本の自民党が、古い原発の廃炉に合わせて新規に原発を建てる事を推進する議員連盟を設立したのだそうな。会長は稲田元防衛大臣、安倍元首相や細田元幹事長が参加しているらしい。何ともおおらかな。

 原発はエネルギーの安全保障において重要だ、という理屈は理解できる。だが安全保障だけで何でもかんでも通る訳ではない。何らかの事故は必ず起きるし、廃炉に時間も金もかかる。廃棄物処理の問題もある。総合的なコストがプラスなのかマイナスなのかを明確にしなくてはなるまい。

 原子力関連の技術開発に投資するのは必要だと思う。だが原発がなければならないというのがよくわからない。個人的には再生可能エネルギーについて疑念はあるものの、原発がそれらを圧倒的に凌駕するほど優秀な発電だとも思えないのだ。

 おそらくは「原発利権」というものが存在するのだろうが、既得権益を守るために汲々とする権力者の姿はあまり褒められたものではない。世の中に余裕はあっていいとは思う。しかし国会議員はもう少しシビアでも良くないか。


 本日はこんなところで。もう少し楽しげだったり興味深かったりする話が欲しいのだけれど、ないものは仕方ない。

 昨日は350文字。何とも言えない数字。まあゼロよりは、というところか。今日もとにかく頑張ろう。

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