第536話 2021/4/2 古典とか

 本日は9時起き。もう少し早起きできたようにも思うが、まあまあ快調。でも週末はまたまた雨だ。起き上がれないかも知れないなあ。とは言えもう出かける用事もないし、おとなしく引きこもっていようか。


 古典を学べという声は常にある。「漫画を描くなら手塚治虫くらい読んどけ」だとか、「演劇やるならシェイクスピアくらい知っとけ」とか、「小説書くなら源氏物語くらい目を通しておけ」などなど。それは間違いではない。古典の知識があれば、いま自分が取り組んでいる表現を俯瞰的に見る事ができる。どのように始まり、どのような変遷を経て、いまの形に落ち着いたのかを理解する事ができる。それを知った上で使う言葉には説得力が生まれるだろう。

 しかし古典に目を向ける事が何を置いても必須であるかと言われると、さすがにそこまで必要な事だとは思わない。何故なら我々は古典を知らずとも、古典のエッセンスに浸った世界で生きているからだ。

 たとえばアニメを例に挙げてみる。『蒼穹のファフナー』は『新世紀エヴァンゲリオン』の影響下にある作品と言って良い。そのエヴァンゲリオンは『機動戦士ガンダム』の影響下にある作品であり、ガンダムは『マジンガーZ』の影響下にある。そしてマジンガーZは間違いなく『鉄人28号』の影響下にある作品なのだ。

 では我々はファフナーを理解するために鉄人28号を見るべきなのだろうか。別に見て困る事は何もない。だがファフナーを理解するために鉄人28号の知識が必要かと問われれば、不要であると言い切っていい。何故なら我々は鉄人28号以後の世界に暮らしているのだから。

 鉄人28号が生み出した、あるいはマジンガーZが、ガンダムやエヴァが生み出した「新しい表現」を、それ以後の世界に生きている我々は、ファフナーの中に基本的構成要素として目にしている。それらはもちろんファフナーの中だけに存在するものではなく、他の多くのアニメの中にも散りばめられている。視聴者である我々はそれを「お約束」「常識」「パターン」として認識し、理解しているのだ。

 現代の我々が鉄人28号やマジンガーZを見て得られるのは、「この表現はこの作品から生まれたのか」あるいは「この表現はこの時代にもあったのか」と再確認する作業だけといっていい。確かに温故知新という言葉もあるように、その再確認が新しいアイデアの源泉となる事も多々あるのだが、それを理解しない、あるいはその必要を感じない者に古典を見せても何の意味もないだろう。古典を学んだからといって表現力がアップする訳ではないのだ。

 ただし古典の知識はイロイロな形で応用が利く。持っていて邪魔になる事は決してない。手っ取り早く武器を増やしたいと思うのなら、古典を学んでみるのも一つの手であると思うところ。

 ところで我々現代の表現者が影響を受けている古典と言えば、漫画やアニメが中心だと思うかも知れないが、案外そうでもない。何故なら古い漫画やアニメは古典映画や古典文学、あるいは歌舞伎などからも強い影響を受けており、その断片は我々の血肉となっている。源氏物語を読まなくても、歌舞伎を見た事がなくても、我々は間違いなくその影響下にあるのだ。

「市松模様」「裏方」「黒幕」「大詰め」「十八番おはこ」「御曹司」「楽屋」「差金」「二枚目」「三枚目」「どんでん返し」「なあなあ」「花形」「花道」「幕の内弁当」「メリハリ」「濡れ場」「愁嘆場」「修羅場」「正念場」

 ざっと上げたこれらはすべて、歌舞伎で使われていた言葉だ。修羅場のように歌舞伎以前から使われていた言葉もあるが、歌舞伎によってより広まった面もあるだろう。言葉には当然意味があり、使い方がある。我々はこれらの言葉を使うたび、無意識に歌舞伎のエッセンスに触れている。歌舞伎の影響を受けていない表現者は日本には存在しないと言ってもいいはずだ。

 事ほど左様に古典とは本来我々にとって身近なものであり、肩肘張らずに学べば良いし、学ばなくともさほど困るものでもない。特に自ら進んで作品を創っている表現者には、すでに自身の構成要素となっているものがほとんどだ。あまり大層に考えない方が良いと思う次第。

 さて昨日1日、政府の基本的対処方針分科会(基本的対処方針諮問委員会から1日付で改称)の尾身茂会長は記者会見で、

「今回のワクチン接種というのは、もちろん全住民(へ行き渡ること)は大事だが、やっぱり高齢者へのワクチン接種というのは1つ重要なエポックだと思う」

「予定通りいけば(全高齢者にワクチンが行き渡るのが)6月くらいとする。1年先、2年先ではない。もうちょっとだ。私は去年の春ごろ『正念場』という言葉を専門家会議の時に使ったと思うが、また新たな状況の中でこの6月までが正念場だと思う」

「高齢者にワクチンが届くまでに大きなリバウンド(感染再拡大)を避けることが現時点では最優先課題だ」

「リバウンドがあると医療がひっ迫する。医療がひっ迫すると、ワクチン接種に多くの医療従事者が協力するので、ワクチン接種にも影響が出てくる。そこは1ついま踏ん張りどころにきていると思う」(以上Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)

 と述べた。正念場とか勝負の○○とか多いな。そのうち土壇場の修羅場がやって来なけりゃ良いが。


 自民党は「子ども庁」の創設を次期衆院選の公約とする方向で調整しているらしい。子どもの医療や教育、警察などの関連政策の調整を担い、縦割り行政の解消を目指すという。

 やらないよりは絶対にやった方が良い。とは思うものの、現行の体制でも子どもに対してできる事はあるだろう。それをいますぐやってはどうだ。「子ども庁ができるまで待て」などと言うのであれば本末転倒も甚だしい。とにかく急いで現場に人と金を回すべきであると思う次第。


 管首相がアメリカを訪問しての対面による日米首脳会談は今月16日に行われる事が決定した。当初の予定は9日だったが、1週間伸びた形。まあその1週間で日本側がどれだけ準備できるかだろうな。もう世界はのっぴきならないところまで来ている。アメリカにまで足を運んで、踏み絵を要求されない訳がない。首相には覚悟を決めていただきたいところ。


 本日はこんなところで。昨日は頑張ったのだが700文字ほどしか書けなかった。でもずっとゼロが続いていたからな。まあマシな方だ。今日も何とか少しでも書けるよう頑張りたい。

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