第512話 2021/3/9 断首とか

 本日は9時半起き。佐川急便に起こされた。いや、普通の人には早い時間ではないし、荷物を届けていただいて感謝している。文句がある訳ではない。ただ何とも体が重くてなあ。この体に人並みの作業ができるのは一日何時間くらいなのだろうと考えると、ため息が出るばかり。


 昔の時代劇、特に『遠山の金さん』辺りでは、たまに「打首獄門」という判決が言い渡されるシーンがあった。しかし厳密に言えば、これは「頭痛が痛い」言い回しである。獄門とは斬首された者の首を晒し物にする事であるから、この言葉にすでに打首の意味が含まれている。打首に処されていない者を晒したところで、獄門とは言わないのだ。

 とは言え、打首獄門という言葉には独特のインパクトがある。「獄門の刑に処す」と言われるよりは「打首獄門!」と言い切られた方が非情な感じがあって良い。そら「打首獄門同好会」なんてバンド名があるはずだ。

 首を斬り落とすという行為には、時代や洋の東西を問わず神秘的な意味があるのだろう。『鬼滅の刃』の鬼は日輪刀で首を落とされると死ぬし、ゾンビは頭をショットガンで吹き飛ばされると動かなくなる。吸血鬼は首を斬り落として両脚の間に置くと死ぬらしい。ゲームなどに出て来るアンデッドも首を落とされるとアウトになるものが多い。首が胴体から離れると言えば中国の妖怪「飛頭蛮」であるが、これは首が離れている間に体を隠すと狂い死にするそうだ。

 事ほど左様に、断首とは人間の持つ「死」のイメージに直結している。どんな無敵の怪物も、首さえ落とせば一発で倒されてしまうものなのだ。そういえばヤマタノオロチも首を落とされたのだったな。

 ところがその断首を、自ら選択する生物があるという。狂った人間というオチではない。ウミウシだ。8日付のアメリカの科学誌カレント・バイオロジーに発表された論文によると、奈良女子大の大学院生が、「コノハミドリガイ」「クロミドリガイ」という2種のウミウシで自ら断首し、しかもそこから再生する事を確認したという。

 より具体的に言えば、この2種のウミウシは頭部と胴体部を自ら切り離し、そして頭部の方から、心臓など内臓全部を含めた胴体部を再生させる事ができる。ちなみに胴体部から頭部が再生する事はない。つまり増殖に使う機能ではない訳だ。胴体部に寄生生物が入り込んだときなどにこれが行われると考えられるらしい。

 トカゲが尻尾を切ったり、昆虫が脚を外したりする「自切」は自然界ではまま見られる事であるが、胴体部の自切は珍しい。どう考えても胴体部の方が体積が大きい訳だし、何より心臓まで再生できるというのが人間的感覚で考えると凄まじい。ほとんど物語に出て来る魔物と言える。心臓を貫いて「やった!」と思ったら、ニヤリと笑うヤツである。どこぞのマッドサイエンティストが謎の放射線でこのウミウシを巨大化させて人間を襲わせたりしない事を祈るばかり。


 昔から「人を呪わば穴二つ」と言う。他人の死など、そうそう望むものではない。それは人間としての誇りと品格にかかわる行為である。と、理解はしているのだが。

 シリアのアサド大統領夫妻が新型コロナの検査を受けて陽性反応が出たらしい。疫病は平等である。いかに絶大な権力を保持していようと、それだけで回避できるものではない。銃もミサイルも守ってはくれないのだ。ガンバレ新型コロナ、と心の隅で思ってしまうのは、人として浅ましいのだろうか。


 警備会社大手のALSOKこと綜合警備保障が、大木製薬と提携して空間除菌用品「ウイルオフ」シリーズを販売しようとしていたのだが、メディアから突っ込まれて事実上販売を中止した。「意図せず消費者に誤解を与える恐れがあると判断」(朝日新聞)したためとの事だが、誤解させるそれこそが目的だったのではないか。

 新型コロナで世の中が混乱している、いまならこういうの出してもバレないんじゃないか、みたいな。綜合警備は認めないだろうが、そういう悪意があったとしか思えない。企業としての社会的責任云々以前の話である。人々の命や健康を金儲けの手段としか考えないような企業がホームセキュリティとかぬかしているのだ。怖い怖い。


 アフリカの国、赤道ギニア共和国は、ガボンの北西、カメルーンの南西にある小国であり、ギニア共和国とはまったく別の国だ。7日、この国の商業都市バータにある軍基地で、4度に渡って大爆発が起きた。この爆発事故でテオドロ・ヌゲマ・オビアン・マング副大統領は8日、死者が98人、負傷者が615人となった事を明らかにした。

 原因は基地周辺の農家が野焼きをしていた火が、基地内で杜撰に管理されていたダイナマイトなどに引火した模様。これにより基地だけではなく、周辺の建物も倒壊、炎上し、被害が拡大している。

 何と言うかかんと言うか。目も当てられないとはこういう事を言うのだろう。被害者はまだ増えるかも知れない。何とか収束してほしいが、いったい誰が収束させるのかが問題である。


 アマゾンジャパンが、Amazonプライム出品者に対し、平日以外の土日も出荷する事を義務づけた模様。出品者からは抗議の声が上がっているという。

 まあAmazonとしては、少しでも早く届ける事にプライムの価値があると思っているのだろうし、ある意味要求は当然なのかも知れない。それが嫌な出品者は、楽天にでも乗り換えるしかないのではないか。

 他にも北海道や沖縄、離島を除く全国への出荷義務を課し、配送時間の目標値も導入するそうだ。これに対応できない業者は、優良業者を示す「プライム」の認定から外す方針であるという。個人で細々とやっているような零細業者は、どれだけ質の高い仕事をしていてもプライム認定してやらないという事なのだろう。土日でも祝日でもシフトで回せる規模の企業だけ相手にしてやる、と。

 まあ殿様商売だわな。最大のシェアを確保しているAmazonだからできる事だ。これが気に入らないユーザーはヨドバシとか楽天を利用するしかない。ただ現実問題として、ネットで電化製品ばっかり買う訳ではないからな。Amazonを完全に外して生活するのは、おそらく虫けらには不可能である。そのくらいAmazonに生活を侵食されている。これはこれで怖い事ではあるのだが、どうしようもない。


 中国の習近平政権は「汚職撲滅」の美名の下に政敵弾圧を行ってきたが、北京で開催中の全国人民代表大会で中国最高人民検察院の張軍検察長は8日、汚職で2020年に立件された公務員は、前年比18%減の1万9760人だったと発表した。

 汚職が減ったという事は、汚職の汚名を着せられた者が減ったという事であり、すなわち習近平主席に反抗的な勢力が減少したという事である。中でも元省トップなど閣僚級の起訴は前年より4人少ない12人となり、2018年と比べると6割以上減ったそうだ。もう習近平氏を脅かす存在は、国内から一掃されたと見るべきであろうと読売新聞は伝えている。

 何だろうな、微妙に秋波を送っているような記事である。書いてある内容は実際に全人代で発表された数字なのだろうし、別に習近平政権を賞賛するつもりなどないと読売新聞は言うだろう。でもな。一般国民としては一応気をつけておいた方が良いと思うところ。メディアは外国勢力から最初にターゲットにされる機関なのだから。


 本日はこんなところで。はあ、しんど。

 昨日は700文字ほどしか書けていないはず。目先は変えたのだがな、なかなか調子が上がらない。まあ、とりあえず頑張ろう。他にできる事もないしな。

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