第497話 2021/2/22 本日休業

 本日は12時起き。ふんがー。昨日は夜中まで気温が下がらなかったので、もう暖房はいらないだろ、と切ったまま寝たのだが、それが悪かったのか。まったくやる気が出ない。そんな訳で本日はお休み。


 夢を見た。何か写真を印刷するらしいのだが、とにかく結構大きな会社に勤める事になった模様。ちゃんと物語の序盤からスタートする夢というのも珍しい。社員寮のようなところに入所したものの、そこは目隠しで細かく区切られただけのデカい一部屋で、いくつものベッドが並んでいる。虫けらの斜め向かいには、どう見ても小学生くらいの男の子がいた。


 その部屋に案内してくれた同僚の女の子は長い黒髪の綺麗な人だったのだが、笑うと歯が見える。ドリルで穴だらけにされた歯が。しかし虫けらはそんな事など気にもせず、ただ「ずっと会社務めなんかしてこなかったのに、大丈夫だろうか」という心配ばかりしていた。


 翌日は仕事の初日。虫けらは部屋の隅でじっとしたまま一日を過ごした。そして次の日、目が覚めたら出勤時刻を大幅に過ぎている。「ああ、やっぱり自分はダメなんだ」とガッカリした虫けらは会社に行くのをやめた。買い物に行こうと思ったのだが、部屋の入り口に向かうと、そこに買おうと思っていた物が大きなビニール袋に入れられて置かれていた。仕方なしにそれを持ってベッドまで戻る。


 ふと思い立った虫けらは、部屋の奥に向かった。何があるのか知らなかったからだ。奥に行くと、「こんなテントに住んでるのかと思った」という声が聞こえてそちらを見ればテレビがあり、キャンプしている人々が映っている。そして「片目の男が襲いかかり……」とニュースを報じていた。


 この片目の男、夢のどこかで見た記憶があるのだが、どのタイミングだったのかは思い出せない。水泳帽をかぶって上半身裸の、60歳くらいの男だと思う。


 部屋の奥はまだまだ向こう側へと続いている。しばらく歩くと、広い空間に出た。カーテンで四角く区切られた場所があり、その周囲には何もない。それを見て虫けらは何故か「病院みたいだ」と思った。カーテンの下の隙間からのぞき込んだが何も見えない。そこでカーテンを開けて中に入ったが、やはり何もない。と、気配がしたので振り返ると、カーテンの隙間から、看護師に車椅子を押されている老婆の姿が目に入った。


 ベッドに戻った虫けらに、件の髪の長い女の子が話しかけてきた。結構長い時間話したように思うのだが、会話の中身はまるで覚えていない。ただ、最後に彼女がニイッと大きく口を開けて笑ったのは覚えている。穴だらけの歯が忘れられない。


 とりあえずこんな夢だった。たぶんフロイトでも「帰れ」と言うだろう。我ながらよくこんなに覚えているなと感心するが、途中で何度か目が覚めたにもかかわらず、そのたびに続きを見せられたからな。何か意味があるんだろうか。夢の中ですらマトモに働けない自分というのは軽くショックだった。おそらくは相当なコンプレックスなのだろう。


 全体に渡って空気が重苦しく、ずっと小さな耳鳴りがしているかのような感じ。まあ悪夢と言っていいのではないか。とにかく疲れた。もの凄く疲れた。眠った意味があるのかこれ、と思うレベルで。スーツを着て電車の駅に立っているシーンも記憶にあるのだが、どこに挟まっていたのかは思い出せない。しかし夢にしては全体的にまとまった物語があるように感じられる。他の悪夢と比較すればという前置きは付くが、あまり突飛な展開もなかった。想像力の範疇にある振れ幅だと言える。


 夢に見る物語というのは、別の世界を生きている自分の姿なのだという話は随分昔からあるが、こういう夢を見ればそんな気がする者もいるだろうな、と感じた次第。でもせめて夢の中くらい、完全無欠のスーパーマンでもよさそうな気がしないでもないのだけど。夢にリアル指向は求めていない。


 本日はこんなところで。調子が悪い。アイデアが思い浮かばない。はあ。でもここを乗り切らないとな。何とか頑張ろう。何とか。てな具合で、ずっと頭をパンパンにしているから悪夢とか見るのかも知れないが。

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