第459話 2021/1/15 ランサムウェアとか

 本日は10時半起き。寒くない……訳はない。最高気温が12℃か。感覚がおかしくなっているので暖かいような気になってしまうが、実際には寒い。裸でいれば風邪をひく。おとなしく暖房の効いた部屋に閉じこもっておくしかない。

 それはそうと、イカの姿揚げを1キロ買った。米1キロとか砂1キロだとたいした量ではないのだが、イカの姿揚げは軽いからな、1キロというのはかなりの体積である。正直デカい。これは食べきるのに相当な日数がかかるだろうなあ、と思わせるほどの迫力がある。

 で、昨日着いて、昨夜寝る前には四分の一ほどなくなっていた。4日しかもたないのか。ちょっと胸焼け気味な一日の始まり。


 昔から「蛙の子は蛙」という。「蛙の子はオタマジャクシではないか」というツッコミが入る事もあるが、蛙とオタマジャクシは別種の生物ではないので、この指摘は当たらない。どこまで行っても蛙の子は蛙なのだ。

「卵が先か鶏が先か」と言われたり、「トンビが鷹を産む」のではないかと考えられたりするものの、それでも鶏の子は鶏であり、トンビの子はトンビである。同様に犬の子は犬であり、猿の子は猿であり、人間の子も人間である。

 ただし人間は猿の一種であるから、人間の子が猿の子であるかのような振る舞いをしても何もおかしくはない。この辺、自然は四角四面ではない。常にグラデーションがあるのだ。

 ところで話はまったく変わるが、「ランサムウェア」という言葉をご存じだろうか。思いっきりベタに「人質ウイルス」という言い方をする人もいる。企業や個人のコンピューターシステムの中に入り込んで、大事な情報にアクセスできなくしてしまう。そしてその情報を「人質」にして、金を支払えば情報を返してやるというのだ。現代のコンピューター社会においては、大変に面倒臭く厄介なモノだ。

 昔は人質にされるのは、文字通り人だった。金持ちの子供が誘拐されて身代金を支払えと脅される。しかし実際に身代金を支払っても、人質が無事に帰ってくる可能性は極めて低い。それはそうだ、犯人につながる情報を持っているのだから、普通に考えて生かして返すはずがない。誘拐とは極めて悪質で卑怯な犯罪であるが、ランサムウェアはこれの「子」と言える。従ってランサムウェアの場合にも、金を支払ったところで情報が返って来る保障などない。

 誘拐は旧約聖書にも出て来るそうだし、仏教神話の鬼子母神も誘拐の話である。おそらく有史以来連綿と続いてきた、ある意味人間社会の伝統文化とも言えるのではないか。この先遠い未来になっても、何らかの形で残り続けるような気がする。

 さて、インドネシアのバリ島には多数の仏教寺院が建ち並んでいるのだが、その一つ、ウルワツ寺院に棲み着いているカニクイザルは、観光客の隙を見て持ち物を奪うだけではなく、それを「人質」とし、相応の対価を支払わなければ返さない、という行動を見せるらしい。

 ただ闇雲に何でもかんでも奪うわけではなく、その人間にとって価値が高いであろう物を見定めて奪い、その価値に相応しいと判断した量なり質なりの食べ物を与えられない限り、それを放さないのだそうな。カナダのレスブリッジ大学とインドネシアのウダヤナ大学がイギリスの科学誌ロイヤル・ソサエティに11日発表したもので、研究チーム曰く、

「価値に基づく物品の保持と、亜成体(幼体と成体の間の発達時期)および成体のサルが拒んだり受け入れたりする餌の見返りの量や質との間には、明らかな行動的関連性」(CNN)

 があったという。

 まあ、野性のランサムウェアというか、人間と接する事で「誘拐」が有効である事を学習したのだろう。言い方を変えると、学習すれば猿でも誘拐を行うのだ。人間が学習の末に誘拐を行うのは猿の時代から受け継いだ遺伝子のなせる業なのかも知れない。所詮、蛙の子は蛙、猿の子は猿なのだ。人間は自分たちを特別扱いする癖をいい加減見直した方が良いような気がする。


 15日、インドネシアのスラウェシ島でマグニチュード6.2の地震が発生し、ホテルや病院が倒壊した。

 国家防災庁の報道官は「3人が死亡し、24人が負傷した」(AFP)と述べた模様。今後被害が増える可能性はある。余震もあるだろうし、しばらくは注意が必要と思われる。現時点で日本人の被害の報道はない。

 日本から見れば遠い海の向こうの話なのだが、地球規模で見ればすぐ隣の事とも言える。明後日は阪神淡路大震災から26年である。単なる偶然であってくれれば、という心配はオカルトなのだが、ついつい思ってしまうところである。


 我々は迂闊に、簡単に、そして希望を込めて「国際社会」という言葉を使ってしまいがちである。しかしそれは軽率な事ではないか。本来軽々に口にすべき言葉ではないのではないかと思うところ。

 内戦の続く中東の国シリアで12日夜、18回に渡って空爆が行われた。実行したのはシリア政府軍、ではない。もちろんシリア軍の後ろ盾であるロシア軍でもなければ、反政府勢力でもない。爆撃したのはイスラエル軍である。

 武器庫や軍の陣地を狙ったこの空爆で、シリア政府軍の14人、イラク人の民兵16人、親イラン部隊「ファーティマ旅団」のアフガニスタン人隊員11人、その他16人の合計57人が死亡したという。

 おそらくはファーティマ旅団などイランの影響下にある勢力に対する攻撃だったのだろうが、普通に考えて、シリアが内戦状態になければイスラエルと全面戦争になってもおかしくないレベルの大規模な攻撃である。言い換えれば、いまのシリアであればこの規模の攻撃を仕掛けてもまともな反撃らしい反撃もできないだろう、というのがイスラエル側の判断であったと言える。

 これに対し、アメリカはどう動くか。EUは、あるいはロシアや中国はどう動くだろうか。おそらくは誰も何もしない。死んだ57人はただ死んだだけである。殺害されたという事実すら一瞬で忘れ去られる。国際社会とはそういうものであり、それを前提としなくてはならない。

「国際社会における日本の立場」とか「国際社会で北朝鮮に圧力を」とか「国際社会で協力して中国の封じ込めを」とかいうのを考える事それ自体は無意味ではない。考えなければイロイロ困る事態も出てくるだろう。ただ、我々が期待するほど国際社会は力など持ってはいないし、清廉でもない。自分たちの利益のためなら日本人の命が失われようと知った事ではないのだ。

 そちらへの目配り気配りは行いつつ、だが結局最終的には自分たちの身は自分たちで守らねばならない事を頭の隅に置いておく必要はあるだろう。期待しすぎてはいけない。『鬼滅の刃』ではないが、生殺与奪の権を国際社会に握られる事など、あってはならないのである。


 本日はこんなところで。はーーーーーーーあ、ため息ため息。調子が良いとは言い難いが、まあ寒すぎて凍えるほどではないしな、ボチボチやるか。

『鉄塊鬼アイアンロック』は本日更新。2話ずつ更新するのなら週2回更新にすればいいんじゃないかと思わなくもないのだが、それだとド忘れしてしまう事が絶対あるだろうしな、とりあえず当面現状のままで行こうと思うところ。

 昨日は何とか2500文字ほど書けた。今日も頑張りたい。

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