第378話 2020/10/26 小ネタ集

 本日は10時起き。晴天。気分は軽いが体調は悪い。やれやれ。

 しかし昨日は危なかった。『魔獣奉賛士』を書いている途中、重要な設定をド忘れしてた事に気が付いて、慌てて直せる部分を書き直した。ヤバいヤバい。かなりボケている。まあいいや、何とかなるだろう。何事もポジティブシンキングである。

 そんな訳で本日は小ネタ集。えーい数で勝負だ。


 アフリカ大陸西部の国ナイジェリアと言えば、いま世界貿易機関(WTO)の事務局長戦を韓国と争っている。日本はナイジェリアの候補を支持するらしいが、そのナイジェリア政府には国民から批判の声が上がっているようだ。

 中部ジョスにある政府の倉庫を24日、数千人規模の集団が襲撃、食料を略奪した。襲撃とか略奪とか穏やかでない。また反政府ゲリラか何かかと思うかも知れないが、そうではない。襲撃したのは普通の市民である。

 ナイジェリアでは先頃新型コロナウイルスの感染拡大を受けてロックダウンが行われたのだが、その際に政府は国民に食糧を配給すると約束していた。ところが実際には食料の配給は滞り、食料価格は上昇し、多くの国民が飢える事となった。しかし配給する食料がなかった訳ではない。このジョスの政府倉庫には、それが保管されていたのだから。

 略奪に加わった民衆からはこんな声が聞こえている。

「当局はロックダウンの間に食料を隠していた。この国の政府は一体どうなっているのか、大勢の人々が飢え死にしているのに」

「当局はこうなる前に食料を配給すべきだった」

「貧しい人間はどうやって生き延びたらいいのか」(以上AFP)

 いまから100年ちょっと前、日本でも米騒動があった。国状も時代も違うのでまったく同じではないが、構図としては似たり寄ったりである。これは決してアフリカだから起こる事ではない。いつかまた日本でも起こる可能性はゼロではないのだ。そうならないよう、せめて食料を無駄にしない事くらいは心がけたい。


 全日空を傘下に持つANAホールディングスが明日27日に事業構造改革案を発表するのだが、その内容を読売新聞がすっぱ抜いた。もちろんコレが当たっているのかどうかは明日になってみないとわからないのものの、とりあえず記事の内容を信じるなら、人件費を削減するためにグループ全体の社員を3500人程度減らす方針らしい。と言ってもクビにする訳ではなく、定年退職による自然減や転職支援、採用の凍結で実現を図るとのこと。またそれ以外にも、トヨタ自動車などに出向させる模様。

 出向先がトヨタ自動車って何か凄い世界だな。普通トヨタに入りたいと思っても入れてくれないのだが、ANAの社員なら受け入れてくれるのか。まさか地方工場に回される訳もないだろうし、当然本社勤務だろう。へーえ、って思う。何とも格差社会であることよ。


 昔、といってもすでに虫けらが生まれていた時代においても、日本はまだ公害大国であり、川や海には生活排水や工業廃水が流れ込み、ヘドロが溜まり悪臭が湧き出し、海水浴場の水が茶色いのは当たり前だった。しかしそれも過去の話。いま川にも海にも公害を想起させるようなところはなく、海水浴場の水も透き通っている。それもこれも徹底した公害対策の結果である。

 しかし昔は公害対策の技術などないに等しかった。それを新たに開発し、継続して導入した結果が現在の日本である。中国などは「昔はアメリカも日本も公害を垂れ流していたではないか。なのに中国の公害対策が不十分だと責めるのはおかしい」とか屁理屈をこねるが、現代は公害対策技術がすでに存在する世界である。中国であれインドであれ、政府にその気があるのなら公害対策はすぐにできるのだ。なのにやらない。責められるのは当然であろう。

 ただそんな進んだ公害対策の結果、ちょっとした副作用が起きている。川から海に流れ込む水が綺麗になりすぎて、魚や海藻の生育に悪影響が出ている模様。日本の工業化が進む前なら、陸地のミネラルが川を通じて海に流れ込んでいた。しかしコンクリート護岸が整備され、雨水もコンクリートの用水路を流れる現代では、川の水にミネラル分は少ない。家庭から出る生活排水は、ある意味それを補っていた部分があるのだが、それも下水道の発達で浄化されてしまっている。結果、海が綺麗になりすぎて魚も海藻も住めなくなったのだ。この現象は瀬戸内海でも大阪湾でも起きている。

 環境省は来年の通常国会に瀬戸内海環境保全特別措置法――何でも法律があるものだ――の改正案を提出する方向で検討しているそうだ。下水処理場の運用を調整したり、ダムや溜め池に溜まった泥を川に流すなどイロイロ考えているらしい。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とはよく言ったものである。上手い解決策が見つかると良いのだがな。


 虫けらの使うプリンタはエプソンの複合機であるが、インクは互換品である。故障するかなとも思ったものの、もう古いし、故障したらそのときはそのときだと安い互換インクを突っ込んだらそのまま使えた。まあほとんど黒でテキストしかプリントアウトしないしな、高い値段を出して純正を買う必要もないかと考えている。

 そんな互換インクのメーカーであるエコリカが、プリンタメーカーであるキヤノンを27日にも訴えるのだそうだ。訴訟の理由はキヤノンがプリンタインクのICチップの仕様を変更し、純正品しか使えなくしたのは独占禁止法が禁じる「競争者に対する取引妨害」にあたるというもの。うん、筋が悪いよな。

 キヤノンは市場の独占などしていないし、そもそもエコリカは競争相手ではない。ユーザーはプリンタを購入する際、キヤノンであろうがエプソンであろうがブラザーであろうがヒューレット・パッカードであろうが、自由に選ぶ事ができるからだ。インクは消耗品ではあっても、事実上そのプリンタの部品でしかない。ネジや液晶や基板の仕様を変更して、違法となる理由はあるまい。エコリカはその競争がないはずの部品の分野に勝手に割り込んできて、自分たちの部品を使わせないのは違法だと主張しているに過ぎない。

 確かに互換インクは安くて便利であるし、消費者の味方だとは思う。しかしだからといってどんな理屈でも通る訳ではない。キヤノンのプリンタにどんなインクを使わせるのかを選ぶ権利はキヤノンにある。エコリカが独自にプリンタを製造して、それに自社のインクを使っている事にキヤノンが文句をつけてきたというなら話は別だ。だがそうではあるまい。

 エコリカがキヤノンのプリンタに使えるインクを販売したいと思ったのであれば、まずキヤノンに相談すべきだった。それでキヤノンがNOと言ったのなら、諦めるべきだった。そうしなかったのはキヤノンではなくエコリカである。責任の所在は明確ではないか。

 ビジネスチャンスは多い方がいい。ビジネス環境は自由であった方が良い。それは確かにそうだ。だが、自由と勝手は違うのではないかと思うところ。


 24日、50番目の国ホンジュラスが批准した事により、核兵器禁止条約は来年1月に発効される運びとなった。しかし日本は批准していない。これを批判する声もあるが、批判している声の中に、この条約を批准したら日本がどうなるのかについて言及しているものはほとんどない。

 核兵器禁止条約とは、簡単に言えば核兵器の存在を違法化する条約である。それを批准するという事は、アメリカの核の傘を否定する事である。そこを否定してしまえば、日米安保など成立しない。つまり在日米軍を日本から追い出すという事になり、日本の国防は日本単独で担わなくてはならなくなる。しかし在日米軍がいなくなっても北朝鮮や中国やロシアが消えてなくなる訳ではない。ならば日本は自衛隊を増強するしか手段がなくなる。つまり軍事大国化である。虫けらは、それはそれで一つの選択肢であるとは思うのだが、核兵器禁止条約を批准しろと主張する人々は、これを受け入れられるのか。

 日本国外にいる人々がこの点を考えずにどうこう言うのはまあ仕方ないが、日本国内のメディアがこの点について知らん顔をしているのはどういう事だ。特にNHK。あまりに無責任ではないのかと思う次第。


 アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は公開10日で興行収入107億円を超えたらしい。もの凄い大ヒットである。まあいろんな要因が重なっての現状なので、何故こんなに人気なのかを考察してもあまり意味はない。ただ創作者の一人として思うのは、物語には「斬新さ」などたいして必要ではない現実を、この現象はよく表しているのではないかという事である。

「斬新な物語を」、「いままでにないアイデアを」、いろんな賞の応募要項を見るとよく書かれている言葉であるが、何故こうも斬新さを求めるのかがさっぱりわからない。斬新でなければ意味がないとでも思っているのだろうか。

 鬼滅の刃はアニメーション表現の鮮烈さが人気を得た一つの理由かも知れないが、そこに斬新さはない。原作にもアニメーションにも、絵的にも物語的にも、これといって目新しい、これまでにない部分は見当たらないはずだ。つまり既存のパーツを組み上げても、面白ければ受け入れられるし、商売にだってなるのである。なのに盲目的に斬新さを求めるのは、思考が停止しているように思えてならない。

 出版不況だ何だと言われているが、売れるものがあれば売れるのである。クリエイター視点での斬新さとか、どうでもいい事を創作者に求めているから売れないのではないのか。そもそも斬新さなど、この世に生まれ出た瞬間から古びて行くものである。それは一つの評価基準ではあっても、絶対的に重要なものではあるまい。今回の鬼滅の刃の大ヒットで、何かが変わってくれるといいのだが。


 本日はこんなところで。昨日は全然まったくダメだった。今日こそは、今日こそはと毎日思っているのだがなあ。なかなか調子が上がってくれない。はあ、とにかく今日も1文字でいいから書けるように頑張ろう。

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