第353話 2020/10/1 知能とか

 本日は4時半起き。今日は買い物とかイロイロしなきゃならんので、時間に余裕があるのは助かる。荷物も受け取らないといけないしな。体調は完璧にはほど遠いが、少なくとも悪くはない。まあ何とか大丈夫だろう。とにかく一日、無事であれば良いのだが。


 人間は人間以外の動物を見るとき、やたら知能にこだわる。「○○は5、6歳児なみの知能を持つ」なんて話題がメディアで取り上げられたりTwitterに投じられたりすると、凄い勢いで反応が広がる。だが冷静に考えて、人間以外の動物が人間に近いレベルの知能を持っていたからって何だと言うのだ。「凄い! 頭いい!」などと喜んでいる自身の頭の悪さを理解しているのだろうか。

「人間以外の動物には知性などなく、感情も持たない」という考え方の源流はキリスト教などの俗に言う『アブラハムの宗教』的価値観である。この世界で神のすぐ下の座、すなわちすべての動物の頂点、いわゆる「万物の霊長」の地位を人間に約束するためには、他の動物はあらゆる面で人間よりも下等でなくては困るため、信徒にそう教えたのだ。しかしアブラハムの宗教以外のより素朴な信仰では、人間以外の動物に知恵があることなど当たり前だった。

 たとえば日本では昔、「猿は頭の毛が三本足りない」と言われていた。これはつまり毛が足りない分だけ頭も足りないという猿を馬鹿にした言葉なのだが、言い換えれば人間より少し足りない程度の頭がある事は常識だったのだ。因幡の白ウサギ、桃太郎に浦島太郎、舌切り雀や聞き耳頭巾など、動物が人間のように考え、人間と会話する物語は日本にはたくさんある。

 無論、西洋にもない訳ではない。イソップ童話やアンデルセン童話には、動物が人間のように考え、会話する物語がたくさん集められている。しかしキリスト教はそれら民間伝承を単なる寓話であるとして、キリスト教的な「正しい考え」よりも一段下に規定していた。そのためキリスト教圏の学者は長年、動物は意識も感情も持たない「機械的に動く肉の塊」であるかのように考えてきたのだ。

 それがここ最近数十年ほどで、様々な学術的証拠によって動物にも人間のような意識や知能が存在する事が疑いようのない事実として認識されるようになると学者たちは手のひらを返し、どの動物に人間で言えば何歳レベルの知能が備わっているのかを問題にするようになった。クジラはどうだ、イルカはどうだ、オウムは、カラスは、犬や猫は、チンパンジーは、片っ端から知能を計測し、人間と比較した。

 言うまでもなく当然の事だが、動物はみな自然界で生き抜くための様々な武器を持っている。知能の高さはその一つでしかない。比較的知能が低い動物も、それ以外の武器を持っている。すなわち知能が高いから、頭が良いから、人間の作ったパズルが解けるからといって自然界で優位に立てる訳ではない。より強い武器を持っている捕食者の前では、「人間レベル」の知能も蟷螂の斧なのだ。

 人間は人間に都合の良い、人間にわかりやすい知能の高さを見せる動物に対して「凄い」「賢い」と言うが、それはナチュラルな差別思考である。自分は動物たちより上の立場に居る事が当たり前という大前提の下に相手を見下しているからこそ出て来る感想だからだ。しかしその大前提はただ自分が人間に生まれたという事実にのみ支えられているものであり、本人が実際のところどの程度知能が高いのかという客観的なデータに基づいたものではない。芸をする犬を褒められるほどの知能が常に飼い主にあるとは限らないのだ。

 さて知能の高さを動物の分類に照らし合わせてみるとき、一般的には哺乳類の知能が高いと思われているのではないか。だが実際のところ、分類による知能差は考えられているほど大きくはない。魚も昆虫も爬虫類も、かなり複雑な思考力と高い知能を持っている。中生代の獣脚類の直系の子孫であり、哺乳類同様恒温動物である鳥類に至っては、人間よりもシンプルな構造の頭脳を持ちながらも人間に近いレベルの高い知能を持っているとされている。

 その鳥類の中でもとりわけ頭が良いとされる東西の両横綱が、カラスの仲間とオウム・インコの仲間であり、さらにインコの中でもトップクラスに頭が良いと言われるのが、アフリカン・グレイ・パロット、和名をヨウムという。

 数日前、イギリスのイングランド東部にあるリンカシャー野生動物公園に、5羽のヨウムが寄贈された。5羽は別々の飼い主に飼われていたのだが、たまたま同じ週に引き取る事になったらしい。そして一般公開を前にして、5羽を同じ隔離施設に入れたところ、人間の言葉を使って互いに他のヨウムを罵り始めたという。中にはお馴染みの「Fワード」もあったそうだ。

 そして一般公開が始まると、ヨウムたちは観客に向かってその罵声を浴びせた。観客たちは面白がったそうだが、子供への影響を鑑み、動物公園は5羽のヨウムを引き離し、公共エリアから移動させたのだそうな。

 ヨウムはただ単語を真似るだけの鳥ではない。言葉に伴うシチュエーションを理解する。つまりこの5羽の飼われていた環境では、罵声が日常的に飛び交っていたという事だ。そしてヨウム自身にも、その汚い言葉が浴びせかけられたのだろう。とてもじゃないが、愛され、可愛がられていたとは思えない。彼らがどんな思いでその言葉を覚えたのかを考えると、胸が詰まる。せめてこれからは、静かに余生を送ってもらいたいと願うところ。


 アメリカのクラフト国連大使は29日、台湾政府などが主催したオンラインの会合に出席した。席上クラフト大使は「世界は台湾が国連に完全加盟することを必要としている」(産経新聞)と述べ、台湾の国連復帰を支持する考えを示したそうだ。もちろんこれは彼の勝手な言葉ではなく、トランプ大統領の意向であろう。

 この国連大使の発言に対し、中国は強烈な不満を表明しているらしいが、そもそも「一つの中国原則」というのがおかしいのだ。中華人民共和国は台湾を、法的にも軍事的にも経済的にも支配していない。そして台湾は独自のそれらをすでに保有している。ならば別の国と考えるのが普通であろう。

 現状で台湾を中国の領土であるとする根拠がどこにあるのか、まったく不明と言える。中華人民共和国は中華民国の後継国家であり、第二次大戦後に台湾を中華民国が実行支配したから、台湾は中華人民共和国の領土である、という理屈なのではと思うのだが、少々話が飛躍しているように思う。

 果たして台湾を国連に加盟させる事に意味があるかどうかはわからないが、中国共産党が嫌がるのならやった方が良いのかも知れない。トランプ大統領のこの辺の行動は、理屈よりも勘のような気がするが、もしそうならそれは当たっているだろう。どうかこの方向で進んで頂きたいと願う。


 何やら東京証券取引所でシステムトラブルが発生し、全銘柄の売買が停止しているそうだ。この影響で札幌、名古屋、福岡の取引所も停止しているとのこと。大阪証券取引所はシステムが独立しているから、直接的な影響は受けないのではないか。

 とりあえず東証ではTOPIXや日経平均株価も算出されず、全面的に停止している模様。間接的に海外の株価に影響が出るかも知れない。システムトラブルの原因はまだ不明。セキュリティ関連の問題でなければ良いのだけれど。


 本日はこんなところで。昨日は1300文字ほど書けた。今日中に更新できるかどうかという感じ。できるといいのだけれどな。

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