第338話 2020/9/16 広告とか

 12階建ての病院の最上階にある広い大部屋に住んでいる。入院しているのではなく、住んでいるのだ。何らかの病気は持っているらしいが、入院するほどではないのに、ずっと病院に暮らしている。エレベーターはよく故障しているが、10階にある食堂くらいにしか行かないのでさほど困らない。階段の広い踊り場には自販機があったり何かのトロフィーが飾られていたりする。12階には病室だけではなく、住人(患者?)同士の懇談室もある。ある日食堂から戻ってくると自分のベッドが急患のために移動させられて、スタッフが仮設のベッドを組み立てていた……というところで目が覚めた。

 ところどころスケール感がおかしかったりしたものの、全体的に随分とリアルな夢だった。それを起きてからもしっかり覚えているのが珍しい。予知夢とかでない事を祈るが。


 チビ、デブ、ハゲは昔からワンセットのように扱われる、主に男性に向けての罵倒語だが、この中でデブだけは差別語ではないという説がある。理由はデブだけは本人の努力で何とかなるからだという。だが言うほど何とかなるか? という気がしないでもない。

 デブを解消するのは大変だ。一日全体の作業効率を著しく低下させるほどに厳しい節制に取り組まなくてはならない。普通に仕事をしている人間にはかなり困難ではないだろうか。「健康管理は各人の責任」などと会社は言うが、その健康管理のために仕事をいい加減にしても構わないという職場はあるまい。

 仕事を満足にこなすためにはエネルギーを補給しなくてはならないし、精神的な充足感も必要だ。豆腐ばっかり食ってる訳には行かないだろう。それに人間の体質には個体差がある。太りやすい、痩せにくい体質は少々カロリーセーブしたところで変わってはくれない。下手なダイエットをすれば、体重は落ちないわ仕事はできないわで大変な事になる。なので言うほど本人の努力次第ではないように思えるのだ。

 それに、ある意味努力次第で何とかなるのはハゲも同じと言える。無論、根性で毛は生えないが、金さえ払えれば植毛という手段がある。そこまで大袈裟でなくても、カツラで隠す事もできる。頑張れば何とかできなくはない。

 また、ハゲについては様々な治療法が開発されつつある。特定の種類のハゲについては医学療法で改善が可能とも言われているし、増毛効果のある薬品も複数種あるという。そう遠くない将来に、本当に本人の努力と財布次第でハゲはなくせるようになるかも知れない。そうなれば、ハゲは差別語ではなくなる。ただし現時点においては、「あっというまに毛がボーボー!」みたいな薬品の広告は、基本的に嘘である。信じない方がいい。

 さて昨日15日から気象庁のサイトでは民間の広告が掲載されるようになった。少しでも予算の足しになるようにという苦肉の策である。広告はカクヨムにも掲載されているが、まあサーバーの管理もタダではできないからな。小銭稼ぎに走るのは、ある意味当然とも言える。

 しかしその気象庁サイトの広告は、僅か1日で削除されてしまった。気象庁は広告を掲載するに当たって何でもありにするのではなく、基準を設けているのだが――そりゃそうだわな――どうもそれに引っかかったらしい。NHKがその広告バナーの映った画面を報じている。ぼかしているのでハッキリとはわからない。わからないが、これたぶんハゲ広告だろう。「○週間で毛がこんなに!」という類いのヤツである。

「法律に違反したり、事実と誤認したりするような不適切な内容を含むものは、掲載できない」

 という基準があるのだとNHKは報じている。ハゲ広告が法律に違反しているかどうかは不明だが、医学的根拠はないだろう。さすがにそんな物を国が運営するサイトで垂れ流しにする訳にも行くまい。当初は運営企業に個別に削除させていたようだが、いま現在は広告の掲示それ自体を停止している。再開するかは不明である。

 インターネットの広告運営会社などというのは、とてもじゃないが堅い仕事とは言えない。国家公務員とは水と油の世界である。これを継続するのなら、かなりの試行錯誤が必要となるだろう。しかし上手く行けば、他の省庁も追随するかも知れない。「坑道のカナリア」とまでは言わないが、試みとしては面白いのだ、イロイロ頑張っていただきたいと思うところ。


 さだまさし氏の『無縁坂』ではないが、「運がいいとか悪いとか」口にしたくなる事というのはあるものだ。14日、アメリカのジョージア州の州間高速道路で保安官が走行中の車を停止させた。すると車は停止したが、助手席にいた男が隙を見て逃走してしまった。付近を捜索すると男のバックパックを発見、中からPCとメタンフェタミン、そしてスクラッチ式のくじが見つかった。

 保安官事務所がこのくじを調べると、100ドル(約1万500円)が当たっていたのだそうな。そこでFacebookにこれを投稿、落とし主を祝福すると共に受け取りに来るよう呼びかけたところ、男がノコノコやって来たので、メタンフェタミンの所持容疑で逮捕した。保安官事務所はこう言っている。

「当たりくじは必ず返却するが、メタンフェタミンは押収したままだ」(CNN)

 まあ、そりゃそうなるわな。もしかしたらこの男は、100ドル当たった時点で運を使い果たしていたのかも知れない。果たして運が良かったのか悪かったのか。


 ドコモ口座の不正引き出し事件はますます大事になっているが、15日に高市総務相が記者会見で明らかにしたところ、ゆうちょ銀行において、ドコモ口座以外でも同様のキャッスレスサービス5社で似たような被害が発生している模様。その5社の名前は公表されていないが、PayPay、Kyash、メルペイがそれぞれ被害が出たと表明している。

 報道が正しければ今日発足する管新内閣では河野太郎氏が総務相に就任するはずであるが、初っぱなから何とも大変な事態を任される事になる。ここをどう切り抜けるかで今後の評価も変わってこよう。何とか頑張っていただきたい。


 そんな訳で本日衆議院と参議院において首相指名選挙が行われ、菅義偉自民党総裁が第99代首相として指名された。さて、日本はどうなるのやら。どうにもならんかな。


 今朝は最初4時くらいに起きたのだが、雨戸を閉めた真っ暗な中、胎内回帰願望とでもいうのか、とにかく体を動かしたくなくてじっとしていると、気付いたら11時だった。やれやれまったく。

 昨日は200文字くらいしか書けていない。まあ書けなかった事を引きずっても仕方ない。今日も可能な範囲で頑張ろう。

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