第318話 2020/8/27 小ネタ集

 本日は9時半起き。ぐあー、調子が悪い。全身に統一感がない。頭と体がバラバラになっている気がする。天気は悪いので幾分か暑さが和らいでいるのが救いだが、何とも言えない不快感に浸食されているこの感じ。どうにもたまらん。

 そんなこんなで、本日は小ネタ集。始まり始まり。


「馬脚を露わす」という言葉があるが、この場合の馬脚とは、厳密に言えば馬の脚の事ではない。芝居で馬を演じている者の脚というのが正しい意味なのだそうな。つまり馬役の演者の素足が客に見えてしまうような様子が馬脚の露われた状況と言えるだろう。この言葉の出典は中国、元の時代の古典劇『元曲陳州糶米』の第三折だというから、いわゆるメタネタのようなものだったのかも知れない。

 そんなモンゴル人に支配された時代の言葉は、現代の中国にも生きている。中国人民解放軍は26日の朝、内陸部の青海省、そして沿岸部の浙江省からそれぞれ中距離弾道ミサイルを1発ずつ、計2発を南シナ海に向けて発射したらしい。青海省から発射されたのは射程約4000キロのDF26、浙江省から発射されたのは射程約1500キロのDF16であるという。

 この前日の25日、中国は北部の飛行禁止空域にアメリカのU2偵察機が侵入したと非難しており、今回のミサイル発射はアメリカ軍に対する警告と見られる。やっている事がまんま北朝鮮である。さすが「図体のデカい北朝鮮」と呼ばれるだけの事はあるな。見事に馬脚を露わしている。自国に由来する故事成語を体現するとは、何と素晴らしい文化国家であろうか。軽く嫉妬するレベルと言える。

 ちなみにDF16、26共に空母をダイレクトに攻撃するだけの精度を誇るらしい。その情報を公開した中国側の意図はよくわかるのだが、少々稚拙であるように思える。アメリカの大統領周辺に優秀なブレーンがいれば、揚げ足を取られるだろう。いるのかな、と心配にはなるのだが。


 アメリカといえばイランが核合意に違反したとして国連制裁を復活させる、いわゆる「スナップバック」という措置を取るよう安全保障理事会に要請した件について、25日安保理の議長国であるインドネシアの国連大使は、この手続きを取るのは不可能であるとの見解を示した。

 まあな、アメリカは2018年に核合意そのものから離脱しているから、この要求はちょっと無理筋なのではないか。トランプ政権は深謀遠慮というものを知らない。常に出たとこ勝負である。それが関係国を翻弄し、良い方に転がる可能性もあるのだが、そう上手くばかりは行かないのが現実であろう。もう1期大統領を務めたいのなら、その辺を考え直してみてはと思うのだけれど。


 26日、千葉県のコンビニで32歳の店員が70歳の男性客を投げ飛ばすなどして大ケガをさせた事件があった。お釣りを渡すときに小銭がこぼれ、それを男性に注意されて激昂した模様。

 どちらが悪いかの二択で考えれば店員が悪いのは当たり前なのだが、たかだか釣り銭がこぼれた程度で文句を言う客の側に何の落ち度もないのかと言えば、そうでもないような気がする。もちろん暴力はいけない。ただ暴力というのは腕力に訴えるだけではない。言葉の暴力というのもあるのだ。どのようなやり取りがあったのかが不明な段階では、一概に店員を責められるものではないと思うところ。


 少ないが今日はこんなところで。昨日、久しぶりに昭和歌謡を代表すると言っても過言ではない大名曲『喝采』を聞いたのだが、ちょっと参ってしまった。わずか3分ちょっとの歌の中に詰め込まれた映画のようなストーリー。これに比べたら虫けらの書いている物語などスッカスカであると思わざるを得ない。

 知らない人はまず歌詞だけでも読んでみて欲しい。この歌詞に音楽がつけばどれほどの効果が生まれるか、ぞっとするほどである。歌という表現手段の恐ろしさを垣間見せられる。自分はこんな世界を描けるだろうか。そんな事を思った夜だった。

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