第265話 2020/7/5 職務怠慢

 本日は10時起き。薄曇り。まあ散歩に行く訳でもないのでどうでもいい。尾崎放哉の自由律俳句に「咳をしても一人」というのがあるが、その気持ちがわかる気がする。咳をしても一人、朝目覚めても一人、階段を下りても飯を食っても一人なのだ。

 空虚である。親が死んでもたいして寂しくなかったのに、犬が死んだら泣き叫びたくなるほど寂しい。狭いはずの家が広く感じて仕方ない。物を食べても新型コロナかと言いたくなるレベルで味がしない。完全に打ちのめされている。いままで犬が居る事を前提にすべての生活が動いていたのに、ある日突然その前提はもうナシですよ、などと言われて頭が納得できるはずがない。

 8年だ。8年も毎日あれをしようこれをしようと考えたのは、犬の喜ぶ顔が見たかったからだ。月に一度の通院を続けるのも、半年に一度検査を受けるのも、ぬか漬けを始めたのもザワークラウトを食い出したのも、自分が少しでも健康でなければ犬がつらい思いをすると考えればこそだった。生きる理由だ生き甲斐だと人は簡単に言うが、この8年、あの犬は本当に虫けらが生きる理由だったのだといま痛感している。それが8年だ。たった8年で取り上げられなくてはならんのか。何故だ。

 犬と暮らした事は後悔していない。100%完璧な飼い主ではなかったが、できる限りの事はしたつもりである。そういう意味で何かを悔やんでもいない。犬との生活が永遠に続くと思っていた訳でもない。でももう少し続けたかった。とりあえずいまは頭の中が真っ白だ。何もする気にならない。

 まあ、それでも書くのはやめないのだがな。他にすべき事もできる事もないのだから仕方ない。これもまた生きる理由の一つではあるのだ。


 フランスでは6月に統一地方選挙が行われた。投票率は40.5%と低調だったのだが、緑の党が躍進し、マクロン大統領の与党『共和国前進』は主要都市で敗北した。この選挙結果を受けて3日、フランス大統領府はフィリップ内閣の総辞職を発表した。フィリップ首相が辞表を提出し、マクロン大統領が受理した、という形になっているのだが、実際にどうであるかは外部からはわからない。

 ちなみにフィリップ首相は統一地方選挙でルアーブル市長選挙に立候補し、当選しているので、首相を辞めても無職になる事はない。なんじゃそら、と思う方も多いだろうが、フランスではよくある事らしい。有力政治家が市長選挙に立候補し、当選したら市長代行を任命するのだ。つまり候補者の人柄よりも与党に対する信任投票としての側面が優先されるのだろう。ルアーブル市では与党の指示が高い事がうかがわれる。

 ただ、それではフィリップ氏は今後ルアーブル市長として安泰であるかと言えば、そうでもないようだ。フランスの検察当局が3日明らかにしたところによると、フィリップ前首相とビュザン元保健相、ベラン前保健相の3人を、新型コロナウイルスの感染拡大に際し、職務怠慢があったかどうかで捜査するそうだ。捜査は閣僚の不正行為の申し立てを取り扱う共和国法院(CJR)が主導するらしい。

 職務怠慢で閣僚を告発できるシステムがあるのは羨ましい限り。とは言え新型コロナはその名の通り新型の病原体である。未知の部分が多すぎて完璧な対応など無理だと思うのだが。この裁判が他の国の新型コロナ対策に影響を与える事があるだろうか。はてさて。


 短いが、頭が回らない。今日はこんなところだろう。

 昨日は500文字くらいしか書けなかった。モチベーションが上がらない。何とかしないとな。

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