第218話 2020/5/19 無鉄砲とか

 本日は10時起き。まあ昨日はそこそこ頑張った。多少疲れもするだろう。昨夜は睡眠導入剤を飲んだらストンと寝てしまったので、見ていた『名探偵ポワロ』は半分くらいしか記憶していない。また今日見るか。

 録画している番組もドンドン数が増えて行く。いい加減DVDに焼かないと、そろそろHDDがパンパンになってしまう。わかっているのだが腰が重い。うーむ。


 歌は世につれ世は歌につれと言うが、時代と共に移り変わるのは歌の内容だけではない。言葉の価値、重み、社会的な意味合いや使われ方なども時代によって変遷する。典型的な例としては「男らしさ」「女らしさ」などが上がるだろう。

 フィクションを書く者の一人としては、主人公は雄々しい男で、ヒロインはおしとやかな女というのは一番簡単に思いつくパターンであり、嫌いではない。スーパーマリオではないが、囚われのヒロインを勇敢な主人公が助けに行くパターンの物語がこれまで世界中でどれだけ作られてきたか、おそらく数えるのもウンザリするほどではないかと思う。

 男は男らしく、女は女らしくあれというのは、間違っている訳ではないし、悪い考え方でもない。ただ、それは一定の環境下における理想論であって、普遍的なものではない。なのに誰にでも当てはめようとするからおかしな話になる。現実に生きる人間は、そう簡単には行かないのだ。

 虫けらは男なので、若い頃は男らしくあれという圧力を感じていたが、結局のところ男らしさというのは暴力性と表裏一体である。いつもニコニコ穏やかな人を男らしいとは言わず、何か問題が起きたら最終的に暴力で解決するような人物が男らしいと言われる。

 しかし優秀な社会人とは前者であるはずで、故に後者は社会のはみ出し者となる事が多い。その結果フィクションの世界では、はみ出し者こそが勇敢で雄々しい存在であると描かれる事になる訳だが、少し考えればわかる通り、人間は社会性を有する事を前提とした生物である。社会の中でしか生きられない。はみ出し者と言っても、社会と本当に縁を絶って生活している者などいない。結局彼らは社会からはみ出している振りをしながら社会の中で安穏と暮らし、傍若無人に振る舞っているだけの存在だ。そう考えると男らしいって何なのかという話に思える。

 型破りで破天荒というのも男らしさの要件であるが、これも見方を変えれば無鉄砲て向こう見ずなだけとも言える。ルールや常識にとらわれないと言えば聞こえは良いが、守るべき決まり事を守れないだけなのではないか。事ほど左様に「男らしさ」という言葉には、ネガティブなイメージがつきまとうのが現代である。物書きの一人としては、男らしいキャラクターを主人公にするのが面倒臭い時代とも言える。

 さて型破りで破天荒な人物と言えば、好き嫌いを問わず名前が挙がりそうなのがアメリカのトランプ大統領である。18日、トランプ大統領はホワイトハウスで開いた飲食業界の経営者らとの会合で記者会見し、抗マラリア薬『ヒドロキシクロロキン』を服用していると明らかにした。この薬は新型コロナウイルス感染症の治療に効果があるのではと以前から言われ、トランプ大統領も事あるごとに名前を挙げていたのだが、アメリカでの治験において、効果はほとんどなく、心拍異常など危険な副作用の可能性があるとの報告が出ていた。それを自ら進んで感染予防のために飲んでいるという。

 トランプ氏曰く、

「この薬について良い話をたくさん聞いている。医療従事者など現場で働いている人の多くも予防のため使用している」

「何か失うものがあるだろうか。1週間から10日ほど前から使用している。毎日使用しているが、どこかの時点ではやめるだろう」(以上NHK)

「私が言えるのは現在のところ、体調が良いようだということだ」(ロイター)

 という事らしい。これがもし本当なら、彼は有言実行した訳だ。男らしい。だが一つ付け加えるなら、馬鹿だ。何のためにそんなリスクを負う必要がある。ヒドロキシクロロキンの製造企業から献金でも受けているのか。だからって自分の命を使って人体実験する必要はなかろう。彼が大統領でないのなら勝手にすれば良い。しかし実際に超大国アメリカの大統領なのだ。アメリカ国内はもちろん、世界中に与える影響を考えるべきだ。あまりにも無鉄砲に過ぎるだろう。

 これでヒドロキシクロロキンに対して過剰に期待する人々が現れるのは間違いないが、それ以前にもし大統領の身に何かあったら、世界中が困る事になる。腐っても鯛なのだ。ことにいま対中国を考えれば、アメリカに混乱してもらう訳には行かない。

 おそらく世代的に考えれば、トランプ氏は子供の頃から「男は男らしく」と教え込まれてきたのだろう。そしてそう行動する事が、ある層の人々に好感を持たれる事も理解しているのだろう。そういう意味では優秀な政治家だ。しかしホドホドにしてもらわねば。と言うか、これを止められる人間が周囲に誰もいないというのは、非常に怖い現実である。


 Twitterを眺めていると、日本の現状を嘆きながら「途上国を笑えない」と言う人がときどきいるが、そのたびに「この人は途上国を見ながら笑っているのか」とモヤモヤした気分になる。そして同じ口で「日本はもう先進国ではない」とか言われた日には、「だったら何にも問題ないだろ」と言いたくなるのである。

 さて、G20に選ばれた国ともなれば、さすがに途上国とは言えないだろうと思うのだが、その1つメキシコでは、いま新型コロナウイルスの感染拡大によってビール工場がのきなみ操業停止となり、ビール不足が起こっている。結果、マフィアがメタノール入りの密造酒を売りさばき、それを飲んだ人々が中毒を起こして死亡しているらしい。州によっては138人が死亡した例もあるそうな。

 インドかよ、と言いたくなるが、そこまでして酒を飲みたいものかね。普段まったく飲まない虫けらには理解しかねる感覚である。まあ、密造酒が普通に店で売っているらしいから、知らずに飲んだ人も大勢いるのだろうが。マフィアに牛耳られた国は大変だなと思う次第。


 18日にウェブ会議で行われた世界保健機関(WHO)の年次総会は、大方の予想通り台湾を排除した。アメリカや日本などは代表の演説でこの事を批判したが、それに対してWHO側の反応は特になかった模様。反応しろという方が無理だろうとは思うけれど。


 本日はこんなところで。ネタがないなあ。

 昨日は1200文字ほど書けた。あと300文字頑張りたかったが、集中力が持たなかった。調子が良ければ2000文字くらいは書けるのだが、調子の良い日がここのところ滅多にない。困ったものだと思う。

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