第192話 2020/4/23 幽霊屋敷とか

 本日は9時起き。もう最近は、このくらいの時間だと何とも感じなくなってしまった。堕落したものだと思うものの、いまは規則正しい生活ができてない仲間が日本中に居るかと思うと、ちょっと気が楽だったりする。不謹慎なのだろうが。

 朝からネットスーパーで買い物。出かけても良かったのだが、また混雑してるかも知れないと思うと、気が乗らない。大阪府はスーパーへの入店制限要請を出すと言ってるしな、その後で良いのではないか。

 ああ、業務スーパーがネットスーパーやってくれれば助かるのに。オーナー店ばっかりだから難しいのだろうとは思うけれど、何とかならんものか。


 イギリスのノーフォーク州にあるレインハム・ホールという建物をご存じだろうか。よほどのオカルト好きでもなければ、さすがに名前までは知らないと思うが、長い上り階段の中央に、白くボンヤリした楕円形が映り込んだ白黒写真を見た記憶のある人は多いだろう。この影は俗に「茶色の貴婦人」と呼ばれるドロシー・ウォルポールの幽霊であると伝えられている。この幽霊の目撃情報は1700年代から存在すると言われているが、写真が撮影されたのは1936年の事だ。

 こういう幽霊が出没するとされる建物、いわゆる幽霊屋敷とかお化け屋敷と呼ばれる場所は世界各地に存在し、有名なところは観光名所にもなっている。アメリカのウィンチェスター・ミステリー・ハウスなどは典型的と言えるだろう。

 しかし不思議と言えば不思議な話だと言える。地縛霊などという言葉が日本語以外にも存在するのかは知らないが、幽霊はなぜ特定の場所に固定される傾向を持つのだろうか。もっと自由に飛び回れば良いのに。

 人間が幽霊を見てしまうメカニズムはまだ解明されていない。しかし洋の東西、文化、宗教を問わずに幽霊という現象がある以上、人間が「薄ぼんやりとした半透明の人影らしきもの」を見てしまう何らかの理由があるに違いない。そしてそれを「死んだ人間の霊魂」であると捉えてしまう事にも、きっと理由があるのだろう。ならば「幽霊は特定の場所にこだわって出現する」という設定も、それを受け入れやすく感じる何らかの理由が、人間の側にあるはずだ。

 特定の場所と言えば、『結界』とか『聖域』といった概念も様々な宗教や文化に見られるように思う。もしかしたら幽霊が場所にこだわるのも、その延長線上にあるのではないだろうか。

 まあ、それらがすべて解き明かされてしまったら、夢もロマンもなくなってしまう気がするので、フィクション書きとしては解明されない方が良いのかも知れないが。

 さて、イスラム教国であるインドネシアにも幽霊屋敷は存在する。イスラム教が幽霊を認めている訳ではないが、民間伝承として残っているのだ。ジャワ島のスラゲン県では、この幽霊屋敷を有効活用しているのだそうな。

 昨今の世界的ムーブメントの例に漏れず、この地域でも新型コロナウイルスの脅威が拡大している。特に大規模感染地域である首都ジャカルタなどロックダウンされた都市から流入してくる者たちが居るため、新しく住民となった者には2週間の自主隔離が義務づけられているという。

 ところが、この義務を守らない者が続出したらしい。そこでスラゲン県は、違反者を幽霊屋敷に閉じ込めるよう県内のコミュニティーに指示を出した。移住してから14日間の期限が来るまで、摘発された違反者は廃墟で暮らさねばならない。

 廃墟で幽霊屋敷との噂がある場所なら、最初から近付く人も少ないだろうし、安全確保の観点からは合理的と言える。ただ、幽霊屋敷で何日かを過ごした者を、地域のコミュニティーが果たして受け入れてくれるのだろうか。何らかの差別や迫害を受けないか、ちょっと心配な気がする。もちろん2週間の自主隔離を守れなかった側に、かなりの責任があるのは間違いないのだが。

 県によれば、これまでに5人がこの処分を受けたらしいものの、いまだに幽霊は出ていないらしい、とAFPは報じている。まあ、出たら凄いよな、とは思うところ。


 22日、イラン革命防衛隊は、イラン初となる軍事衛星の打ち上げに成功したと発表した。『ヌール(ペルシャ語で光)』という名のこれが、どのような機能を持った衛星であるのかは不明である。また、この文章を書いている時点では、他国による確認もまだ取れていないという。いまは革命防衛隊だけが「成功した」と主張している状態と言える。今後、欧米や日本の宇宙機関が軌道上に浮かぶ衛星を確認するのかも知れない。

 しかし、軍事衛星打ち上げの成功が初めてだったとは知らなかった。これまでにも何度かイランの衛星打ち上げの話はニュースとして流れたはずである。そのたびに「安保理決議違反」「弾道ミサイルへの技術転用が云々」とアメリカが非難していた。Wikipediaによれば、初めて人工衛星打ち上げに成功したのは2009年だそうだ。つまり軍事関連の衛星としては今回が初成功という事なのだろう。

 アメリカでは22日にトランプ大統領が、例によって例の如くTwitterで、「イランの小型砲艦が海上で米国船に嫌がらせをした場合、すべて撃沈して破壊するよう米海軍に指示した」(CNN)と発言している。この時点でイランの衛星発射を知っていたのかどうか時系列はよくわからないが、何にせよ緊張が増すのは間違いない。世界中がこんな状態のときに戦争などやめてもらいたいのだが、さてどうなるのやら。


 神奈川県川崎市の80代の男性が特殊詐欺の被害に遭い、1500万円を騙し取られたのだそうな。被害に遭った方は可哀想だと思うが、金はあるところにはあるものだな。て言うか、こうやって被害金額が表沙汰になるのはどうなのだろう。メディアが金額を報じるから「年寄は金を持っている」と考え、犯行に及ぶ者が増える可能性はないのか。

 とは言うものの、被害金額が大きいからこそ社会に対する警鐘としての意味があるとも考えられる訳で、この辺なかなか難しいところであるな。


 オランダは現段階では世界でも珍しい、安楽死が法的に認められている国である。2002年に制度化されたというから、もう18年の歴史があるのだ。しかし2016年、安楽死に携わった医師が殺人罪で訴追された。何故か。

 オランダの制度では安楽死を求める意志を実施の直前に確認する必要があったのだが、このとき安楽死を実施された患者はアルツハイマー型認知症で、意志表示ができない状態であったという。そこで医師と家族らは相談し、患者が介護施設へ入所する前に「安楽死を希望する」という文書にサインしていた事実に基づき、安楽死を実施したのだが、これが本人との直前の合意なしに行われたものだと検察が判断し、訴追されたという訳だ。

 しかしオランダ最高裁は21日、必ずしも直前の合意は必要ないという判断を下した。つまり認知症などで意志表示ができなくなる以前に患者と医師の間で合意ができていれば、今後は安楽死を実施する事が可能という事だ。

 虫けらは現時点で死にたいとは考えていないものの、いずれ死はやってくる。そのとき苦痛のない死を選べるのならば、是非選びたい。日本でも安楽死の議論が高まってくれないものかと思っているのだが、なかなかそんな気配は見えない。簡単な問題ではないとは言え、国民的議論に値する話だと思うのだがな。

 なお、2016年に訴追された医師は、亡くなった患者の遺族の強い擁護もあって、無罪判決が出ている。そうでなくては、と思う次第。


 本日はこんなところで。昨日はそこそこ書けた。まあ、所詮そこそこではあるのだが、何もできないよりは随分マシであると言える。とにかく頭をひねらねばな。特にミステリーはもう時間がない。ケツに火が着きつつある。何とか頑張ろう。

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