第168話 2020/3/30 訃報とか

 本日は10時起き。最近は朝目覚めてからニュースをチェックするのも気が重いのだが、今朝は一際陰鬱な気分になった。思わず「あーあ」とつぶやいてしまった。


 コメディアンの志村けん氏が昨日の夜亡くなった。70歳、新型コロナウイルスに感染し、入院治療を受けていたのだが、その甲斐もなく。

 志村氏はザ・ドリフターズのメンバーであったが、結成当時からのメンバーではない。虫けらは志村氏がドリフのメンバーではなく、付き人をやっていた時代に『8時だよ! 全員集合』のコントの端役として出ていた頃からテレビで見ている。その後、荒井注氏が脱退し、志村氏が正式メンバーになったのだが、以降の大活躍についてはいまさら言うまでもあるまい。あっという間にドリフそのものを上回るほどの大スターになって行った。

 東村山音頭、早口言葉の歌、ヒゲダンスなどなど、いまにして思えばやはり音楽ネタが多い。ちなみにサザンオールスターズのデビュー曲のタイトル『勝手にシンドバッド』も、元々志村氏の考案で、『勝手にしやがれ』で始まり『渚のシンドバッド』で終わる音楽ネタであった。サザンオールスターズが全員集合に出演したときに、久しぶりにそのネタを披露したシーンを覚えている。

 子供の頃から見続けてきた、そこに居るのが当たり前であった人物が、突然消え去ってしまうのは悲しく寂しいものである。「心にポッカリ穴が空いたような」という言葉が大袈裟な表現ではなく、正確な描写であると痛感する。

 ただ、昔から「遠くの親類より近くの他人」と言う。ならば遠くの政治家よりテレビの芸能人であろう。新型コロナウイルスが高齢者にとっていかに危険であるか、志村氏の死をもって理解した人たちも居るのではないか。これで少しでも行動が変わってくれれば、志村氏も本望かも知れない。ご遺族にはお悔やみを申し上げる。


 前もって知っておくとイロイロと捗る言葉というものがある。いまなら『指数関数的』がそれであろう。「指数関数的な増加」などという言い方をするが、実際のところ2^X(2のX乗。Xが指数)みたいなわかりやすい指数関数が背景に想定されるような増え方は、世の中にはあまりないような気がする。まあみんなその辺はいい加減というか適当だからな。グラフがとにかくギューン! とカーブを描いて急上昇すれば、何であれ指数関数的なのだろう。この言葉、これから報道でよく耳にするかも知れない。

 正直、こういう言い方書き方は無闇に不安を煽るようで好ましくはないのだが、これは日記である。後になって振り返ったときに、このとき自分は何をどう考えていたのかがわからないと意味がない。

 昨日東京都は68人の新たな新型コロナウイルス感染者を確認したと公表した。前日57人の感染が発覚した千葉県の障害者施設でも、さらに28人の感染が見つかっている。しかし、これで打ち止めという事にはなるまい。これは始まりである。今後国内の感染者数は指数関数的に急増するに違いない。

 とは言え、大事なのは死亡率だ。死亡率さえ急上昇しなければ、最小限の被害で何とかなるはずだ。自分が死なないよう、他人に広めないよう、日本人個々人が頑張るしかない。とりあえず家からはなるべく出ないようにしたい。まあ、虫けらは言われなくても、元より外に出ないのではあるが。


 世界の新型コロナウイルス感染者数は66万人に達し、死者は3万人を突破した。その三分の一はイタリアである。スペインでは外出制限が強化され、ライフラインに従事する労働者以外の通勤は原則禁止となった。そんな世界の潮流はアフリカ大陸にも押し寄せている。

 28日、南アフリカ共和国の最大都市ヨハネスブルクにおいて、買いだめのためスーパーマーケット前で密集して行列を作っていた数百人に対し、警察がゴム弾を発射する騒ぎがあった。警察はさらにムチで殴り、互いの距離を取った行列に並び直させたという。

 ゴム弾って言うけど、フワフワのゴムを使ってる訳ではないからな。まともに食らったら、普通に肋骨くらい骨折するほどの威力がある。しかし南アフリカではすでに新型コロナの感染者が1000人を突破しており、これ以上感染を広めないために政府も必死なのだろう。

 日本ではスーパーやドラッグストアの前に行列ができているらしいが――実際に見た事はない――これも何とかしないと感染の温床になるだろう。あとパチンコ屋の前とか。とは言え、行列を作るのを悪事扱いすると、他の場面で困った事になるしな。なかなか頭の痛い話である。


 感染症の流行による被害は、ただ患者が増えて行くだけではない。風評被害もあるし、人のメンタルな部分への被害もある。ドイツのヘッセン州では、財務相が自殺したそうだ。州首相によれば、彼は新型コロナウイルスの影響に対する市民への財政支援について苦悩し、絶望したという事だ。真面目な人だったのだろう。やはり政治家には、人並み外れた面の皮の厚さが必要なのかも知れない。


 相模原障害者施設殺傷事件の植松被告が控訴を取り下げた。これで死刑が確定する。特にコメントはない。


 昨日北朝鮮がまたミサイルか何かを発射したが、それについて自民党の二階幹事長は、

「毎週のように北朝鮮が暴挙を行う。どういう意味を持っているのか」

「毎回やられるごとに会議を開き、遺憾の意を表するだけでいいのか」(産経新聞)

 と、政府に対して厳しい対応を求めたそうだ。言いたい事はわからんでもないし、そう間違った事を言っているとも思わないものの、じゃあ具体的にどうすればいいのか。戦争でも起こせと言うのか。政府を擁護する訳ではないが、現段階でやれるだけの事はやっていると思うのだが。

 遺憾の意では足りない? 今回の新型コロナウイルスの騒動では日本は中国政府に対して遺憾の意すら表していないのだが、何故その事については文句がないのだろう。北朝鮮なら叩いて良いが、中国様を叩くなど滅相もないという事なのか。

 残念だがこの人物は、日本の国益を考えて行動しているとは思えない。自分に注目が集まればそれで良いのだろう。田中角栄氏や金丸信氏のようになりたいのかも知れないが、器ではない。こんな人物を自民党の幹事長にしなくてはならんというのもまた、政界の人材不足を表していると思う次第。


 本日はこんなところで。今日はおとなしくしてようか。気分が落ち込んでいるときに動いても碌な事がない。

 昨日もあまり書けなかった。何だかんだでストレスが溜まっているのだろうなとは思う。常に頭の上に蓋があるような感じ。全部投げ出したくなってしまう。でも投げ出しはしない。何とか乗り切ろう。ちょっとずつでも前に進むのだ。

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