第162話 2020/3/24 予言とか

 ようやくマスクがネットに出回るようになってきた。楽天ポイントが貯まっていたので比較的安かったのを購入。安いと言ってもこのご時世なので、通常時を考えればアホほど高いが、まあそれは仕方ない。中国製で届くのは4月に入ってからだという。それも仕方ないのだろう。

 ただ気に入らないのは、楽天で売っていながら楽天カードが使えなかったという事だ。どうやらJCBに対応していない模様。Amazonのカードが使えたから問題はなかったのだが、何となく腑に落ちない。JCBの評判が悪いのは知っているものの、楽天で楽天カードが使えないというのはどうなのだ。とは言え、これも仕方ないか。

 マスクは50枚入り、毎日使う訳でもないので数ヶ月は持つだろう。数ヶ月でこの騒動が収まってくれれば良いのだが、無理っぽいかな。ああ面倒臭い面倒臭い。


 神の言葉を告げるのが『預言』で、未来に起こる事を告げるのが『予言』であるが、かの有名なファティマのアレは予言なのだな。まあ確かに聖母マリアは神ではない。とは言え未来の予言を「神から授かった」と主張する者も居たりするので、両者の境界は曖昧と言える。

 未来予知という超自然的な現象について、虫けらは全否定しない。そもそも時間という物が川のように流れていると人間は思いがちだが、これは感覚的な解釈であり、時間そのものは現象ではない。『時間粒子』とでも呼ぶべき物が移動している訳ではないのだ。

 未来と現在と過去は常に同時に存在しているという考え方もある。何らかの条件が重なれば、未来に起きる事の一部が視界や意識の中に現れる事もあるやも知れない。もちろん、その何らかの条件を人為的に重ねる事が可能かどうかは、また別の話である。

 未来と現在と過去の間に境界線は存在しない。すべてが完全なシームレスと言える。シュタインズ・ゲートの主題歌『スカイクラッドの観測者』の歌詞で言えば、0が過去で1が未来、今はどこにもない訳だ。常に過去と未来は隣接し、併存している。我々はそのないはずの境界線に意識を置き、未来を予測しながら生きているのである。その不安定さ故であろうか、預言や予言を渇望するのは。

 2008年、アメリカである予言の本が出版された。その中にはこんな文面があったという。

「2020年ごろ、重い肺炎のような疾病が世界中に拡散し、肺と気管支を攻撃し、既知の治療法全てに対して耐性を持つ」

「疾病そのものよりもさらに不可解なことに、それは到来した時と同じように突如として消え去り、10年後に再び攻撃し、そして完全に消滅する」(以上CNN)

 著者は2013年に死亡し、この本の存在も一度は忘れ去られた。しかしいま新型コロナウイルスの大流行によって再び注目が集まり、アメリカのAmazonでノンフィクション部門2位にまで売り上げを伸ばしたそうだ。

 未来予知を信じない訳ではないと言いながら、ならばこの本を信用するのかと言われれば、虫けらは首を横に振るしかない。CNNの記事にもあるが、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行したのが2002年から2003年にかけてだ。つまり2008年にこの本が出版された頃には、「ちょっと前に流行った病気」である。これを念頭に置いて書かれた事はまず間違いなかろう。2020年という数字は単に区切りが良かっただけではないか。あくまで「ごろ」だからな。

 別に統計を取った訳でもないのでデータはないのだが、たとえばエイズパニックが起こった頃には「人類の未来はエイズによって終わりを迎える」みたいな事を言ったヤツは1人や2人ではなかったろう。もしこの先エボラや狂犬病が日本や欧米で感染拡大を起こしたら、それらの病気で世界に終末がやって来ると言い出す者は必ず居るはずだ。五島勉氏の『ノストラダムスの大予言』を例に挙げるまでもなく、予言の書を書いたりする人間とは基本的にそういう人種と考えて良い。

 本当に未来が見えるのなら、誰も進んで口に出したりはしない。そんな事をすれば結果的に自分の身がどうなるかなど、予知能力がなくても予測はできる。人間の社会とは、予言者の生きやすい場所ではないのだから。


 世の中には、ビックリするほど状況判断力に欠ける人間が居る。虫けらは別に他人と比べて状況判断が優れてはいないが、もし仮に掃いて捨てるほど金を持っていたとしても、いまこの状況でペルーに旅行しようとは思わないだろう。

 外務省関係者が明らかにしたところによると、ペルーで日本人観光客約230人が空港封鎖によって出国できず、足止めを食らっている事が23日に判明したとのこと。一行の中には新型コロナウイルス感染を疑われる者が居て、全員ホテルで隔離されているらしい。

 まあ、かなり以前から計画していたのだろうし、キャンセル料も高額だったのかも知れないが、だからといっていまこのタイミングで海外旅行に行く事もあるまいに。日本国内には「こんな連中のために税金でチャーター機を飛ばすな」という声もあるが、日本政府としてはそういう訳にも行かないのが実情ではないか。

 結果的に政府がチャーター機を飛ばして彼らが帰国し、またマスコミが集まって記者会見を開かせて頭を下げさせる、みたいな残念な光景が展開されるのかも知れない。想像しただけでゲンナリする。


 安倍首相や森元首相がオリンピックの延期に言及した事とタイミングを合わせたかのように、小池都知事が「首都のロックダウンもあり得る」と言いだした。しかし封鎖するなら封鎖するで、明確な数値を公表する必要はあるだろう。「何となく危ない気がするので封鎖します」は、さすがに通じない。

 日本の首都であり経済の中心地でもある国内最大都市を封鎖するというのだ、「新型コロナウイルスの感染はここまで広がっています」という情報は出すべきではないか。パニックを恐れているのかも知れないが、すでにパニックが常態となっているのである、さらなる混乱もある程度仕方ないように思うのだが。


 トヨタ自動車とNTTが資本業務提携を結ぶ事になったらしい。典型的な勝ち組連合と言える。スマートシティ構想に共同して取り組むため、というのが理由のようだが、それ以外の面にも波及するのは間違いない。他の自動車会社も通信系の異業種と業務提携を結ぶ事例が増えるかも知れない。

 ただ、いわゆるコネクテッドカーが増えるのは、中古車しか買えない虫けらとしては、あまり嬉しい未来ではないのだがな。さて、どうなる事やら。


 昨日から頭の頭痛が痛い。馬から落馬するレベルで痛い。とは言え、のたうち回るほどの激痛でもないし、ずっと痛み続けている訳でもないので、鎮痛剤は飲んでいない。でも、ふとしたときにズキンと来るので、かなりイライラする。まあ、頭痛とも結構付き合いが長い。こうやって文句を書く程度で気が晴れるのなら、まだまだ大丈夫だろう。腹は立つのだが。

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