第97話 2020/1/19 理解とか

 本日は9時起き。反動か。昨日は本当に何もできない一日だった。ほとんど寝てただけ。たまにはそういう日もあって良いかとも思うが、先々のことを考えると、ちょっと心配になる。

 ただ収穫もあった。「煮干しのさっぱり煮」を作ってみたら大変に美味かったのだ。作り方は簡単。煮干しを1時間水で戻して、そこに醤油と酢をダバーッと入れ、砂糖を放り込んで生姜をにゅるっと入れたら汁が3分の1になるくらいまで煮込むだけ。これが美味い。実に美味い。また米を食うときに作ろうと思う。


 人間はいろんな事を理解する。理解には知識が必要だが、知識だけでは理解できない。そこには知恵や経験値も求められる。理解し慣れていないと、理解できる範囲が広がらないのだ。物を書く人間には、読解力を例に挙げればわかりやすいかも知れない。

 物事を理解するための一つの知恵というかテクニックとして、当事者の気持ちや立場になって考える、というものがある。学校の国語のテストでは作者の意図を問う問題がよく出たが、あの延長であると言える。

 しかしこれは得手不得手がよく出る部分でもある。作者の意図とか登場人物の気持ちとか、頭の中で想像するのが苦手な人も多いのだ。創作者は、そういう人であっても理解しやすい文章を心がける必要があろう。

 もちろんわかりやすければ何でも良いという訳でもない。時と場合によっては、わかりにくい方が面白いという事もあるだろう。わかりやすさを最優先にしてしまっては、叙述トリックなど成立しないからな。

 しかしここで重要なのは、理解できたからといって必ずしも納得できるものではないという事だ。理解はできる、だが同意はできない。世の中にはそういう事も沢山あるのだ。

 16日、アメリカのニューヨーク市在住の男性が、有名なポルノサイトと、その運営会社を訴えた。ポルノがけしからん、という訳ではない。その逆だ。この男性は聴覚に障害があるので、字幕がなければけしからん動画が楽しめない、なので障害者差別を禁止する「障害がある米国人法」に基づき、ポルノサイトに字幕をつけるよう訴えた、というのが事の次第である。

 理解はできる話だ。他人が当たり前のように知る事のできる内容が、自分には知る事ができないという疎外感は大変なものであるだろう。寂しかろう、腹立たしかろう、しかし、同意はできない。

 虫けらだって、たまにはポルノを見る事もある。あるが、いつもミュートしている。ポルノの音声は大嫌いだからだ。あんなもの、邪魔でしかない。日本のアダルトビデオでも邪魔で仕方ないのに、アメリカ産のポルノなど、ただの騒音と言える。もちろんこれは知っているからそう思える訳で、聞こえない人には嫌う事すら許されないのだ。だからまず知りたいと思うのは理解できる。一切同意はできないが。

 ただ世の中にはあの声が良いという人も居るのだよなあ。この辺はまったく理解できない感覚と言える。同じように耳が聞こえても、理解し合える訳ではないという事だ。創作の中の人物や創作を通して感じる作者の意図は理解しやすいのだが、リアルな人間と言うのは多様で、複雑で、理解するのは非常に困難である。「だからこそ面白い」と主張する人々が一定数居るのも知っているし、それも理解できないではないのだが、なかなか同意しづらいところ。


 イランは1979年、ホメイニ師を中心としてイスラム革命を起こし、パーレビ国王を追放した。以来41年に渡って革命政府が続いている訳だが、現在のイラン国内の様子は革命前夜と似ている、おそらくは数ヶ月以内にイランの現体制は崩壊する、と主張する人物がいる。アメリカで亡命同然の生活を送っている、パーレビ元国王の息子である。

 うん、そりゃあね。アンタの立場からすればそう言いたくなる気持ちも理解はできるけど、そう簡単には行くまい。これまた理解はできるが同意はしがたい。たしかにイラン国内は蜂の巣をつついたような騒ぎになっているのだろう。件のウクライナ機撃墜で火に油を注いだ感はある。しかし体制が崩壊するかと言われると首をかしげざるを得ない。このくらいで体制が崩壊するのなら、香港なんぞすでに崩壊しているのではないか。

 体制が崩壊するというのは、それくらい難しいものである。生半可な事では起きない。ジンバブエだってベネズエラだって体制は崩壊していないのだ。イランだって同様だろう。もちろん期待するのは自由だが、あまり空騒ぎを煽るのもどうかと思うところ。

 

 17日、中国の習近平国家主席がミャンマーを訪問した。アウンサン・スー・チー国家顧問の率いるミャンマーの現政権はロヒンギャ問題への対処を巡って国際的に非難を浴びているが、中国はミャンマー政府を支援するという。

 まあ、中国にはウイグル問題があるからな、まかり間違ってもミャンマーを非難などできるはずがない。仮にそれがなくとも、弱っている相手につけ込むのは得意とするところ、国際世論のミャンマー叩きは渡りに船だったろう。

 習近平氏を歓迎する式典の中で、アウンサン・スー・チー氏はこう述べたそうだ。

「言うまでもないが、隣国としては世界が終わるまで(中国に)足並みをそろえる以外にない」(AFP)

 18日、中国とミャンマーは数十億ドル規模のインフラ整備を中心とした経済協定に調印した。もうミャンマーは後戻りできまい。隣国などと言っているが、事実上中国のミャンマー自治区である。一つの国の歴史が終わった瞬間とも言える。日本人にとっても他人事ではない。何とかしなければ、これは明日の日本の姿かも知れないのだ。


 17日、アメリカ空軍大将にして軍制服組ナンバー2のジョン・ハイテン統合参謀本部副議長は、シンクタンクでの演説の中で、北朝鮮のミサイル開発について警戒感を示した。

「新たなミサイルを造り、新たな能力を構築しようとし、新たな兵器を試みている」

「北朝鮮の経済規模は世界で115番目だが、世界最速級の水準でこれらの軍拡に挑んでいる」(以上CNN)

 これが軍全体の考え方であり、その最高指揮官であるトランプ大統領の考え方であるなら良いのだが、そうではない可能性がある。もうちょっと専門家を大事にしてもらいたいのだがなあ。


 今日はこんなところか。はあ、早く冬が終わらんものか。

 昨日は2作品で2000文字にも達しなかった。ぼーっとネットを眺めて一日が終わってしまった。集中力など皆目見当たらない。どうすりゃ良いのやら、まったくもう。

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