第82話 2020/1/4 きな臭いとか

 本日は9時起き。4日だ、やっと4日だ! あー、何とか、何とか今日1日を乗り切れば、年末年始は無事終了である。やる気がない緊張感がないとはいいながら、それでもそこそこ気を張っていたのだ。それもようやく今日で終わりである。よし、今晩から頑張ろう。と、思い通りに行けば苦労はない。


 現代において「きな臭い」とは戦争などが起こりそうな気配、という意味で使われる言葉である。元々は紙や木綿の布などが焦げるニオイを指した。という事は、「きな」とは焦げた紙や布の事であろうと普通に考えれば思うのだが、実際のところ、過去の日本語を探してみても、焦げた紙や布を「きな」と言い表した実例は存在していないのだそうだ。どこから来たのか、何故戦争にまつわる言葉として使われるようになったのか、まるでわからないのがこの「きな臭い」という言葉であるらしい。

 さて、中東がまたきな臭い。ずっときな臭い状態が続いていると言われれば確かにそうなのだが、この1週間ちょっとの間に、より一層きな臭くなって来た。

 ここ最近のザックリとした流れを箇条書きで書くと、

・12月27日、イラク北部キルクークの基地が攻撃され、アメリカ人が死傷した。

・12月29日、報復として、アメリカ軍はカタイブ・ヒズボラのイラクとシリアの拠点に対して空爆を加えた。

・12月30日、イラクの首相府がアメリカを強く非難すると、イラク国内では反アメリカデモが発生。

・12月31日、イラクの首都バグダッドのアメリカ大使館がデモ隊に襲撃され、これをトランプ大統領がイランの煽動によるものだと非難、「米国の施設が損害を受けたり、人命が失われたりした場合、イランが全責任を負う」「とても『大きな代償』を払うことになる!これは警告ではなく脅迫だ」(AFP)とツイートした。

・12月31日、アメリカのエスパー国防長官が中東地域に750名の兵力を増派すると表明。

・1月2日、エスパー国防長官が、イランとの関係について「状況は一変した」と発言、先制攻撃の可能性に言及した。

・1月2日、イラン革命防衛隊のサラミ司令官が「わが国は戦争に向かっていないが、いかなる戦争も恐れない。米国に言っておきたいが、口の利き方には気をつけろ。わが国は何回でもやつらを破壊する力を持っており、心配無用だ」(ロイター)と発言。

・1月3日、イラン革命防衛隊の傘下組織『コッズ部隊』のガセム・ソレイマニ司令官が、イラクのバグダッドの空港で、アメリカ軍のミサイル攻撃によって殺害される。イランの宗教指導者ハメネイ師が「厳しい報復」に言及した。

・1月3日、アメリカ軍が中東地域に3500~4000人規模の増派を行うと報道される。

・1月4日、イラクのイスラム教シーア派武装勢力の連合体『人民動員隊』を狙い、バグダッドの北でアメリカ軍が空爆を行った、とイラン国営テレビが報じる。

 ……だいたいこんな感じか。アメリカとイランの対立が激化する、と報道されている状況だが、こうして並べてみると、イランが手を出したのは最初の方だけで、あとは延々アメリカが攻勢をかけている格好だ。

 まあ実際のところ、イランにはアメリカの航空機をバンバン打ち落とす攻撃システムも、アメリカ本土まで届く長距離ミサイルもない。全面戦争という言葉を使うメディアもあるものの、『戦争』という形を取るのなら、アメリカが一方的に攻撃する展開になるのは最初から目に見えている。

 イラン側にできる事があるとすれば、ゲリラ的な抵抗とテロだけだろう。そしてテロによって狙われるのはアメリカ人だけではなく、ホルムズ海峡を航行する日本を含めた各国のタンカーも標的に含まれる。またオイルショックが世界を襲う事になるのではないか。

 原油価格の高騰によるガソリンの値上げがあると、虫けら的にはかなり困る。いまでも結構高いのだ、これ以上に上げられるとキツい。連動して輸送コストも上昇するだろうし、物価も上がるに違いない。遠く離れた中東の戦争の影響が、この極東の島国にもリアルタイムで波及する時代なのだ。できれば戦争は勘弁してもらいたいと思うところ。

 トランプ大統領は3日、報道陣に対し、

「われわれは昨夜、戦争を止める措置を取った。戦争を始める措置ではない」

「われわれは政権交代を求めてはいない」(以上AFP)

 と述べた。おそらく戦争をしたくないというのは本心だろう。しかし相手からどう見えるかについては想像力が欠落しているという印象しかない。すでにのっぴきならない所にまで、イランを追い詰めているのではないか。この先何が起こるのかを考えると、非常に怖いのだが。


 今回のソレイマニ司令官殺害に対し、海外のTwitterのトレンドにはWWⅢが入っているらしい。対する日本のTwitterはエンタメ情報ばかりで情けないとの声が上がっている。でもまあメディアがやれゴーンだ紅白だ、ばっかりだからな。仕方ない面もあるのではないか。

 それに第三次世界大戦を恐れる事が正しい反応とも言えない。上に書いたように、アメリカとイランの戦争は一方的な虐殺になる可能性が高い。そして世界にテロがバラ撒かれるのだ。WWⅢよりTerror Attackを心配する方が正しい反応だと思う次第。


 IR汚職で自民党や日本維新の会の国会議員の名前が取り沙汰されているが、出て来る金額が100万円とかそんなものだ。いやいや、さすがにもっと流れてるだろう。500ドットコム以外の企業からだって出ているのではないか。政界の汚職はもっと派手でなくては。

 まあ、まさか東京地検もゴーンが逃げたりアメリカとイランが戦争間近になったりするなど想定してなかったろうからな。いささか可哀想な感じもしないではないのだが、できればもっと派手な数字を引っ張り出して、国民の関心を強く引いてもらいたいところ。何とか頑張っていただきたい。


 今日はこんなところで。昨日は1500文字ほど書いた。まだまだノンビリしたペースである。今夜『魔獣奉賛士』を更新するとして、明日からバリバリ書けるかな。なかなか切り替えに時間がかかりそうな気もするのだが。

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