第52話 2019/12/5 デマとか

 本日は10時起き。昨日ちょっと頑張りすぎたのか、動けなかった。うーむ、何とも脆弱な体。とは言え昼間にミステリーを2000文字、夜に『魔獣奉賛士』を2000文字、こんなもんで動けなくなるか。まるで死にかけの老人だな、まったく。果たして明日生きてるだろうか。


 2017年から2018年にかけて、インドでリンチ殺人が横行した。メッセージアプリWhatsAppに掲載された「臓器を奪うために子供を誘拐している者が居る」というデマを信じた民衆によってそれは引き起こされた。デマは長期間にわたって猛威を振るい、数十人の死亡者が出ている。

 2018年8月にはメキシコで、同じくWhatsApp上に流れた、同様の「臓器を奪うために子供を誘拐している者が居る」というデマを信じた民衆によって、2人の男性が生きたまま火あぶりにされ殺された。

 2019年3月にはフランスで、FacebookとSnapchatに「白いバンに乗ったロマが子供を誘拐している」とデマが書き込まれ、ロマに対する暴行事件が起きた。

 情報化社会と言われて久しい。インターネットが世界をつなぎ、地球の裏側で起きている出来事をリアルタイムで見られる現代なのだが、実際のところこれらの事件は、どれだけ社会が進歩しようと人間の頭の中までアップデートできていないという証拠であろう。何とも間抜けで愚かで野蛮であると言える。

 さて今月2日、アメリカのボルティモア市のバーナード・ヤング市長がテレビのインタビューの中で、市民に対しこう警告を発した。

「白いワゴン車の近くに駐車してはいけない」

「連れ去られそうになった場合に備え、自分が常に携帯電話を持っていることを確認してほしい」(CNN)

 ところがこの警告は、ボルチモア警察から回ってきた情報に基づくものではなかった。どうやらFacebookで目にした情報をそのまま口にしてしまったらしい。そこにはこうあったという。

「白いワゴン車に乗った男たちが、売春行為のための人身売買を目的に女性を誘拐し、臓器を売り飛ばしている」(CNN)

 上の方で見たデマが混在している様子が見て取れる。デマにデマを重ねる事で、進化しているのだ。そしてその進化したデマに市長が輪をかけてしまった形である。いろんな意味で庶民派の市長なのかも知れないが、立場的に言葉の重みを考えなかったのだろうか。迂闊で軽率と言われてもやむを得まい。

 とは言え、デマの進化は自然に起こるのだろうか。まあ人間は似たような情報を混ぜて1つの情報として記憶する傾向があるから、自然進化も起こるのだろうが、どうも悪意を持ってデマを進化させているヤツが居るような気がしてならない。もちろんこれは陰謀論であり、これ自体がデマに近い。とは言え、だ。

 人間は悪意を持ち、そして民衆は昔から往々にして悪意に踊らされるものである。日本人も他人事ではない。「このナンバーの車に気をつけて!」みたいな書き込みは現在のTwitterでも時折見かけるし、災害発生時には膨大な量のデマが流れる。デマに踊らされる下地は十分にあるのだ。あとは悪意のある誰かが引き金を引けば、日本でも人が死ぬ事になるやも知れない。自省の意味も込めて注意を促したいところ。


 3日からイギリスのロンドンでNATO設立70周年の記念会議が行われているが、本来NATOの主役であるはずのアメリカのトランプ大統領は、いまひとつ居心地の悪い思いをしている模様。

 3日夜にバッキンガム宮殿で開かれた記念行事では、アン王女やジョンソン首相、フランスのマクロン大統領を前に、カナダのトルドー首相がトランプ氏の陰口で盛り上がっている様子が撮影されている。この報道を受けてトランプ大統領は、トルドー氏を「二枚舌だ」と批判し、4日に予定されていた記者会見を急遽中止した。

 正直どちらも大人げない気がするのだが、この件に関しては陰口を叩かれる方にも問題があるだろう。トルドー首相との首脳会談の直前に40分も記者会見をやっていたらしいからな。待たされた方がイラつくのも理解できる。

 とは言え、これを面白ニュースとして取り上げるメディアにも、いささか危機感を覚える。先般マクロン大統領の口にした「NATOは脳死状態」という言葉を裏付けるような出来事である。冷静に考えて笑えない話ではないか。現在のロシアはかつてのソ連ほどの脅威ではないのかも知れない。だが中国が新たな脅威として成長している。NATOに気を抜いている余裕はない気がするのだが。


 4日、アフガニスタン東部ナンガルハル州ジャララバードで、国際NGO『ペシャワール会』の代表である中村哲氏が銃撃され死亡した。3人の護衛と運転手、同僚1人も死亡したという。この件に関して犯行声明はまだ出ておらず、旧支配勢力タリバンは関与を否定している。

 医師である中村氏は1984年から人道支援を開始、医療奉仕だけでなく多数の井戸や灌漑設備を作った。アフガニスタンには農業国として自立して欲しいという思いからであったという。

 何とも残念な話である。て言うか、この人を殺していったい何になるというのか。誰のためになるのか。脳みそが腐っているとしか思えないレベルの蛮行である。

 ご遺族にはお悔やみを申し上げるところ。


 今日はこんなところか。

 明日は月に1度の通院であるので、ここは休む。休んでばっかりだな。まあ所詮は日記なので、そんな肩に力を入れて頑張るものではないのだけれど。

 さあて今日はどれくらい書けるだろうか。まあ無理のない範囲で頑張ろう。

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