第52話 錆びついた魔感覚

 


 空は灰色に染め上げられ、昨日まで快晴が嘘のように思える。


 こんな日に路地裏で拳語り合う野蛮なストリートファイトに参加してるなんて知れたら、俺も立派にヤンキーの仲間入りだ。


「……ザコどもがよ」


 リングで戦っている2人の闘技者を見やる。


 なんだあのパンチは。

 全く腰が入っていない。


 あれじゃ響かない、届かないさダメージは。

 足の運び方もまるで素人だ。

 それじゃ威力をのせられないだろ。


「おぉカオス、今日はやらねぇのかよ?」


 俺はこの5日間、ストリートファイトに通い続けているので、多少はここ連中とも顔見知り程度の間柄にはなっている。


 隣の男、ダサいクルミみたいなタトゥー入れやがって。

 あぁイライラする。


「今日は研究だ」


 無愛想に適当な返事を返して、すげなくあしらう。


「はは! お前がここのから学べはことなんて何もないだろうが」


 この男の言っていることは正しい。


 数日通ってわかったことなのだが、本当はストリートファイトなんて俺にとってはただの雑魚狩りに等しい行為なのだ。


 俺は自分の気づかないうちに相当強くなっていたらしく思っている以上に強い部類の人間である事がわかってしまった。


 だからこそぁ。

 喧嘩が強くなったからなんだっていうんだ。

 そもそも素手の喧嘩術なんて剣や魔法の戦いにはなんの役にも立たない。


 真の闘争において役に立つのは路地裏で鍛えられた気合と漢気の喧嘩拳ではなく、理に乗っ取って体系化された科学と理屈の拳術だ。


「はぁ……」


 結局のところストリートファイトで素人相手に拳術を使うなんてのは何の意味もない行為なのだ。


 相手が騎士などの戦いを専業とする者ならともかく、そうでないとただの素人と戦って実戦を経験することなんて出来ない。


 経験値の足しにもならない。


 たまに剣気圧を扱える者と出会うが、大抵はフリッカーを5、6発くらい打ち込んで終わりだ。

 ジャブで簡単に人の闘争心など無力化できる。


 俺は強い。

 自惚れでもなんでもなく、俺は強い。

 そして俺の強さは日増しに高まっていっている。


 自分でも驚くことなのだが、最近になって俺の剣気圧は今まで成長速度を上回る勢いで、ぐんぐん上がって来ている。


 生物が生きてれば自然と体の成長するように、修行を熱心にやっていなくても剣気圧が上がっているのを感じ始めている。

 この路地裏に通ったこの5日間でもまた、確実に5日前の俺よりも剣気圧が強くなった。


 理屈はわからない。


 が、別に強くなれて困るこなんてないのだから、この自然と上昇する圧のことは、俺はラッキー程度にしか考えていない。


 いや、正確に言えば考える余裕がないと言うべきだろうか。


 俺は今ある1つのことに集中している。

 現在進行形でだ。

 意識を集中し剣知覚の索敵範囲を真下へ向けて伸ばしている。


「まだ生きてる」


 50メートルほど下に行ったところに、この5日間ほぼ同じ場所から動かない気配を感じ続けていた。


 俺の剣知覚は基本的には「そこに生物がいるかいないかがだいたいわかる」という程度の代物であるため、そこにどんな人物がいるのかなんていう情報を掴むことは苦手だ。


 だが、そんな俺の精度が低く鈍感な剣知覚にもなぜかこの存在のことだけははっきりわかるのだ。


 毎日、毎日、剣知覚を発動して生存を確かめる度にだんだんと弱っていくか弱い命……。


 この路地裏に通い始めた最初の、数日は気配の位置はまだ数メートルくらいは動き回っていた。


 しかし、日が経つにつれてだんだんと動かなくなっていった。

 現在、わずかに感じ取れる気配は、完全に動かなくなっている。


 きっとあの攫われた子供だ。


 あの扉。


 5日前に、黒服たちが塞いでいるあの扉の奥へ連れていかれたあの小さな子供なんだ。


 なぜだ?

 なぜ苦しめる?

 もう命の灯火が消えそうな程に。


 誘拐したなら何か目的があるんじゃないのか?

 殺すために攫ったのか?

 苦しめるために?


 違うだろ、アーカム・アルドレア。

 そんなことが気になって苦しんでんじゃない。


 悩む振りはやめろ。

 お前は見捨てたんだ。

 あの子供はじきに死ぬ。

 理由はわからない。


 だが、俺が助けなかったがために小さな命は、多くの可能性を秘めたこの先はるか長い人生を歩むことなく、無残にも、そして無慈悲にも他人のエゴによってその奇跡の灯火を摘み取られてしまうのだ。


 声を上げてもだれも助けに来ない絶望の中で、その始まったばかりの人生を人知れず終えていくのだ。


 とうてい許されるべき行為ではない。

 だが、俺にはどうすることも出来ない。


 いいや、これも嘘だ。

 俺には出来る。

 5日前とは違う。


 俺には確信がある。

 掃き溜めで得た俺は強いという確信が。

 だが、同時に5日前と同じこともある。


 結局、あの子供を助けたとしてもそれは自己満足でしかなく全体の問題を解決することにはなり得ない。


 だから、だから俺はあの子供を、助けない……。

 だって助けたって意味が。

 そんな事したって全てをーー。


「あーやめよう」

「ん? どうしたカオス?」

「カオスは考えることをやめた」

「……は?」


 そうだよ。

 考えなければいいんだよ。


 社会の問題の解決とか、そういうのは俺が考えることじゃない。


 エヴァだって言ってたじゃないか。

 やりたいことをやれ、てさ。


 自己満足だ。


 後のことは後の自分に任せて今はやりたいことをやればいいか。

 アディだって言ってたじゃないか。


 気楽にやれよってな。

 あぁそうだよ。


 全体を助けるとか、あの子だけ救っても意味はないとかそんなことどうでも良い。


 人攫いに攫われて、あの扉の先へ連れていかれた子供には運がなかった?


 いいや、違うな。


 たしかにあの子供は攫われた時点では運のパラメータは底辺突き抜けてマイナス値までいってただろう。


 だが、俺の視界に入って俺に認知されたことことそがあの子にとっての幸運だったのさ。


「スッキリしたぜ、ありがとな」

「あ、え? あぁまぁいいって事よ! 兄弟!」


 クルミタトゥーの男の肩を叩き、俺は路地裏を駆け出した。


 ー


 地下に監禁されている子供を助ける。


 そのためにはプランを練らなければいけない。

 考えるのをやめるとは言ったが、流石に思考停止していきなり突っ込むのはマズイだろう。


 あの子供にはあと少しだけ耐えてもらう。


 とある店に入り、初心者用の杖コーナーにあるを手に取りカウンターに向かう。


 カウンターにある呼びベルをぶっ壊す勢いで鳴らしまくる。


 ーーチチチチチチチチチチンッ


「あーわかった! わかった! わかりました! 今すぐ行きますよ! 壊さないでください!」


 奥から聞こえるオズワールの声。


「はいはい! それでどなたですか! うちの呼びベルを殺害したのは、ってアーカムじゃないか!」

「すみません呼びベル死にました」


 俺はもう鳴らなくなった呼びベルを丁寧にオズワールに渡す。


「うんん! 大丈夫さ、うちの呼びベルよく殺されるから呼びベルの予備ベルをカートン買いしてるさ!」


 なんだか切ないエピソードが飛び出したが、呼びベルの殺ベル行為を見逃してくれそうなので、このまま話を進めていくことにする。


「ところでどうしたんだい? アーカム。まだ杖を取りに来るには時期が早いんじゃないかな?」

「えぇそのちょっとですね、急遽杖が必要になったんですよ。一応聞きますけど、まだ僕の杖出来てませんよね?」


 本来10日と言われたところを半分の時間で来てしまったのだ。


 まだアルティメットスーパーウルトラミラクルハイパーファンタスティックビーストは出来ていないと考えるべきだ。


「うーん、すまないね。まだしばらくかかりそうなんだ。杖は今すぐ必要なのかい?」


 やはりダメか。

 なら当初の予定通り、安い杖を買うしかない。


「えぇ1秒でも早く必要なんです。ですのでこの杖をください。金貨4枚で、おつりはいりません」


「ぅえ? ま、まってまってアーカム! 一時的に杖が必要だって言うなら、僕のコレクションから好きな杖を貸してあげて構わないよ。君はアディのむすこだからね」

「本当ですか! じゃ最強のやつで!」


 勢いのあまり、すごく幼稚な選び方になってしまった。

 こんな子供みたいな頼み方では選べるものも選べないだろう。


「よしきた! はい! これを使っていいよ!」


 オズワールは腰から一瞬でステッキを引き抜き持ち手をくるりと回しこちらへ渡してきた。


 いきなり最強の杖という注文に応えてもらって、逆にこちらが狼狽してしまう。


「ぇ、あの、これが最強ですか?」

「そう! 最高で最強の杖『最高の作杖者Ozuwaru』だよ」


 杖に自分の名前をつけるなんてもうそれ最強じゃん。


「そんな、もっと店の奥に保管とかしなくていいんですか……?」

「僕のコレクションはたくさんあるけど、その中でも普段から使うのは1番良いやつなのは当たりだろ? わざわざ性能の劣る杖を使う理由がないからね」

「まぁたしかに......でもこれはちょっとまずいかもしれません」

「ん? どうしてだい?」

「だって、これ……ちょっと目立ち過ぎます」


 俺は手にした中杖を見ながら言った。


 オズワールの渡してくれた中杖は細部にわたってエングレーブが彫ってあり、持ち手の部分が真っ白な骨系の材料に金色の魔術言語の模様が入っている、ド派手で美しすぎる。つまり超目立つやつだ。


 多分、この杖はちまたで有名なオズワールの代名詞って言われてるスゲェ杖だ。

 流石にこれを使って犯罪組織を相手にするわけにはいかない。


「目立ち過ぎる、か。アーカム……君は一体何をしようとしてるんだい?」


 オズワールの視線が一瞬冷たいものに変わる。


 仕方ないか。


 俺の口調からすれば、いかにも「なにか悪いことをこれからやります」と言っているようなものなんだから。

 俺がこれからやることに関して説明したとして、オズワールがどういうスタンスでくるかはわからない。


 もしかしたら味方になってくれるかもしれない。

 逆に「僕はその犯罪組織にお世話になってるんだ!悪いねアーカム! 君の頭蓋骨で呼びベルを作らせておくれよ!」と言ってくる可能性もゼロではない。


 RPGの魔物で出て来そうだな。

 狂気のベル作成者オズワールが草むら飛び出して来た! とか言って。


 どちらにしろ今は説明する時間も惜しい。

 故に俺はただただ簡潔に答える。


「僕が正しいと思うことをしに行きます」


 オズワールはこちらの瞳をだだ黙って覗き込んでくる。

 俺の言葉の真意を探っているようだ。


「うーん……」


 ピンク男は唸る。

 そして、ふと思いついたようにしゃがむとカウンターの下をゴソゴソ、と音を立てながらいじり始めた。


「あった。アーカム。これを持っていくといい」


 オズワールはカウンターの下からただのステッキを渡して来た。


「これは……全然目立ちませんね」

「あぁそうだろう? そういう目的で作ったからね。丈夫で歩く補助杖としても使えるし、人を殴ってもオーケーさ。杖の力もなかなかのものだから、その初心者用の杖とは比べ物にならないレベルの魔法の運用にも向いている。最高の逸品だろう?」

「これ、人殴れるんですか。最高すぎません?」


 オズワールの応援に背中を押され店を後にする。


 さて、それでは次は雑貨屋に行くとしようか。


 ー

 ーー

 ー


 その日の天気は昨日までの快晴が嘘のようなどんよりとした曇りだった。


 灰色の雲が空を覆い尽くし外を歩いてるだけでも妙な窮屈感を覚える。


 そんな曇り空だけでも息苦しいのに、とある路地裏ではたくさんの男たちが集まってむさ苦しく圧迫感を覚える空間を作り上げている。


 路地裏の片隅でとある扉の前に立つ黒服の男が2人。

 彼らは自分たちのボスの命令でこの扉の番人の仕事をしている最中だ。


 彼らがボスから与えられている命令はただ1つ。


 部外者を入れるなーーただ、それだけだ。


 この命令はひどく簡単なものだと黒服Aは考えていた。


 王都で自分たちの姿をみて反抗してくるやつなんてまずいない、俺たちが「やるな」と言ったことは誰も出来ないとまで黒服Aは考えていた。


 扉を守るもうひとりの番人、黒服Bは眠そうだ。

 仕事中だというのに大きなあくびを隠す気もなくしている。

 きっと彼の中では番人の仕事は、ただ時間が過ぎるのを待つ仕事にコンバートされているんだろう。


 無理もない。

 彼らがこの路地裏の扉を守り続ける任について、すでに3ヶ月が経過している。


 この3ヶ月間、だれも彼らの守る扉の先に押し入ろうなんて考える奴はいなかったのだ。


 ゆえにどうしても緊張感がなくなってしまう。


 黒服Bは思う、目の前で喧嘩に明け暮れているバカな連中が来たとしても自分ならイチコロだと。


 それもそのはず、彼は魔術師なのだ。


 黒服Bはかつてレトレシア魔術大学に入学し、魔法使いの高みを目指したことがあった。


 だが、彼は卒業まで頑張ることができなかった。


 圧倒的な才能の差を見せつけられ、彼はレトレシア魔術大学を中退したのだ。


 レトレシア魔術大学で教わる一式、二式の魔法を使えば人を殺すのは実に容易い。

 俺は組織の中でも上に上り詰めることができる男なんだ……と黒服Bは自惚れていた。


 黒服AとBが揃いも揃って緊張感なく扉前に立つだけの時間を過ごしていると、ある異変が起こった。


 喧嘩で盛り上がっていたリングが急に静かになったのだ。


 黒服たちは何事かと多少の興味を持って人集りに目を向ける。


「どしたんだ?」

「……ぇ? やられてんじゃねーか!」


 黒服Bが驚いたのは、リングの人集りの隅に立っているはずのもう一組の仲間、黒服Cと黒服Dのペアが両方ともぶっ倒れていることだ。


 黒服Bは慌てて懐から杖を取り出す。

 錆びついた魔感覚を呼び覚まし、彼の最も得意とする火属性二式魔術≪汝穿なんじうが火弾かだん≫の暗唱を準備し始める。


 黒服Bが使おうとしている≪汝穿なんじうが火弾かだん≫は非常に殺傷能力の高い魔法だ。

 二式魔法とはいえ、この魔法をまともに食らえば魔物ですら絶命させる威力を秘めている。


「魔法使えんのかよ……」

「誰だテメェ!」

「シーとディーをやったのはテメェか!」


 黒服AとBは仲間のシーとディーがやられたことを、人混みを掻き分けて出て来た、に問いただす。


 どう見たって今この路地裏で1番怪しい男はこの覆面フード男だろう。


「……ふむ」


 リングに集まっていた観客たちにも緊張が走る。

 黒服Bの杖を握る手にもまた自然と力が入り出す。


 目の前に現れた怪しすぎる覆面フード男は魔術師に違いない、と黒服Bの直感が告げていた。


「我が名は!」

「ッ!?」

「なんだいきなりッ?」


 路地裏にどよめきが広がっていく。


 なんの前触れもなく覆面フード男が名乗りを上げようとしているのだから、びっくりするのも当然だろう。


 もっとも覆面フード男ーーアーカムは先ほどの黒服Aに聞かれた「誰だテメェ!」に答えるつもりなだけだったのだが、当の黒服Aは「誰だテメェ!」は自分たちの決まり文句のようなものと思っているので、特に意識して言ったわけではなかった。


 よって路地裏の人間たちには、なぜか覆面フード男アーカムがいきなり名乗り始めたように感じる事になる。


「ぁ? なんだ?」

「途中でやめんじゃねぇ! 気になるじゃねぇか!」


 再び路地裏にどよめきが広がった。

 何故か覆面フード男が黙ったからだ。


 いきなり名乗りはじめたかと思ったらその坂を言わず黙る。

 もはや訳がわからない状況だ。


「どうしよ」


 この時アーカムの心臓はバクバクと脈を打っていた。


 やべぇ、カッコよくヒーロー名的なの名乗ろうと思ったけど、よくよく考えたらこいつらに声聞かれるのってマズいんじゃね? っと初歩的な事に気がついたなんとも間抜けなアーカム・アルドレアである。


「この野郎バカにしやがって!」

「もういい、当たって砕けな! ≪汝穿なんじうが火弾かだん≫!」


 黒服Bの杖先が力を呼ぶ。

 純粋魔力が火の属性魔力へと変換されていき、空気を焦がしながら高熱量の弾丸が作り出された。

 魔力の「現象」発生だ。


「ッ!? それ人死ぬやつじゃねーー」


 アーカムは唐突に黒服Bから放たれた魔法に対して、かつて≪無名むめい≫と呼ばれた魔法ーー≪魔撃まげき≫を使って直前レジストを試みる。


 黒服Bから放たれた貫通力を秘めた熱量の塊。

 急速に接近する灼弾は狙いを外さない。


 しかし、アーカムは魔撃まげき≫を使って魔法攻撃を直角に曲げて上方へ流してしまう。


「ま、魔撃だと!?」


 黒服Bは天高く外された魔法に刮目し言葉を出せないでいる。

 目の前で起こった現象をよく理解できていないのだ。


 だが、彼は現状を理解するよりも先に、レトレシア学生時代の月間決闘大会で先輩に教えてもらったことを思い出していた。


 考えるより先にとにかく次の魔術式を満たしておけ、というアドバイスだ。


 かつて魔法の研鑽に励んでいた時の記憶に押されて、黒服Bはニコリと不敵に笑いながら、すぐさま次の魔法を準備することにした。


「やはり、そのステッキは杖だったかッ! ≪汝ぃーー」


 黒服Bの2発目よりアーカムの魔法発動の方が数段早かった。

 魔法の発動も早ければ、撃ち出された魔法も速い。


 黒服Bは自分が魔法を当てられてしまったことに絶望しながら、パタリとその場にヘタリ込んだ。


 まるで突然眠くなって寝てしまったかのような不自然と言えば不自然な、自然と言えば自然な動作だ。


「お、おいーー」


 ーーハグルっ


「バカァ、が、ぁぁぁ……」

「眠とけ!」


 アーカムは再度同じ魔法を黒服Aに命中させゆっくりとまどろみの中へ引きずり込む。


「ぉ、すす、凄ぇ」

「速すぎて全く見えなかったぜ……」


 リングで喧嘩ばかりしている男たちは、目の前で行使された神秘のなせる技に完全に魅入られていた。


 アーカムは戦闘中に結構喋ってしまった、とを後悔しながら、黒服Bが取り落とした杖を拾い上げ懐に入れる。


 こんな物は没収だ、と言わんばかりアーカムは満足げな顔をしているが、きっと金策にでも使うだけだろうか。


 そうして突如、路地裏に現れた謎の覆面フード男は黒服AとBそして黒服CとD……本名シーとディーをあっという間に倒して扉の奥へと突入するのであった。

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